180SX

このページでは180SXの基本情報・整備情報・部品情報などをまとめるつもりである。あくまで個人が書いた備忘録の蓄積に過ぎないので、参考にするかは各種の情報に照らしてご自身の判断で行ってね。品番はで記述。

180SXモデル概観

180SXは、90年代に発売されたドリ車である。180SX発売以前に既に日本で日本で人気を博していたS13の対米輸出モデルとして開発されたため、S13と大体の部品が共通している。180SXの特徴の1つであるリトラクタブルヘッドライトは、北米のヘッドライトの位置に関する保安基準を満たすために採用されたとされるが、当時の流行りであったという背景も大きいだろう。

180SXは2回MMCが行われており、その前後で前期・中期・後期と分けられる。前期は1989年から1991年にわたって販売され、鋳鉄製のCA18DETエンジンを搭載している。豚鼻と呼ばれるフロントグリルが特徴的である。後述する中期・後期よりボディの鉄板が厚いとされる。中期は1991年から1996年にわたって販売され、アルミ製のSR20DETエンジンを搭載している。同じSR20DETでも、当初のヘッドカバーが赤い「赤ヘッド」モデルから、途中でヘッドカバーが黒い「黒ヘッド」モデルに変更されている。噂によると、この変更により、ピストンにクーリングチャネルが追加されるなどの変更があったようだ。全体的に丸みを帯びたフロントバンパーが特徴的である。後期は1996年から1999年にわたって販売され、SR20DETとSR20DEエンジンが搭載された。180SXで唯一NAモデルが用意された型である。鋭角的でスポーティーなフロントバンパーと、丸目2灯のテールランプが特徴的である。

ちなみにエンジン型式の「CA」「SR」はそれぞれの大まかなモデル系統を表し、その次の「18」「20」などの数字は、「18」なら「1.8L」という感じで排気量を表す。以降の「D」は「DOHC」、「E」は「EGI(電子制御燃料噴射装置)採用」、Tは「ターボチャージャー搭載」であることを表す。日産系のエンジンは大体このルールに沿っているので、この要領で例えばRB26DETTは「RB型2.6Lツインターボ搭載エンジン」であると分かる。

型式の読み方

基本はS13と共通のため、全ての型式の末尾は「S13」で統一されている。その先頭につくアルファベットで細かな違いを見分けることができる。「R」は「ボディが180SXである」ことを指す。故に、全ての180SXには当然に「R」がつくことになる。「P」は「SRエンジンを搭載している」ことを指す。「K」は「HICASを搭載している」ことを指す。例として、「ハイキャス付きSRエンジン搭載180SX」は「KRPS13」で表される。

作業記録

ミッションリアオイルシール交換

下から覗くとミッションケースの下側がオイルっぽいので滲んでおり、とりあえず替えてみたが、結論から言うとこれが原因ではなかった。ミッションにヒビが入っている可能性もある。

ジャッキアップしてペラシャ外してシール交換して終わり!ペラシャを外す前に合いマークをつけておかないと、バランスが崩れるかもしれないので注意。シール交換の時はスプラインを傷つけないようにしよう。シールリムーバーがあると楽だが、マイドラをシールに刺して、てこの原理でとることも可能。打ち込むときはミッションオイルを塗り、満遍なく打ち込めれば何でもよい。32あたりのソケットがあると便利かも。

折角ペラシャを外したならサイドブレーキワイヤーも変えればよかったのだが、完全に忘れてたので変えてない。みんなは一緒に変えるといいと思うよ。

オルタネーター交換

雨の日に練習に行ったら走り始めて15秒くらいでバッテリー警告灯が点灯し、不動になった。寿命が来ていたところに水たまりがトドメを指したような気がする。その場で見てみたらバッテリー液が基準以下になっていたので、それも要因かと思われる。また、導電性のあるクーラントがリザーバータンクから漏れていたので、それがオルタネーターにかかってショートしたのかもしれない。ボンネットを開けたら焦げ臭いにおいがしていたが、後日の調査で配線などにショートの形跡はなかったので、本体内部のショートが濃厚か。

リビルトオルタネーターの価格はピンキリで、DENSOやBOCSH、信越電装など信頼のできる一流メーカーの物は3万~6万円などと高価で、ヤフオク無名のオルタネーターは1万円代と安価である。また、交換前のオルタネーターをリビルトオルタネーター購入先に返送する「コア返却」が一般的であり、コア返却がないとその分若干高価になる。当時も今も金はないので、ヤフオクで見つけた、1万5千円のコア返却なしリビルトオルタネーターを購入し交換することにした。ちなみに、リビルトオルタネーターにおけるリビルト項目は、消耗部品である「ブラシ」と整流器である「レクチファイア」などがあり、激安リビルト品はブラシのみ交換である場合がある。整流器に問題がある場合もあるので、最低この2項目が新品に交換されていることは確認すべきだろう。参考までに、CA用オルタネーター品番は「23100-35F10」でSR用オルタネーター品番は「23100-52F10/23100-52F11(後者は多分寒冷地仕様)」である。

オルタネーターなど、電装部品を交換するときは基本にバッテリーのマイナス端子を外す。交換中に端子がボディに触れてショートするのを防いだり、その際に部品が作動して事故が起こるのを防ぐためである。

オルタネーター交換の大まかな手順は、①ジャッキアップしてバッテリーマイナス端子を外す。②配線を外す。③ベルトを緩める。④取り出す。⑤取り付ける。⑥ベルトを締める。⑦配線を戻して動作確認して完了。という流れである。

この作業におけるコツとしては、オルタネーターを上から外すか下から外すかという点にある。ご存知の通りエンジンルーム内は窮屈なので、上から引き抜こうとしても、カップリングファン等に邪魔されて非常にやりづらい。ファンを外してもシュラウドやラジエーターのフィンを破損しないように気を使う必要があり、めんどくさい。一方、下側から引き抜く場合はスタビライザーを緩めて下げておけば簡単に抜けるので、特に理由がない限り下側から行うのが賢明である。オルタをほぼフリーにした後、スタビをメンバーに固定しているステーとボルトかナットを外せば、後は左右のロアアームでしか留まっていないので、倒して角度をいい感じにすれば何の苦労もなく摘出できる。

遮熱板作成

エキマニの熱でブローバイホースが溶けたり、インテークパイプに繋がるエルボーパイプが溶けたりしたので急遽ステンレス板で遮熱版を作成することにした。最初は1mmのものを買ったが、加工に苦労したのと、かなり重くて強固に取り付けすることが難しそうだったので0.4mm版で作成し直すことにした。段ボールで型をとって金切狭で切ってベルサンで角をとって、手で折って合わせて穴を開け、遮熱アルミテープを貼り、エンジンブロックのEAIを固定するサービスホールを使用して1mm厚のホムセンステーで固定して終了。アルミテープが剥がれそうな部分はダブルクリップで固定した。エキマニが変なレイアウトだったため、遮熱版とエキマニの間隔が2mmくらいしかなかったが、特に問題なく機能した。

ブローバイホース交換

当初はエキマニとストラットタワーを隔てるように遮熱版を作成したため、エキマニ直上の遮熱はしていなかった。その後走っていたら案の定ブローバイホースが溶けて詰まってグロいことになっていたので、その後はブローバイホースにも遮熱加工を行うことにした。今までは水道ホースにアルミテープを巻いたものを使用していたが、今回は反省してブリジストンの耐油ホース(PA3010)を使用した。内径15.9mmでピッタリ合うのでオススメ。最初はとりあえず2m分買っておいたが、インテーク~ヘッドとヘッド~ブローバイセパレータ―タンクまでの分で割と使い切ってしまい、タンク~ブロックへのホースは後日交換することにした。まぁタンク~ブロックのホースが最も熱がこもる場所にあるからこれを先に変えておいた方がよかったね。

あと、ヘッドからはブローバイとオイルが出てくるが、純正だとホースの中にオリフィスが入っておりブローバイのみを送っている。これがないとオイルがインテークまで入っていってパイピング内に付着したり、それが燃えてマフラーから白煙が出たりする。社外のブローバイキャッチタンクとかを付ければそれがオイルとガスを分離するので問題ないが、そんなもの買いたくないのでオリフィスを購入してホース内にぶち込んだ。今回は15用を使用(14889-D420B/2021年3月22日現在欠品中)。純正ホースを購入してオリフィスを取り出す方法もあるが、エキマニが社外のものに変わっているとそのまま使えず、割高・二度手間なので注意。

ブレーキホース交換

学ドリ少し前に各部点検をしていたらフロントブレーキホースに削れた跡を見つけ、なんだか滲んでいる気がしたので交換することにした。多分切れ角が上がってタイヤがホースに干渉したものと思われるが、知恵の輪しか入れていないので真の原因は不明。タイヤが擦れたにしては結構削れている感じだったが…

早速モノタロウで頼もうとしたが、出荷予定がめちゃ遅かったのでヤフオクとメルカリでいろいろ物色することに。ヤフオクでミヤコのゴムホースが新品が出ていたが、メルカリで同じくらいの値段でHPPの未使用ステンメッシュホース前後セットが売っていたのを見つけ、即購入した。メルカリはこういう掘り出しものが魅力なんだが、最近は「よくわからないマフラーカッター」「よくわからないスターターボタン保護カバー」「よくわからないLEDテープ」しか売ってないのでオワコン。ゴミ。出品者が爆速で発送してくれたので秒で交換した。ステンメッシュホースは劣化が分かりにくい・滲んでいるのか確認し辛いというデメリットもあるが、1か月に5日間くらいしか乗らないので大丈夫だろうということで妥協。安かったし。

まずはボディのブレーキラインホールの部分の接続部を外す。最初にクリップみたいのを外したら固定できなくて結局戻したので注意。あとブレーキフルードが溢れてくるのでこれも注意。そしてクリップをペンチで引き抜いてフリーにし、ブレーキ本体との接続部を外せば終了。ブレーキフルードがあふれ続けるので、素早く交換して終了。

自己診断

純正ECUは、各部センサーからの信号を基にフィードバック補正を行っている。万が一それらのセンサーからの入力が得られなかった場合にはフェイルセーフに入り、ECUにそのログが記録される。180SXはコンサルトカプラーという日産独自の規格を採用しているため、OBDカプラーの診断機は使用できない。ダイアグコードを見る方法としては、岡ちゃんウォーターテンプやトラストインフォメーターなど、コンサルト対応の追加メーターを使用する場合と、単純にコンサルトカプラーの6番と7番を短絡させて自己診断モードに入れてやる場合とがある。普段から前者のようなメーターをつけていればすぐに見られるが、そうでないなら必然的に後者を選択するしかない。以下に手順を説明する。

前提として、ダイアグが記録されるためにはある程度走行しなくてはならない。そうしてログを記録させることが必要である。まずエンジンを切った状態から、キーONにする。次に自己診断カプラーの6番と7番を2秒以上短絡させる。とても小さいので、この際クリップなど、先の細い金属が便利である。短絡させられればいいので、なければ適当な配線を突っ込めばよい。2秒以上短絡したら、短絡を解除する。たったこれだけで自己診断モードに移行する。通常、車のメーターにはエンジンチェックランプがあるので、その点灯パターンによりコードを読むが、中期までの180SXにはないので、ECU(助手席足元左側のカバーの裏にある)の裏側のLEDの点灯パターンで読み取る。

もう一つの方法として、ECUのアイドルボリュームスクリューを自己診断モードに合わせるという方法がある。この方法は運転席側をいじらなくてもいいので楽ではある。なお、CAはコンサルトでもないチェックボックスという変な規格を採用しているので、スクリューを弄る以外方法がない(チェックボックスを自作すれば可)。CAの場合、キーONにして自己診断モードまでスクリューを回し、2秒以上保持する。すると赤と緑のLEDが同期して点滅を始める。同時に2回点滅したら、1秒以内に反時計回りに回して元の位置に戻すと自己診断モードに入る。SRの場合は赤LEDのみなのでその点滅でモード選択をする。ちなみに選択できるモードは「故障警報」「自己診断」「O₂センサーモニタ」の3つであり、通常は「故障警報」になっている。

ECUは助手席側発煙筒がついているカバーの中にあるので、プラドラでカバーを外し、ECU本体を固定しているステーの10ミリのボルト上下2か所を外す。前期のECCSには赤と緑のLEDがついており、赤の点滅回数が10の位、緑の点滅回数が1の位を表す。中期以降のECCSは赤LEDのみになっており、長い点滅の回数が10の位、短い点滅の回数が1の位を示す。そうして得られた2桁のコードが自己診断コードであり、「55」なら「異常なし」である。

手軽に分かるので、車の調子が悪いときや、中古車の現車確認などの際にとりあえず調べるのもよいだろう。しかし、あくまで「ECU側の受け取った信号」を基にしたエラー情報であり、必ずしも実際の車両の状態と一致しない可能性もあるので、過信というか信頼はしない方がよい。故障原因が1つしかないというのは(特に古い車の場合は)ほぼありえないので、あくまで参考程度にとどめるべきであり、盲目にならないようにしよう。とはいえ、後述のように、これにより目の届かない部分の故障を突き止めることができたので一応役には立つということにしておく。

ノックセンサー交換

納車当初からブーストが0.4しかかからず、周りから遅い遅いと言われ続けていたものの、この車が1台目だったのと他の180SX/SRエンジン搭載車に乗ったことがなかったので、ノーマルはこんなもんなんだろうと思っていた。しかし、ある日エンジンが急にストールしたりアイドリングが不安定になったりすることがあり、そのトラシューのために自己診断をしたところ、34番=ノックセンサー異常を示していたので、交換することにした。

ノックセンサーとは、エンジンのノッキングを感知するセンサーであり、ECUはノッキングの度合いに応じて点火タイミングを進角することによりエンジンパフォーマンスを最大化するとともに、遅角(リタード)することによりエンジンを保護する。簡単に言えば、ノッキングが少なければ進角してパワーを追求し、ノッキングが多ければ遅角することにより保護している。また、ノックセンサーに異常があるとノッキングを感知できないので、常に6度遅角するフェイルセーフを行う。これによりエンジンが壊れるのを回避できるが、エンジン効率が大幅に低下するのでパワーが出なくなり、大幅に燃費も悪化する。

ノックセンサーは大抵の場合エンジンブロックに固定されているので、アクセスしにくい場合がほとんどである。180SXの場合はインマニの下あたりにあり、クソほど交換がめんどくさい。180SXのノックセンサー品番は22060-30P00である。新品純正品は14,300円もするし、海外不明品は怪しいので、部に落ちていた部品取りエンジンから収穫することにした。今度ロッカーアームとかも収穫しよう。

苦労しないで交換したいなら、大人しくインマニを外して交換すべきである。ただガスケットをそろえる必要があるし、どうせならライフハック的方法を試したかったので、下からゴソゴソして交換することにした。

フロントブレーキO/H

オルタネーターを買う金がなくて1か月くらい放置した後にオルタネーターを交換して試走に行くために部室を出た瞬間、ハンドルがすごい勢いでブレ始めた。進むたびに酷くなるので1kmくらい走ったところでUターンして帰部した。たどり着く頃には左フロントから「ガッガッガッ…」みたいな音がしていたので、なんかロックしてんなと思った。

ピットに入庫して左フロントを見てみると、異常なまでの熱を感じたので、ブレーキ固着だと分かった。全開走行後のエキマニよりも熱い。とりあえず扇風機の風を当てて冷えるのを待ち、キャリパーを外してピストンをツールで戻そうとしたが、微動だにしなかった。ツールの方が壊れそうな感じ。というわけで再び不動になった。

その日は予定があったので後日修理に来てみたが、ピットが空いていなかったので青空整備することに。もともとC33の片押し2podキャリパーがついていた。これはC33のメダリストだか2500ターボだかの一部モデルにしか設定されていなかったもので、品番も分からなかったので、O/Hキットの検索に苦労した。ようやくわかって発注し、ピストンを外そうとしたが…何をしても外れなかった。もう何をしてもダメだったので、キャリパーごと中古で探したものの、見つからなかった。この機会にお金がある人はGTRブレーキとかにするんだろうけど、そんなものはないので、部に落ちていた180SX純正の方押し1podキャリパーを使うことにしたが、ピストンがなかったのでピストンとO/Hキットを発注し、ようやくO/Hを開始した。

流用情報

フロントナックル流用(14・15ナックル)

社外ナックルはS14/S15の物が多い傾向にあるので、そのまま180SXに入れられたら便利だ。しかし、S13とS14/S15ではハブのスプライン径が異なるため、ナックルを入れるならハブを変える必要がある。

S13は純正で4穴なので、①4穴ローターをそのまま使いたい場合には❶S14J's/Q'sのハブを使おう。②ついでに5穴化したい場合は、❷S14K'sかS15のハブ/ローターを使う。

しかしここでも問題がある。ナックルの、S13系車高調との取り付け穴の径の差である。S13系の取り付け穴は外径12mmであるが、S14/S15の外径は14mmであるため、①S13のM12の取付ボルトナットをそのまま使いたい場合には、❶外径14mm・内径12mm・全長28mmのカラーをナックルにつけよう。ヤフオクとかで売っている。②もしS14/S15ナックル用のM14の取付ボルトナットを使いたい場合には、❷S13系車高調のブラケット側を長穴加工するか、❷14/S15系の車高調を使うか、❷S13の車高調にS14/S15のブラケットを移植するという手がある。まぁ普通に❶カラーをはめた方が手っ取り早い。「俺はキメラが作りたい!」「次のオーナーを困らせたい!」という方はどうぞ❷の手をご利用ください。

以上でナックルは装着できたね。さぁあとはアーム類を取り付けていこう…あれれ!?ロアアームがつかないよ!!そう、S13のロアアームとS14/S15のロアアームは、ボールジョイントの大きさが違うため、ポン付けはできない。①めんどくさいからそのままS13ロアアームをつけたい場合は、❶1mm程度のワッシャーをボールジョイントととの間に噛ませてやるとよい。代表的なものにBNR34のブレーキキャリパーに使用されている品番41044-6P010というワッシャーがあるが、これはモノタロウでは既に取り扱いが終了しているため、もぎ取るか、適当なワッシャーを探そう。なお、足回りという大きな力がかかるところにワッシャーを噛ませるという行為は危険が伴う。縁石を踏んだ際に負荷がかかって折れたり曲がったりしてしまうことが考えられるため、あまりおススメは出来ない。

②だったら❷S14/S15ロアアームをそのまま入れればいいじゃん。しかし、S13純正ロアアームと比較すると、S14/S15ロアアームの方が10mmほど長いため、ワイドトレッド化されてしまう。③それが嫌な人は❸HCR32のロアアームを入れよう。というのも、HCR32はロアアームの全長はS13と同じで、ボールジョイントはS14/S15と共通なので、トレッドを変えることなくS14/S15ナックルに対応できる。❸または、S14/S15のロアアームのボールジョイントをS13のものに打ち換えるという手もあるが、そこまでする意味はあんまりないかも。わざわざ打ち換えるよりは、HCR32のロアアームを探した方が早いし、ドリフトしたいなら❷S14/S15の延長ロアアームをこの際入れちゃった方が得。キャンバーいっぱいつけちゃおう!!よし、作業おしまい~

最後にブレーキを戻そう!13キャリパーはS14/S15ナックルにポン付けできるので安心だね。ブレーキ流用は後の項で取り上げる。

ちなみにおさらいすると、ハブの選択→車高調との辻褄合わせ→ロアアーム選択というように決定していけばよい。見ての通りかなり流用の幅が広い分、必要最低限なものが何かを見極めるのはなかなかめんどくさい。今回は足回りの中でも特に中心に位置するフロントナックルを取り上げることで、以降の説明がより理解しやすくなるようになっている…はず。書きかけなのであんまり参考にしないで。

Y33シーマとかの流用もあるよ。

ロアアーム流用

なんでもかんでも流用しようとするのは、やめよう!

メンバー流用

S15メンバーを使おう!

ダッシュボード流用

バキバキのダッシュボード使ってる人は、S15のダッシュボードを使おう!ポン付け可能。少し新しい車っぽくなる気がする。

タービン流用(14タービン)

14タービン流用は定番流用の一つである。ただし、令和の時代に中古14タービンを流用するくらいなら適当なHKSのタービンを購入した方が賢い。なぜ14タービンなのか。ロマンがあるから?落ちてたから?俺がお金ないから?

流用する上では、180SXとS14のエンジンとタービンの違いを正確に把握するのが大切である。まず、180SXのタービンはメタルフロータービンであり、14タービンはボールベアリングタービンである。メタルフローはオイルがベアリング・ダンパーの役割を果たしており、ボールベアリングはその名の通りボールベアリングが採用されており、オイルフィルターダンパーなどで軸振動を吸収しているとかなんとか。ボールベアリングの方が「軽い」と言われているが、自分で確かめてないので知らない。メタルフローの方がオイルの果たす役割が多いので、ボールベアリングよりもタービンに必要な油量は多くなると思われる。事実、エンジン~タービンのオイルラインの、タービン側バンジョーボルトを比較してみると、180SXのメタルフロータービンの方がオリフィスの内径が大きくなっている。

このことから、180SXのバンジョーボルトを14タービンにつかってしまうと、油量が多くなってしまうことが分かる。逆に、14のバンジョーボルトを13タービンにつかうと、油量が足りなくなってブローする可能性が考えられる。多い分には何の問題もないように思われるが、オイルを喰ったりエア配管についたりするらしいので、やめようね。

次に、180SXと14のウォーターラインの違いについてである。180SXのウォーターラインは、エンジン助手席側~タービン~エンジンバルクヘッド側というようなレイアウトになっている。ちなみに、バルクヘッド側のウォーターラインはマジで作業しづらい。一方で、14のレイアウトはウォーターOUTがウォーターアウトレットパイプに戻っているので、作業性が改善している。14以降も180SXのレイアウトだったら日産じゃなくてお猿産て呼んでたよ。それはともかく、折角流用するなら14のウォーターアウトレット(11060-69F01)も流用したほうが賢いということです。AS-M○RIのウォーターアウトレットに変えてもよいが、あれだとパワステのラインに干渉したりクランク角センサーの調整ボルトにアクセスしにくくなるらしいので注意。ボトルネックの解消にはなるだろうけど、それが冷却にどの程度寄与するのかのデータもないので今回はパスした。ちなみに筆者は学ドリ2020出発5秒前にエア抜きのボルトをねじ切っていたので、アウトレットごと交換するいい機会になりそう。

ガスケット流用

純正のエキマニとエンジンの間のガスケットは紙製だが、S15のもの(14036-75F00)はメタル製のため、こちらを使えば強化になり、外すのも楽である。また、エキマニとタービンの間の四角いガスケットはエクストレイル用のガスケット(14415-8H600)を使うといいらしい。S15用のガスケットキット(14401-69F27)に付属するものは15用のものであり、それでも悪くないとは思うが、シルビアのガスケット抜けがあまりにも有名なことを考えると、僅かな希望にもすがりたくなるのである。

ドライブシャフト流用

GTRとか。

ブレーキ流用

日産車のブレーキであればナックルの取り付け部がほぼ共通なので大体なんでもつくよ。金があるならGTRの対向4podにでもすれば?ただし、180SX純正はブレーキキャリパーとの取り付け部にバンジョーボルトを採用しているのに対し、S14とかGTRとかはフレアナットを採用しているので、ブレーキラインごと移植する必要があると思う。

シート流用

GTRのシートを使うとセミバケっぽくなるらしい。

ヘッドブロック流用

プリメーラのVEヘッドを流用するとバルタイも使えて便利らしい。学生には無縁。

ボンネット流用

これでイカチー悪エイティに大変身!ライト部にはエルグランドのフォグをつけるのが割と多いらしい。個人的には14ボンネットの方が好き。

ファイナルギア流用

ラルゴでも使っとけ!!!トルクの鬼!!!

エキマニナット流用

180SX純正のエキマニは、ヨークワッシャー?とナットで留めてあるが、S15だと一体型になったナットが採用されている(ワッシャー品番を見失っていなければ)。品番は14094-JG30(A)である。

180SXあるある

パワートランジスタ

エキマニの熱でよく動作不良になる。走行開始時は普通なのに中盤あたりでおかしくなったと感じたらこれを疑おう。対策としては、エキマニ遮熱版をつける、パワトラを移設する、パワトラレスにするなど。

ブレーキランプ

古い車ではブレーキランプをON/OFFするスイッチのストッパーが劣化して粉々になり、ブレーキがつきっぱなしになってしまうという現象が起こる。応急処置なら1円玉を数枚重ねたものを挟み込んで固定するなどで十分だが、激安なので新品に交換することに越したことはない。新品品番は46512-H0101である。13系に限らず古い車は変えておいた方がいいだろう。

クラッチペダルブラケット

アホみたいにクラッチを蹴るから溶接が剥がれる。サーキットでも法定速度を守り、丁寧な運転を心がけましょう。

ドア

運転席側/助手席側ともに、経年劣化でドアのしまりが悪くなる。この原因の大半は、ドアのストライカー側のブッシュ的なものが劣化してしまうことによるものなので、ストライカー(80570-04E00)を新品に変えれば大抵の場合直るはず。そんなものに出す金はないという方は、ストライカーのブッシュの部分にビニールテープかなんかを巻けば多少ましになるよ。

タイヤハウス内の配線

シルビア系は車高短にすると、いつの間にかタイヤが配線と擦れて断線したりショートしたりする。筆者はこれが嫌でシャコタカにしていたのだが、フロントショックが完全に抜けていたことによる車高変化も相まって断線させてしまった。ヘッドライトやパワーウィンドウ、ワイパーなどの配線が多いので、走行そのものへの直接の影響は少ないと思われるが、不便なので気を付けよう。対策としては、配線をストラットタワー上に移設する、配線カバーをつけるなど。

オフセッ🚚アダプター

ワンチャン営業妨害になりそうなので伏字(?)で勘弁。切れ角を上げると所謂「逆間接」の状態になってしまうことがあり、これになるとステアリングが切れなくなってしまう。これを回避するためにはラックを前出ししたりという対策が有効だが、ステアリングラックとタイロッドの締結部分にタイロッドを前にオフセットするアダプターを噛ませることにより、ラック前出しと同様の効果が期待できる。しかし、このアダプターを装着した車のラックがブローするという話を多く耳にするので、付けるときはよく考えよう。メーカーが調べてくれれば原因がアダプターにあるのかユーザー側にあるのか分かるんだけど、よく分からないのでとりあえず注意喚起。

オイルフィルター

180SXに限った話ではないが、S13系とS14/S15系はオイルフィルターブロックのネジのピッチが異なるので、間違ったものを使わないように注意。

参考にさせて頂いたWEBサイト

かなりマイナーな作業に関しても解説されている素晴らしいWEBサイト。ガソリンタンク交換の際にこのサイトを先輩に教わって助かった記憶があります。Q&Aコーナーもあるので、調べても分からない場合は質問してみてはいかがでしょうか。

DIYで13を弄りまくっていらっしゃる方のブログ。考察等も多く、記録も詳細なため、思わぬ場面で参考になることも。14タービン換装の際には部品番号など、大変参考になりました。

こちらもDIYで13を弄りまくっていらっしゃる方のブログ。こちらも作業手順を詳細に記録されているので、みんカラの10倍くらい参考になります。NBに関する作業記録等もあり。

「今回はこれを交換します!→交換終わりました!作業してたので写真はありません!自分的には満足です!」←????