現在、最もよく使われているタイプの抗生物質です。
いろいろな菌に強い殺菌作用があり、第一世代、第二世代、第三世代に分類されます。
ペニシリン系に近い抗生物質で、抗菌スペクトルが広く、いろいろな病原菌に有効です。
細菌の細胞壁を破壊して細菌を死滅させますが、人の細胞には作用しないので、副作用があまりなく、ペニシリン・ショックなどのショック症状を
現在では、抗生物質の生産量の多くが「セフェム系」で占められています。
細菌には、ヒトの細胞には無い『細胞壁』というものがあります。
細胞壁がなければ、細菌は生きていくことができません。
細胞壁の合成を阻害する物質を投与すれば、細胞壁がなくなり、外から水が浸入してくるようになり、膨張・破裂することで、細菌は死滅していきます。
用途
飲み薬は、咽頭炎や扁桃炎、気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎、麦粒腫(ものもらい)など、わりと軽い感染症に用いることが多く、熱やノドの痛みをともなうカゼにもよく使います。
重症例には注射薬が適当です。
広域用ペニシリン剤と同じように、人体の細胞には作用しないので、抗生物質に対するアレルギー症状以外には、これといった副作用がありません。
安全性が高く、適応症も多いので、各診療科で汎用されています。
時間依存性タイプの抗生物質は、定期的に服薬することで、血液中の濃度を一定に保ち、一定の濃度を維持することで、効果を発揮します。
薬剤の効果は、細菌との接触時間に依存するため分服投与が、基本になります。
セフェム系の分類
セフェム系の抗生物質は、開発時期や抗菌力の違いにより、第1世代~第3世代に分類されることがあります。
ケフレックスに代表される第1世代は開発が古く、抗菌スペクトルはグラム陽性菌が中心です。
第2、第3世代は、グラム陰性菌や嫌気性菌にも強い抗菌力を示し、2次感染や難治性の感染症に向きます。
ケフレックス
ケフラール
フロモックス
メイアクト
セフゾン
オラセフ
パンスポリン
セフスパン
バナン