後期型でMTだと2025年4月現在で100万円を超える個体が多く、学生には買えない。後期の方が出来がいい(エンジン潤滑UP、ミッションのギア比改善など)ので安い後期があれば買おう。
25年4月現在、最も安いFRクーペ。個人売買ではATは10万円台、MTでも20万円台から買える。
理由としては、ロータリーエンジンの当たり外れが激しいことにある。ロータリーは摺動部が多く燃焼室の気密が維持しにくいため圧縮が落ちやすく、レシプロと比べ寿命が短い。外れエンジンを引く可能性を嫌う人が多く、需要が減って安さに繋がっている。しかしオイル交換の頻度やカーボンの蓄積具合など、前オーナーの管理次第でコンディションが大きく変わり、8万kmでブローする個体もいれば15万km以上走る個体もいる。当たりエンジンを引けるかは運である。
RX-8を探す時は、どれだけ競技向けパーツが入っているかよりもエンジンが元気そうかの方がよほど重要になる。目安としては、温間始動がよいエンジンは元気なエンジンだと推測できる。冷間始動は大体どの個体もよい。エンジンオイルの粘度が高いので、エンジン内の隙間をオイルがふさいでくれるからだ。一方で温間、つまり純正水温計が真ん中を指しているときは、エンジンが十分暖まってエンジンオイルの粘度が下がっている。この時の始動が悪いエンジンは内部で隙間が多い、つまりシールが摩耗していたりハウジングに傷がついていたりする可能性が高い。一方で、ただプラグが被りかけで始動が悪い時もあるので、現車確認の時にデチョークしてから始動を見せてもらうとよいかもしれない。
調子のいいエンジンを載せたエイトを知り合いから買うか、OH済みエンジンやリビルトエンジンの載ったエイトを個人売買で見つけて買うのが安心だ。外れエンジンを引いてブローしても、やる気があればヤフオクなどで中古エンジンを買ってきて載せ換えてもよい。自分でOHしようと思うならブローする前にやるべきで、ブローしてハウジングに傷が入ってしまうとそれだけで出費が嵩む。OHするなら早めに行い、少しでも多くの部品を再利用すべき。
また、エイト自体の生産台数も多く、ロータリー系ショップを中心にパーツも豊富に出ているので維持は比較的楽。マツダもセブンとエイトのためだけに今でもロータリーエンジンを生産しているほか、純正パーツもまだまだ多い。マツダの努力に感謝しながら買おう。
RX-8のジムカーナ仕様はほぼ存在しない。車重が重くジムカでは不人気だからだ。よって出来車を買うよりもノーマルの車を改造してジムカ仕様にすることの方が多いだろう。そこで、個人売買で買ってきたエイトをジムカ仕様にするのに追加でいくらかかるか検討してみよう。
内装について。ジムカではきついターンが多く、運転席に体をしっかり拘束することが大切だ。そこで必要なのがフルバケットシートとフルバケ用シートレール、それと4点式以上のハーネス。セミバケットシートは腰部分のサポートが低く、純正シートよりはマシだがフルバケほど体を拘束できない。とはいえ買った車にセミバケがついてきた場合はそのまま競技を始めてもよいかも?フルバケはナニワヤから新品3万、各社中古で1万から出ている。シートレールは新品2万、中古で1万。また、ハーネスは中古がよいだろう。ハーネスは使用期限があり、JAF公式戦に出るには期限が切れていないことが求められる。そこで期限の切れたハーネスが安くヤフオクで出ているのでそれを買おう。1万。七大戦や学自連では期限が切れていても使える。
駆動系について。RX-8は純正でトルセンデフが入っている(ベースグレードのATを除く)ので、最初から機械式LSDを入れる必要は必ずしもない。まずは車高調だけあればよいだろう。もし買ってきた個体に車高調が入っていればそれでもよい。新品10万、中古で3万。ただし、中古車高調は減衰力が死んでいる場合がある。減衰力がないと車体の振動がいつまでも続き、なかなか減衰しない。ただ車高を下げるだけのショックになってしまうので、中古で買う場合は実店舗で現物を確認してからにするなど、よく考えたほうがよい。また、車高調にはOH可能なものもあるが、1本2万くらいするので、4本で8万。減衰の死んだ車高調を買ってきてOHするくらいなら新品を買うべきだが、予算のない場合は中古も検討してよいだろう。
車体とは別に改造費として最低6万、余裕をもって10万くらいは見積っておくと安心。
マツダの誇る13Bロータリーエンジンを載せた"ファミリー"カー。ピュアスポーツではないのでRX-7の後継機だと思って買うと後悔する。見た目は好みが分かれる。純正顔が気に入らなければエアロを買おう。ロータリー系ショップからエアロがたくさん出ているので選び放題だ!趣味性と実用性を足して2で割った性能で、セブンより遅いがセブンより快適で荷物も載る。車重が重く(1320kg)でジムカーナではライトウェイトのロードスターに食われがちで、全日本ジムカーナでもロードスターと比べ戦績は少ない。筆者もエイト乗りの先輩たちから「決して速い車ではない」と釘を刺された。ピークパワーは上なのでコース次第では戦える。かっこいい車で競技したいならよい選択肢。また、FRなのでドリフトも出来るし、ダートトライアル、ラリーのJAF戦出場実績もあり、何でもできる車。
・9000回転(タイプSのみ、他グレードは7500回転)まで回る。VTECよりも回る。ほぼ全ての車に対して高回転マウントを取れるぞ!
・公称250馬力(タイプS)だがそこまで出ていない個体も多いらしい。後期型の公称値は235馬力(タイプRS等)まで下がり、実測値に近づいたとされる。250(笑)馬力
・低回転域のトルクがない。発進でガクガクする。
・バッキングがひどい。
・タイヤが最大6本載るらしい(トランク1、後部座席4、助手席1)。なお後部座席に載る本数はタイヤ幅に依存し、245では2本が限界だった。
・後部座席の座面を外すと助手席をフルフラットにできる。座面はクリップでついているだけなのでエイヤっとやれば簡単に引きはがせる。車中泊の時に役立つ。
・持病が多いような気がする。テールランプ水没、パワステ不良、雨漏りなど。外車ほどではないが出来が悪い。
ベースグレードがおすすめ。16インチのタイヤが履けるのでタイヤ代を節約できる。同じ幅のタイヤでも16インチと18インチでは1本5000円くらい価格差があることもあり、ランニングコストを圧縮できる。また、低回転域のトルクもベースグレードの方が優秀。タイプSと他グレードでは違うエンジンが載っており、タイプSは高回転域のパワーを重視した一方で、他グレードは全回転域のバランスを優先している。
オートマが6ATになったマイナーチェンジ以降の前期型を「中期型」と呼ぶことがある。エンジンが後期型と同じ改良モデルになっているらしい。狙い目ではあるが、OH済みやリビルトの載った前期型の方が魅力的なので、わざわざ中期型にこだわる必要はない。
250PS/9000rpm/6MT。純正タイヤサイズは225/45R18。18インチタイヤは高いのでインチダウンしたくなるが、フロントは大径ブレーキのせいで17インチ以上のタイヤでないと入らない。TE37など薄いホイールなら16インチでも入るという噂。ワイドトレッドスペーサーを使えば16インチがはけるが競技で使うには不安が残る。リアは15インチまで下げられるらしい。ベースグレード用キャリパーブラケットとローターを用意すればブレーキを小径化することも可能。エンジンの特性曲線を見ると低回転域ではベースグレードエンジンよりトルクが低い。
215PS/7500rpm、5MT/4AT or 6AT。タイヤサイズは225/55R16。フロントが大径ブレーキではないので16インチが入る。タイプS用キャリパーブラケットとローターを用意すればブレーキを大径化することも可能。
4AT or 6AT。4ATはギア比がカスらしい。買うなら6AT。パドルシフトの配置が変。オプションで大径ブレーキが選択できるので、個体によっては16インチが入らない。タイプS用キャリパーブラケットとローターを用意すればブレーキを大径化することも可能。
・前期型6速ミッションはアイシンAZ-6というアルテッツァやS15にも使われているもので、これらの車種のパーツが流用できる。筆者のRX-8用AZ-6にもアルテッツァのスリーブを使っているぞ!86/BRZのAZ-6はFA20向けに全長が短縮されているとのことで流用は厳しいか。GR86/新型BRZも厳しそう。なおAZ-6は耐久性に難ありという声があり、マツダ内製の後期型ミッションに載せ換える人もいる。ちなみに後期型ミッションはすでに廃盤なので今からやるのは厳しい。
・前期型マツダスピードバージョン用オイルクーラー。サーモ付き。社外のオイルクーラーにはサーモがないもの(RE雨宮など)もあり、また純正なのでフィッティングもばっちりで、前期エイトにオイルクーラーを増設したい場合に第一候補になりそう。
・前期型AT用ドライブシャフト。MTのものより1本あたり500gほど軽いが、MTにつけても問題ないらしい。
・後期型デフカバー。前期型よりもフィンが増えていて冷却に有利。
・後期型デフエアーガイド。前期型に取り付けるにはガイドに穴あけが必要。
・後期型RS用ファイナル/ボンゴ用4.777ファイナル。速度に対する回転数が全域で上がるので、ジムカーナでは有利かもしれないが燃費は死ぬ。
・後期型RS用センターフロアカバー。フロアに穴あけが必要。
・後期型オイルパンカバー。前期と後期でドレンボルトの位置が違うので、前期にこれを付けるとオイル交換のたびにカバーを外す羽目に。手間を回避するためにはオイル交換を上抜きにするか、カバーに何らかの加工が必要。
・FD純正トルセンデフ。ロック率がエイト純正トルセンより高いらしいので機械式を入れるまでのつなぎに?
・FD用デフは全て流用可能という話がある。カバーはポン付けらしいが中身がポンではないとか?
・NB用電動ファンモーター。NBにはDWデミオやプレマシーの電ファンが互換らしいので、エイトにも使えるかも。
・DC5ブレンボ、レジェンドブレンボ、Z32純正キャリパー。いずれもブラケット必須。エイトの純正ブレーキは優秀なので無理に交換せずよい。国土交通省自動車アセスメントでは湿潤路において100km/hから停止まで44mという優秀なストッピングパワーを発揮している。
・CX-5用ウォッシャーノズル。小加工が必要。
・ベンツ用エアポンプ。エイトもベンツもボッシュ製のため互換が効くらしい。
・20プリウス用エアコンフィルター
ABSユニットが故障したら動作品と交換すればよい。しかし、ただ交換するだけでは車側のECUが新しいユニットを読み込まず、ABS経由のシステムが動作しないため車速が表示されないなどの不具合が生じる。エラーコードはU0121、abs no communication である。ディーラーに旧ユニットと車を持ち込み、旧ユニットの情報を新ユニットに書き込む必要があるので、それまでは旧ユニットを捨ててはいけない。CAN通信が関係しているらしい?
ABSユニットを修理してくれる工場があるようなので、そこに送り付ける手もある。しかし、一部の症状にしか対応できないそう。