阿波野青畝は、水原秋櫻子、山口誓子、高野素十とともに「4S」と称されるなど、昭和初期の「ホトトギス」の先陣をきる作家として名を馳せました。1929年には奈良を拠点に「かつらぎ」が創刊され、その主宰となりました。
青畝は協会や結社の垣根を越えた交流に力を注いだことでも知られており、関西におけるその拠点として1975年に発足した大阪俳人クラブの初代会長に就任します。
葛城の山懐に寝釈迦かな
朝夕がどかとよろしき残暑かな
ルノアルの女に毛糸編ませたし
山又山山桜又山桜
牡丹百二百三百門一つ
『阿波野青畝全句集』(角川書店、1998年)から