N360E racing engine 4

N360E racing engine 4

クランク,一次減速

堀口内燃機工業さんからシリンダとアッパーケースの加工が上がって来ました。今回はずいぶんわがままをお願いしてしまいました。まず、シリンダスリーブは将来500ccにしても大丈夫な厚さを確保してもらい、それに合わせてアッパーケースの開口部も広げてもらっています。

アルミガスケットを作ってみました。一作目はノーマルガスケットをテンプレートにしてアルミ板にケガキ穴を開けていきましたが、肝心のシリンダの穴のセンターがずれてしまい一作目は失敗。

次は、まず正確な寸法を出すために魚拓ならぬシリンダ拓を取りました。これから寸法を出してトレーシングペーパーに作図した物をアルミ板に貼って、これに穴を開けました。ちょっと反ってしまいましたがまずまずな仕上がりです。まだバリ取り、外形などの細部の仕上げが必要です。

クランク周りをチェックしていたらリテーナーのスラスト方向に異常磨耗を発見してしまいました。交換しなくてはなりません。

クランクは以前、高回転でセルダイのローター位置決め用のピンが折れたことが有ったので、ピンからキーへ加工も堀口内燃機工業でしてもらいました。

と、クランクの準備をしていた所、ハイカムを注文したファイナルステージさんに、なななんとレーシングクランクを貸与していただけることに成りました。(その後買い取り)これがカム等と一緒に到着しました。

うっ美しいです!!

惚れ惚れしてしまう美しさですねえ。外周が削られ、持ち上げただけでもノーマルとの重量差がハッキリわかります。これは借り物なのでサイドベアリング等は新品を手配・・・・ない。ホンダからはR.アウターリングしか出てきませんでした。仕方が無いのでリテーナーは再びファイナルステージさんに協力を頂き、オイルシールは武蔵オイルシール工業さんより支給して頂きました。さらにニードルベアリングは日本トムソンさんより譲っていただきます。

NZレーシング染谷さんの所で購入した19tの一次減速スプロケットを予備のケースで検討して見ました。スプロケットの外径が大きくなったため、テンショナーのローラーが当たる前にステーがチェーンに当たってしまいます。

TN360のチェーンテンショナーを組んでみるとローラーが大きい事もあって、ステーには当たりません。しかしエンジンブレーキ時、テンショナーがフルバンプするとケースにローラーが当たってしまいます。

ノーマルテンショナーに切れこみを入れて曲げてみました。これで溶接すれば問題は無さそうですが、テンショナーがバンプしたときチェーンの上が大きくたるみケースに当たりそうです。

そこでTN360のテンショナーに同じような加工をして見ると、ほとんどテンショナーがストロークしなくなりました・・・・・これってエンジンブレーキ時、テンショナーに下向きの力が大きく加わることになりそうですねえ。ちょっと検討が必要です。ノーマル改を採用します。

切り欠いたTNのテンショナーとNのテンショナーをファクトリーレーシングさんで溶接してもらいました。見ているその場であっという間に完成。僕の持っているアーク溶接ではこうは行きませんね。 (この後、切り欠き場所については問題が発生しましたが・・・・・・・・・)

新しく組む5速ミッション,ドライブスプロケットと4速、5速のノーマルと速度を比較してみました。上手くいけば9000rpmで150km/h・・・・・

4速ノーマル

5速ノーマル

5速+ドライブスプロケット19T

ドライブチェーンも2駒増やさなくてはなりません。チェーンカッターで切った貼ったしてノーマル3本から駒を増やした2本を作りました。

チェーンカッターを出したついでにカムチェーンも作りました。ヤマハFZR750のカムチェーンの駒数を合わせて作ります。上がFZR750用、下がノーマル。駒がひょうたん型から楕円になりますが、ピッチは同じです。金色の駒が接続用で入っている駒です。このカムチェン流用はモトメンテ誌からの情報です。モトメンテでは初代CB750に使ってました。