N360E racing engine 5

N360E racing engine 5

組み立て

メーカーの在庫は期待していなかったのですが、ミッションのベアリング(91003-601-000)を注文したところ在庫有りとの事だったので早速注文して見ました。きた部品を見てみると、他の車の部品と統合されていた様で部品番号が変わっていました(91004-PA9-003)。PA9の車種が判りませんが、どの車でしょう・・・・・・

プレスを持っていないので、ベアリングはギアプーラーで外し、入れる時は内径の合う鉄パイプで打ち込みました。また、ミッションにはマイクロロンをはけ塗りしておきます。

エンジンの組み立てを始める前にシフトロッド部分のオイルシールが欠品なので、代用品を加工します。ベースはトゥデイ用だったかのシフトロッド部分のオイルシールを使います。写真で判る様につばが付いているのでこれを切り取りヤスリで仕上げました。

パッキン類はすでにホンダからは出ませんでした。そこでカーサービスさんのガレージセールで入手した物を使います。

やっと部品もそろったので組みたてます。まずはカムチェーンを通したクランクとシフトプレート、アーム類をアッパーケースに組みこみます。次にミッション、デフを組んでロアーケースをのせます。組み込む際には燃焼室の容量を測るために購入した注射器でマイクロロンとオイルを各ベアリングに注入しておきます。クランクケーススペーサーが5速の証です。

Lカバーを付けてからクラッチを取りつけます。クラッチダイアフラムスプリングをN600用の強化品に変えようとクラッチを分解していたところリングハンガーが割れているのに気が付きました。仕方が無いのでドナーから外して交換します。

ちなみにクラッチフリクションディスクはバイクのクラッチで有名なFCC製なんですねぇ。

シリンダーから上に取りかかります。まずはもう一回燃焼室とピストンとの干渉、次にバルブとピストンが干渉しないかチェックします。バルブスプリングはとりあえずカムに追従してバルブが動くだけで良いので柔らかい物を入れ、試して見ました。

1.5mmのガスケットを入れると燃焼室もバルブもまったく干渉しない事が確認できました。一安心です。

ところがヘッドを組みたててから気が付いたのですが、カムケース間に入るパッキンが有りませんでした。在庫している物と確信していたのですが・・・

さすがに11月だと5時前に暗くなってしまいますし、日が陰ると気温も急に寒くなります。これで作業終了です。

カムケースパッキンは会社の昼休みに作りました。みんなからは、またなんかやっていると冷ややかな目で見られています。しかし、一番複雑な形状のパッキンを作ることに成るとは・・・・歌舞伎の隈取のような形だと思いませんか。

カムチェーンのプッシュバーを油圧式からマニュアルに改造しました。油圧が上がるまでカムチェーンが暴れてケースを削ることがなくなるはずです。一度分解し、M8のタップを切ってあります。

スパークアドバンサーはデンソーに注文して作らせたリメイク品を沼津の「黒N」さんから譲っていただきました。写真を撮りそこなったので箱の画だけです。

オイルクーラーの配管が終わり、エンジン単体は完成しました。オイルクーラーと配管にはじょうごでオイルを入れておきます。新品のプーリーが綺麗です。ファンが無いのでプーリーとしては使わないんですがね。

ここで問題が発生。バックライトスイッチを締め込んでいたらスイッチ側のネジをねじ切ってしまいました。ネジが10mmなので普通のネジと同じ感覚で締めていたらあのフニュっとした感覚が・・・・そうですよね。アルミで出来ているんですから普通のネジの様に締めてはいけませんねえ。これは5速専用でロッドの長さが違います。とりあえずレースでは必要無いので同じピッチのネジにテフロンテープを巻いてオイル漏れだけ防いでおきます。部品が出ると良いんですが・・・・・。上がねじ切った5速用。下が4速用。

新旧エンジンのご対面です。前のエンジンも4速ながら良く走ってくれました。

エンジンを交換します。ストラットはボディー側に残してサブフレームを分けます。ブレーキラインを外すと後でエア抜きが面倒くさいので、キャリパーを外してストラットにタイラップでぶら下げておきます。

エキパイ、キャブ、配線等の補機類を付けます。エキゾーストガスケットはノーマルを頼むと他の車の部品と共通化したのか、外形が若干大きく、上手くはまりません。そこでCBR900RRのガスケットを流用します。これだとぴったりです。

エンジンを搭載して見るとオイルクーラーが斜めになり下部が出っ張ります。ここは「えいっ」と脚力で調整しました。おかげでフロントグリルと面一の良い感じに仕上がりました。

エンジンも一様かかるようになり、レースに向けての不安は無くなりました。そこで、以前買っておいた温度計で油温計を作ってみました。銅パイプを曲げ、買ってきた温度計の熱電対を先端にかしめて取り付けます。これにノーマルのオイルレベルゲージからゴムパッキンを剥がして取り付け、さらに配線に延長用のコネクタを取り付け完成したのがこれです。そうです。オイルレベルゲージの代わりにこれを入れて温度を測ろうという物です。指が掛かるところにはシリコンチューブを入れてみました。表示部分には吸盤が付いています。