平成25年7月30日
「XO SEALED WITH KISS. MARKED WIHTH DEATH」 Jeffry Deaver ISBN:978-1444716184
「ゾーン」豊洲署刑事 岩倉梓 福田和代 角川春樹事務所 ISBN:978-4-7584-1199-8
「オール・クリア」 コニー・ウイリス 早川書房 ISBN:978-4-15-335009-0 C0297
「コリーニ事件」 フェルデイナント・フォン・シーラッハ 東京創元社 ISBN:978-4-488-01000-3 C0097
「汚れた街のシンデレラ」 ジェフリー・デイーヴァー 早川書房 ISBN:4-15-079551-7 C0197 1994年
「ヒトはなぜ拍手をするのか」動物行動学からみた人間 小林朋道 新潮社 ISBN:978-4-10-603669-9 C0345
「シスターズ・ブラザーズ」 パトリック・デウィット 東京創元社 ISBN:978-4-488-01004-1 C0097
「夜の底は柔らかな幻」上 恩田陸 文芸春秋 ISBN:978-4-16-329270-0 C0093
「夜の底は柔らかな幻」下 恩田陸 文芸春秋 ISBN:978-4-16-329280-9 C0093
「忘れられた花園」上 ケイト・モートン 東京創元社 ISBN:978-4-488-01331-8 C0097
「忘れられた花園」下 ケイト・モートン 東京創元社 ISBN:978-4-488-01332-5 C0097
「白雪姫には死んでもらう」 ネレ・ノイハウス 創元推理文庫 ISBN:978-4-488-27606-5 C0197
「執事とメイドの表裏」イギリス文化における使用人のイメージ 新井潤美 白水社 ISBN:978-4-560-08179-2 C0022
一ヶ月振りのご無沙汰であります。なんぞとうかうかしているうちに読んだ本の内容は忘却の彼方。 ようやくデイーヴァーのXOも読み終え、今度はキングに向かっておりますがなかなか進行しない読書。 とりあえずタイムトラベルでJFKの暗殺をどうすると提案されたばかりのところ。 話はもとにもどしてXOは、キャサリン・ダンサーが活躍する本でありました。ケイリーンと読むのか若いアイドル歌手、 これからメジャーを目指しつつある女の子にストーカーがくっついてあろうことか殺人騒ぎになるというお話。 彼女はシンガーソングライターでヒット曲の歌詞を予告として殺人が、というところにダンサーは休暇中なのに巻き込まれてしまう。 相変わらずのどんでん返しデイーヴァーの十八番であります。題名が洒落ているよね。
「ゾーン」ええと女刑事のはなしでしたっけ。「無駄に美貌」とか、ピンヒール履いたのとか最近女刑事もの出ていますが、 このひとのは堅実でいいです。靴屋さんが実家だというこだわり派ですが。好感もてました。
「オールクリア」
この本が刊行された影響で世論が高まり「法令」まで変わりそうな運動が起きているというのが、すごいです。 傑作ですが、予備知識は余計かもしれない。あくまでできるだけ白紙状態で読んで欲しい。高校生の読書感想文にすると 最適かもとおもいます。勿論大人はいちど読むベキ価値あり。
「汚れた街のシンデレラ」
デイーヴァーの初期、まだ文春からでていない邦訳第一作。なんと古本屋の棚でみっけ。まあ、私も眼を疑ったから珍しいそうで、 普通の古本屋には高値で出ているらしい。初版でした。ライムで一気にブレイクする前のもの。
「ヒトはなぜ拍手をするのか」
小林先生の真面目な(いやいつも真面目だけど)人間の生態にかかわるはなしであります。面白い。
「シスターズ・ブラザーズ」
姓がシスターズなんだそうな。で、そのブラザーズ。コーミック・マッカーシーのブラッド・メリデイアンをコメデイにしたらこうなるのかも。 といいつつ、まあ凄まじい殺し合いだことどっちも。なんだかこちらは明るいんですけど。全然勧善懲悪無視というのが結構楽しかったりして。
「夜の底は柔らかな幻」
恩田陸はとうとう伝奇ものになってきたのだろうか。いいけど。全然問題なし。三崎亜記みたいにならないところがまた楽し。
「忘れられた花園」
えらく評判が良かったので読んでみた。めちゃくちゃ凄いメロドラマふうなんけど病み付きになる気配が。オーストラリアにこんな凄い作家が。 舞台が英国というのがいいです。
「白雪姫には死んでもらう」
独逸風八つ墓村、ってだれかおっしゃってましたが。おどろおどろしい展開であります。 横溝正史は多分全作踏破してはありますが。中学生時代に何度も繰り返して読んでいたという暗い過去がおもいだされ。 展開はダイナミックでいいですよ。
「執事とメイドの表裏」
ジーヴスとか最近縁があったりして読んでみた。いやあ面白い!って著作が日本人っいうところにあとで気が付きまた笑う。
平成25年6月24日
「RDG レッドデータガール 6」星降る夜に願うこと 荻原規子 角川書店 ISBN:978-4-04-110348-7 C0093
「黄昏に眠る秋」
ヨハン・テオリン 早川書房 ISBN:978-4-15-001846-7 C0297 「ローラと呼ばれて」大草原の小さな家主演女優の半生記 メリッサ・ギルバート ワニブックス ISBN:978-4-8470-1997-5 C0098
「玉磨き」 三崎亜記 幻冬舎 ISBN:978-4-344-02339-0 C0093
「冬の灯台が語るとき」 ヨハン・テリオン 早川書房 ISBN:978-4-15-001856-6 C0297
「赤く微笑む春」 ヨハン・テリオン 早川書房 ISBN:978-4-15-001870-2 C0297
「今日もいい天気」 新井素子 廣済堂出版 ISBN:978-4-331-51260-9 C0095
「首斬り人の娘」 オリヴァー・ペチュ 早川書房 ISBN:978-4-15-001864-1 C0297
「サヴァイヴ」 近藤史恵 新潮社 ISBN:978-4-10-305253-1 C0093
「タゴガエル鳴く森に出かけよう」トモミチ先生のフィールドノート 技術評論社 ISBN:978-4-7741-4261-6 C3045
在庫が貯まりすぎて二回に分けて更新であります。市立図書館の借用限度本は10冊だが頑張ってえらんでも6冊くらい選んだところで体力が尽きる。 実際それだけ自宅に運搬することを考えると、うち数冊は早川ポケミスが穏当。普通これにモールでの買い物が加わるので。 みなさんどうしていらっしゃるのかしらん。ま、そこまで必死に借りる人は少ないのかもしれないけれど。 とまあ、新しい本をホクホクしながらお持ち帰りの幸せ感を満喫しながら交通費に頭を悩ます。バス往復約二千円は、痛い。
「RDG6」 実質的にはライトノベルに見えなくもない荻原規子。しかし和製ファンタジーとして侮り難い存在感あり。 このシリーズもはじまって何年か経つのですが、期待に見合うだけの上質な作品を読ませてくれる。今回は待ちに待った完結編。 いやあ、そうくるか、の完結編でした。
「黄昏に眠る秋」「冬の灯台が語るとき」「赤く微笑む春」
スウェーデン発のミステリー。地方色というか背景が重く扱われていて、一部登場人物はかぶるがメインの語り手はそれぞれ別。 謎解きとしての面は余り期待せずに読んだ方がいい。一冊めの「秋」は「え、これで終わり?」と少々拍子抜け。 代わりに風景描写、季節の情景が非常に楽しめます。幽霊や妖精とか少し幻想的な要素もありますがそれほど熟練していない。 キャロル・オコンネルのふっとあらわれる亡霊の一触れみたいなゾッとするよな効果を思い出しありゃ凄いかも、と改めて思い出したりする。
「玉磨き」
おおお、三崎亜記さん着実にかいていらっしゃるのねと嬉しい。短編集ですが、相変わらず怖い。かつ何故か涙が出る。
「今日もいい天気」
新井素子さん、いつになったら新作が出るのと尋ねたいが毎日お忙しいご様子なので言いにくいなあ。 お元気そうでなによりです。
「首斬り人の娘」
ドイツ発。作者の先祖が処刑人ということで、実際に調査した資料をベースにかかれたフィクション。 実質内容は歴史ファンタジーという方があたっている感じ。ミステリーでもあり、すこぶる面白い。 題名でちょっと引いていましたが、マキャリップ好きのかたなら即お勧めの本。嬉しい期待はずれの本だった。
「サヴァイヴ」
うん?まだ「エデン」を読んでいないんじゃないか、といまさら気付く。この本は自転車関係の短編集。 ただいまジャンル模索中とかやどこかで読んだ近藤史恵。自分的には当るときとハズレとあるんですが、今回は自転車もので大当たりなり。
「タゴガエ鳴く森に出かけよう」
相変わらずのトモミチ先生節を楽しむ。これを読んだ後、川沿い山奥の公衆温泉に行ったら鶯のさえずりと、 聞いた事の無い鳥ともつかぬ澄んだ合唱が聞こえてきて。ひょっとしたら「カジカ」か、この「タゴガエル」か。 護岸工事されていない葦の広がる川床が目の前でした。
平成25年6月23日
「百番目の男」 ジャック・カーリイ 文藝春秋 ISBN:4-16-766196-9 C0197
「子規、最後の八年」 関川夏央 講談社 ISBN:978-4-06-216707-9 C0095
「小さいおうち」 中島京子 文藝春秋 ISBN:978-4-16-329230-4 C0093
「フリント船長がまだいい人だった頃」 ニック・ダイベック 早川書房 ISBN:978-4-15-001862-7 C0297
「アイアン・ハウス」 ジョン・ハート 早川書房 ISBN:978-4-15-001855-9 C0297
「午前0時のフーガ」 レジナルド・ヒル 早川書房 ISBN:978-4-15-001843-6 C0297
「コロンボ自伝」刑事コロンボの素顔 ピーター・フォーク 東邦出版 ISBN:978-4-8094-00905-9 C0074
「ペネロピアド」 マーガレット・アトウッド 角川書店 ISBN:4-04-791509-2 C0097
「遥かな町へ」 谷口ジロー 小学館 ISBN:4-09-183715-8 C9979
またまた久し振りの更新。先月から図書館を替えて本漁り。一番つきあいの長いS図書館は比較的近場なので頑張ればお気楽に通える。 やむをえない事情でペーパードライバーを返上して通い始めた県立図書館は旧市街県庁そばにあり、駐車が無料になる週末通い。 今回訪ねている市立図書館はショッピングモールの近くで買い物が一緒に出来る利点はあるが駐車場は週末は混雑。 いろいろ事情はありますが三つの図書館を巡れる環境は感謝しないといけませんね。 更新を怠けすぎて読んだ本の内容が頭からすでに蒸発しかけている。コメントより題名の方が長い、なんてこともあるやもしれませんが完全に忘れちゃった場合の自分のための備忘としてまあ書いておきましょう。 というのも、「ペネロピアド」既読のような気がして。多分以前訪れた時に立ち読みしたのだろうと推測してはいるのですが。
「百番目の男」
ジャック・カーリイの処女作初邦訳の作品。結構前の刊行文庫本なので図書館では探し当てられず気になっていた作品。 どこかの本の解説者に「動機を知って脱力した」と言わしめたというので読んでみたかったのです。 主人公の事情はこの作品のあとで徐々に明かされるのですが、 ともかくシリアルキラーより主人公の兄ちゃんの方が危なくてしかも頭脳明晰魅力的というとっても楽しいシリーズです。 先日亡くなった殊能将之の本を古本屋で探していて見つけたお宝本。 しかし犯罪動機は自分には問題無し。皮を着たいという「レッドドラゴン」と似たようなものかと。 それよりそんな動機を考えつく作家の頭の方が数段驚異的。この作家買い、なり。
「子規、最後の八年」
坂の上の雲と、漱石の時代と、その他明治初期の青春群像を総括したようなそういう一冊。読む価値あり。 子規についての本は自分殆ど読んだ経験が無いと再認識させられた本です。此の頃は「人生50年」の時代だったのだと思い知らされる。
「小さいおうち」
文学賞をとって絶賛されてた作品という認識。気になってはいたのだが、なかなか新しいものに手が出ない。頭が老いた証拠。 結果、たしかに絶賛納得。向田邦子風味から少し棘を抜いて油断させておきながら最後でぐっさりとどめを刺された。 女優さんでいえば吉田日出子さんのイメージ。のほほんとしていそうで、当然震えが来る程恐ろしい。
「フリント船長がまだいい人だった頃」
絶賛、推奨、スタンド・バイ・ミー、などいろいろ言われておりまして。なるほど。しかしあっしには辛すぎます。
「アイアンハウス」
ジョン・ハートはすでにブランドであります。面白い、けど重い。ハード。結末の謎解きは、ええ〜!の連続でした。
「午前0時のフーガ」
ヒルの最後の作品。ペーパーバックで読みかけでしたが最近そっち方面を全然進めていないので邦訳に逃げました。 ダルジールシリーズは謎解きというより物語の迷走というのが主眼で読んでいますので、いまさら感想も何もありませんが。 脳腫瘍で逝去されたレジナルド・ヒルの頭の中の迷走状態が妙にリアルに感じられたりして。こっちは単なる認知症でしょうが。
「コロンボ自伝」
話を聞いていたら一日でも聞いていたい楽しい人物っていますよね。きっとピーター・フォークってそういう人だったんでしょう。 腫瘍で片目摘出して義眼。それをネタに同僚を脅かしてみたり、爆笑ものです。 まずはじめに歯のブリッジを取りはずし、義眼を取り出し、次にズボンをまくりあげた(義肢を取り外すような仕草)をはじめた途端に相手は逃げ出した、とか。 Yutubeの「コロンボが有名なTVショーに招かれた」という設定の動画をみました。例の迷走した喋りも面白く同席のデイーン・マーチンやシナトラが涙流して笑っていました。 紙ナプキンをシナトラに渡してなにを言うかと思えば「サインしてくれ」といってしかもあれこれ注文をつけまくるので、シナトラは別のナプキンに書き直したり。 小咄満載の楽しめる自伝でありました。
「ペネロピアド」
アトウッドとおもって構えすぎてしまう。自分の立ち位置が明確でないとどう読んでいいのか判らなくなってしまい。難しい。 話としては世紀末ロセッテイなどが好んで描いた、パリスだのトロイの木馬の出て来る神話の中にでてくる「貞節の鏡」と言われる?婦人の話を古典劇風に著述したもの。
「遥かな町へ」
谷川ジローは、既読の漱石鴎外ほかを扱った漫画の作者。あれは関川夏央の原作でした。これはオリジナル。 タイムトラベルもので、昭和30年代あたりの鳥取県倉吉市が舞台か。
平成25年5月19日
「容疑者たちの事情」 ジェイニー・ボライソー 創元推理文庫 ISBN:4-488-19804-x C0197
「しっかりものの老女の死」 ジェイニー・ボライソー 創元推理文庫 ISBN:4-488-19805-8 C0197
「待ちに待った個展の日に」 ジェイニー・ボライソー 創元推理文庫 ISBN:978-4-488-19807-7 C0197
「白夜に惑う夏」 アン・クリーヴス 創元推理文庫 ISBN:978-4-488-24506-1 C0197
「野兎を悼む春」 アン・クリーヴス 創元推理文庫 ISBN:978-4-488-24507-8 C0197
「チヨ子」 宮部みゆき 光文社 ISBN:978-4-334-74969-9 C0193
「ベヒモス」クラーケンと潜水艦 スコット・ウエスターフェルド 早川書房 ISBN:978-4-15-335004-5 C0297
「ゴリアテ」ロリスと電磁兵器 スコット・ウエスターフェルド 早川書房 ISBN:978-4-15-335007-6 C0297
コーンウオール・シリーズに挑戦、ジェイニー・ボライソーなる作家さん。これもコージーものということになるのだろうか。 第一冊目は導入部という感じでよかったのだが二冊三冊と進むうちに、ジル・チャーチル以上に男関係が面倒になってきてどうもこれからは第三の男が出て来てぐちゃくちゃになりそうな気配が。刑事を恋人にしたのだからそこですませりゃいいのに。というわけで四冊目はちょっと様子見するかというところ。気になったのは、もうちょっと邦題どうにかならないか。確かに内容には沿っているのだけれど。
アン・クリーヴスは、四部作が今回全部邦訳されたという話だったので。じつは第一作めはかつて借りてはみたものの読み終えられなかったという経歴あり。と、読み終えた途端に内容わすれちゃったけど今回は二冊ちゃんと読めた。なので、今度は第一部に再度挑戦しようかと。そういうくらいだから面白かった筈(なんだけど)。あ、そうか「白夜」は「白夜の季節は頭がおかしくなるよ」という話だったか。で、「兎」は雨の夜に隣に住む甥に射殺されちゃう老婆の事件。ある意味これもコージーというかコテコテのローカル地方の話なのであった。それに適応できなかったから前回は失敗したのだ。 心構えができたので多分次回は大丈夫。
宮部みゆきの今回の本は短編集なり。人前で読み始めてはいけません。号泣しはじめたらまずいでしょ。とっても良い話であった。満足。
スコット・ウエスターフェルドの3部作を続けて借りることができた。すごくたいへん。読み始めたら完徹しかない。一冊読み終えたところでやめときゃよかったのに、中途半端に次を読み出してしまい失敗。こらえ性の無い奴なのである。とうてい最後までそのままゆかないと判っていたので結局最後をつまみ食いしてしまった。んで、中途すっぽかし。それでも面白かったけど、面白さのピークはやはり二冊目だったか。話の最後がそれかよ、とわからなくもないのだが。しかし近来に無い画期的な面白さだったには違いない。加えて特に挿絵が最高。小学生の頃手当り次第に小説を乱読していた頃のワクワク感が突然蘇るという不思議な経験なり。
平成25年5月3日
「私と踊って」 恩田陸 新潮社 ISBN:978-4-10-397111-5 C0093
「高峰秀子との仕事」1 斎藤明美 新潮社 ISBN:978-4-10-322232-3 C0095
「高峰秀子との仕事」2 斎藤明美 新潮社 ISBN:978-4-10-322233-0 C0095
「アウトロー」上 リー・チャイルド 講談社 ISBN:978-4-06-277352-2 C0197
「アウトロー」下 リー・チャイルド 講談社 ISBN:978-4-06-277352-2 C0197
「枯れ騒ぎ」 ジル・チャーチル 創元推理文庫 ISBN:978-4-488-27518-1 C0197
「裕さんの女房」もうひとりの石原裕次郎 村松友視 青志社 ISBN:978-4-905042-46-4 C0095
「ローマで語る」 塩野七生×アントニオ・シモーネ 集英社インターナショナル ISBN:978-4-7976-7196-4 C0095
「ビッグ・ドライバー」 S・キング 講談社 ISBN:978-4-16-781218-8 C0197
「虚像の道化師」ガリレオ7 東野圭吾 文芸春秋 ISBN:978-4-16-381570-1 C0093
更新は1ヶ月に一回のペースになってしまった。最近読書量が減っているということもあるのだが。
待望の恩田陸新作に胸躍らせ。もう一冊か二冊新作が出ている筈なので出会えたら嬉しい。 この本は短編集。色々な風味のものが揃っているのでこれも又楽しかった。
斎藤明美の高峰秀子シリーズ、といっていいのかこの方は高峰秀子に特化しているのでそういう言い方も変。 若い方なのだろうと勝手に思い込んでいたら、50代の独身女性であった。そもそも養女として迎えられたというくらいに 濃密な時間と人生の交わりをされているので高峰秀子夫妻を語ることがすなわちこの方の人生を語ることでもある。 それにしても定年まで契約社員の編集者としてずっと働いていたという、こういう「働き方」が存在するということに驚いた。
リー・チャイルドは初読み。基本的にハードボイルドとかこういうヒーローもの(?)は読まなかったのだが、 読書サイトに「スーパマンみたいに強い主人公というのは本当に冒険物って言えるの?面白いの?」という論議があり その話題の発端となったこの本を読んでみた次第。う〜ん、一冊で充足。 フランシスみたいに、教訓とかスリルとかないもん。たしかにやる事すべて「当る」スーパーヒーロー冒険ものってウルトラマンみたいで 映像ならまだしも活字には向かないような。 まあ、それなりには楽しめました。この作家さん「つかみはオッケー」的に上手いのよ話はこびが。
で、ジル・チャーチルはとりあえず手に入る物は全部完読っと。
石原裕次郎本は、結婚するまで独身の頃の話は読んだのでこれは結婚してからの話ということで読んでみた。 村松さん自身が裕ちゃんファンというかその全盛期時代のヒトなので、もうこれは冷静には語れない。 概要をとりあえず知るにはよいけど、そのくらいの参考本。
塩野七生親子の語る映画関係の本でありました。置いてある棚が違うのではと思っていたら、そういうことかと納得。 あれ、娘さんではと思ったら岸恵子さんのほうと勘違いしていたらしい。息子さんはイタリアと米国の映画関係の仕事をしているらしく。 結構な年なのかこの息子さん、と思ったら塩野七生は庄司薫と同級生なのだから80才は過ぎているかもと考えつき。 そうですね、この息子さんも自分と余り年は変わらないのかも。認識すべきであった。
キングのビッグドライバーなノリノリで読み。楽しいよなあ、キングのエンターテイメントは。いうことなし。
ただいま放映中のガリレオの原作本を見つけ候。結局第1回目しか見てみなかったのだけど。 東野職人の原作はかっきり出来ているのに、なぜテレビになるとわけわからない状態になるのか、と思うがこれも諸事情なのだろう。 いらない刑事も出さないといけないし、制約がありすぎて脚本に書き換えたら有象無象がわりこんでくるのがよくわかる。 原作をテレビドラマに翻案したら、という想定で見たらきっと興味深く見えるんだろうと思う。 いや、そこまでしてわけのわからんギャグを聞かされるのはたまらないので。
春は春、ゴールデンウィークなんぞというはなしもありますが。さて。人ごみの中にでかけるのも憂し。
平成25年4月10日
「アンの想い出の日々」上 L・M・モンゴメリ 新潮文庫 ISBN:978-4-10-211351-6 C0197
「アンの想い出の日々」下 L・M・モンゴメリ 新潮文庫 ISBN:978--4-10-211352-3 C0197
「ブラックアウト」 コニー・ウイリス 早川書房 ISBN:978-4-15-335005-2 C0297
「小鬼の市」 ヘレン・マクロイ 創元推理文庫 ISBN:978-4-488-16808-7 C0197
「父と息子のフィルム・クラブ」 デヴィッド・ギルモア 新潮社 ISBN:978-4-10-506321-4 C0097
「愛は売るもの」 ジル・チャーチル 創元推理文庫 ISBN:978-4-488-27513-6 C0197
「君を想いて」 ジル・チャーチル 創元推理文庫 ISBN:978-4-488-27515-0 C0197
「背後の足音」上 ヘニング・マンケル 創元推理文庫 ISBN:978-4-488-20913-1 C0197
「背後の足音」下 ヘニング・マンケル 創元推理文庫 ISBN:978-4-488-20913-1 C0197
「護りと裏切り」上 アン・ペリー 創元推理文庫 ISBN:978-4-488-29503-5 C0197
「護りと裏切り」下 アン・ペリー 創元推理文庫 ISBN:978-4-488-29504-2 C0197
「遮断地区」 ミネット・ウオルターズ 創元推理文庫
「都市と都市」 チャイナ・ミエヴィル 早川書房
とうとう桜の季節がやってきて去って行くという時期となりまして。まるまる1ヶ月間更新無しの読書メモ。
意欲減退とはいえそれなりの収穫もあり、であります。 といいつつすぐに内容は忘却の彼方へいってしまう此のごろの私ですので、足早に紹介。
モンゴメリの最後に発表した、というか死の翌日に出版社に持ち込まれたという遺作の完全なバージョンの短編集。 それがどうした?みたいな感じで読み始めたのだが、その文章群の構成からして異色の作品であったことを知る。
時代背景からしてやむを得ずと理由をつけたにしても、あまりに作者の意図から外れた形での出版、犯罪に近くはないかなどと思わせる。 公式に彼女の死が自殺であったことが発表されたわけで、この点についてもまあ読者としてはいろいろ考えさせられるものがあった。
コニー・ウイリス、ペーパーバック長編という感じでものすごく分厚いのに読ませる。いつもながらすごい。と同時に、 「読者」という立場にある人間の隙をつく、読んでいて「痛い」作品でもある。タイムトラベルすることで「歴史を体験研究する」という 発想の「上から目線」的な立場の学生達が、リアルな現実に対して逃げ場を失ったときの怖さがテーマなのだよな、多分。
「読む」ことで追体験している読者、すなわち「よまなけりゃそれでも済む」という逃げ場を持つ者にとっては刃をつきつけられているようなというのは深読みしすぎ
この続編「オールクリア」は上下册で刊行されるそうです。読み出したら止まらないコニー・ウイリスなりき。
「小鬼の市」
ヘレン・マクロイ自由自在。くそっ!やられたと思った幕切れ。先入観無しでよむがよろし。
「父と息子のフィルムクラブ」
親子関係になやむ親御さんの、指針にはならないがなぐさめには確実になる本。それと映画ファンには必読。やっぱ、ジェームズ・デイーンは見ておくべきか。
ジル・チャーチルはとばします。これで刊行すみ全部読了?否まだ一冊残っている「カオスの商人」
ヘニング・マンケルもとばし。か。とりあえず邦訳分全部読了か。
「護りと裏切り」
どうやったらこんな時代劇もので推理小説できるわけ?というみごとな手腕に度肝を抜かれた。まったくもって。 邦訳作品数少ないかも。とは思うけど粒よりなり。
「遮断地区」
ぞわぞわとミネット・ウオルターズにはありえないような加速度で状況が悪化して行くジェットコースターに載せられた気分。
おみごと!と快哉を叫ぶと同時に、最近「陰惨」「陰湿」「救いようの無い」ミステリーものばかり読んでいるせいかこの結末の希望が嬉しい。 といいつつ、カメレオンの影とかではもとに戻ってないか?
「都市と都市」
三崎亜記が警察小説かいたらこんなになる?と思わせる、不条理世界のなかで展開される物語。ありうるかも、と言う感じがおそろしい
というわけで駆け足に。最近集中力足りません。年かも。