バラシクロビル~バルトレックスとジェネリック医薬品

バラシクロビル(Valaciclovir)~ヘルペス治療に最適な薬:バルトレックス

バラシクロビルは、2000年10月に発売された、抗ヘルペスウイルス薬で、ヘルペスウィルスのDNAの複製を阻害することによって、ウイルスの増殖を抑えます。

先発医薬品名は、”バルトレックス”です。

性器ヘルペスや口唇ヘルペスをはじめとする単純庖疹と、帯状疱疹において、優れた適応性を示すことが認められています。

性器ヘルペスの発症時や、再発抑制に使用することで、セックスパートナーへの感染を抑制することが認められています。

バラシクロビルは、アシクロビルでは効果のないヘルペスにも有効です。

バラシクロビル(バルトレックス)をインターネットで買う~アシクロビルとの比較

バラシクロビルの効能効果

性器ヘルペスの再発抑制に対する本剤の投与により、セックスパートナーへの感染を抑制することが認められています。

ただし、バラシクロビルの投与中でも、セックスパートナーへの感染リスクがあるので、コンドームの使用等が推奨されます。

バラシクロビルの医療情報

バラシクロビルによる性器ヘルペスの再発抑制療法

バラシクロビルによる性器ヘルペスの再発抑制療法は、既に世界54カ国で承認され、標準療法となっています。

また、バラシクロビルの継続的な服用により、性行為時のパートナーへの感染も予防できることが、明らかになっています。

免疫正常患者を対象とした海外の臨床試験では、バラシクロビルの継続投与(500mg1日1回)により、1年後に1度も再発しなかった患者の割合が5.4%(プラセボ群)から40%に増加(再発リスクが71%低下)したことが報告されています。

ヘルペスは再発との戦いです

残念なことに、ひとたび人の体に入り込んだヘルペスウィルスを、完全に抹殺してくれる薬は、まだ作られていません。

潜伏したウイルスが、宿主の免疫力の低下などで再活性化するのが「再発」です。

身体の免疫力が強い時には静かに潜んでいるのですが、心身の疲労や月経などの刺激によって、年に1~2回から、多い人だと、月に2~3回の再発を見ることも珍しくありません。

性器ヘルペスは、根治が難しい上、無症状時にも外陰部などにウイルスが排泄されている場合があるため、感染の予防が難しいのです。

性器ヘルペスの再発抑制~投薬の仕方

「性器ヘルペスの再発抑制」の具体的な投薬方法は、再発頻度が年6回以上を目安(免疫正常者の場合)に、1回500mgを1日1回を投与することとなっています。

バラシクロビルの投与期間には制限はなく、1年間投与後に、投与継続の必要性について検討することが推奨されています。

つまり、それぐらい、ヘルペスの除去は難しいということですね。

ちなみに、上記の治療方法は、通常のヘルペスの治療の仕方である

といった規定とは異なるので注意してください。

再発抑制療法の問題点

性器ヘルペスの再発抑制のためにバラシクロビルを使用する場合には、1日投与量は少ないが、長期間使用し続けることが前提であり、腎排泄型の薬剤であることから、特に腎機能低下のある患者や高齢者などにおいては、腎機能を継続的に観察する必要があります。

海外の臨床試験では、1日500mgの投与量でも、投与患者の30%近くに、臨床検査値異常を含む副作用が認められています。

多く見られるのは、頭痛、嘔気、下痢、腹痛などです。

性器ヘルペスの再発の仕組み

性器ヘルペスは、主に性行為により感染します。

感染すると、数日から十数日間の潜伏期を経て、刺すような痛みとともに、小さな水ぶくれが陰部に出現します。

そして、増殖したヘルペスウイルスは、知覚神経を上行して神経節へ入り潜伏します。

再発時の症状は、初めて発症した時に比べると弱いことが多いものの、「パートナーに移してしまうかもしれない」「いつ再発するかわからない」といった患者の精神的な苦痛も問題とされています。

性器ヘルペスの詳細はコチラ

性器ヘルペスの再発抑制の適応に関して

単純疱疹には、性器ヘルペス以外に、主に1型ウイルスによる「口唇ヘルペス」があるのですが、適応が認められたのは、主に単純ヘルペスウイルス2型を原因とする性器ヘルペスの「再発抑制」です。

薬理効果

バラシクロビルは、ウイルスチミジンキナーゼを介さずに活性化するので、アシクロビル(ACV)に耐性を持ってしまったヘルぺスウィルスにも有効です

バラシクロビルとバラシクロビルはどっちが良いの?

性器ヘルペスの画像写真

バラシクロビル(バルトレックス)の服薬方法と用量

性器ヘルペスの発症時、または、単純疱疹(たんじゅんほうしん)の発症時

通常、成人には

バラシクロビル500mg =1日当り x 2回 x 5~10日間服用

性器ヘルペスの再発抑制治療時(予防として使用する場合)

通常、成人には

バラシクロビル500mg =1日当り x 1回 x 3~5日間服用

なお、HIV感染症の成人(CD4リンパ球数100/mm3以上)には

バラシクロビル500mg =1日当り x 2回 x 3~5日間服用

性器ヘルペスの再発抑制治療時(再発が認められた場合)

免疫正常患者において、性器ヘルペスの再発抑制として、本剤を使用している際に再発が認められた時には、

バラシクロビル500mg =1日当り x 1回 x 毎日の投与を、1日当り x 2回 x 毎日の投与に変更します。

そして、治癒した後は、1日当り x 1回に戻します。

また、再発抑制に対して本剤を投与しているにもかかわらず頻回に再発を繰り返すような患者に対しては、

バラシクロビル1000mg =1日当り x 1回 x 毎日に変更することを考慮してください。

帯状疱疹(たいじょうほうしん)の発症時

通常、成人には

バラシクロビル1000mg =1日当り x 3回 x 5~10日間服用します。

水痘(みずぼうそう)の発症時

通常、成人および体重40kg以上の小児には

バラシクロビル1000mg =1日当り x 3回 x 5~10日間服用します。

用法・用量に関連する使用上の注意

副作用

主な副作用として、頭痛、眠気などの意識低下、傾眠、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、腹部不快感、蕁麻疹、発疹、かゆみなどが報告されています。

このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。

まれに下記のような症状があらわれ、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。

このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。

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