ほんの累積平成23年10月-11月
平成23年11月30 日
「RDG レッドデータガール4」世界遺産の少女 荻原規子 ISBN:978-4-04-874204-7 C0093
「祝もものき事務所2」 茅田砂胡 中央公論新社 ISBN:978-4-12-501176-9 C0293
「敵は海賊・正義の眼」 神林長平 早川書房 ISBN:978-4-15-030893-3 C0193
「しゃばけ」 畠中恵 新潮社 ISBN:4-10-450701-6 C0093
「マヤ・アステカ 遺跡へぴり紀行」メキシコ・グアマテラ・ホンジュラス・ベリーズの旅 芝崎みゆき ISBN:978-4-7942-1763-9 C0095
成り行きが皆目わからなかったこの物語も、ようやく謎が解け始めたようである。主人公である少女は相変わらず自覚出来ない様子ではあるが男の子の方は徐々に真実に近づきつつあるらしい、というところで今回は終わり。
さて「学園祭」で何が起きるのか、と期待を持たせて次巻の5へ。うむむ、次巻で一気にケリがつくのかもしれない。
それにしても仄めかされた姫神さんが誰であるかという話、こんな展開とはついぞ考えず。さすが荻原規子と感服。
もものき事務所2
今回はどろどろしすぎてイマイチ俗世に染まりすぎた感あり。次回に期待する。次作は天使たちの課外活動シリーズだそうな。
正義の眼
神林長平の別シリーズの7作めらしい。表紙にえらく可愛いクロネコどんが書いてあるのでファンタジア系かとおもいきや、 思い切り凶暴な黒猫型異星物らしい。<
海賊というのは、主人公が海賊を捕まえる海賊課に所属すると言う意味らしい。にしてもこんなコメデイも書けるのねこの人は。
読みたい!と思いつつあちこちから探して調達せねばならないようである。おいおい探して行くことにしよう。
「しゃばけ」
この作家、どんどん本棚に並ぶ数が増えてずううっと気になっていた。ファンタジー大賞も獲っているし。
今回思い切って(そこまで勢いが必要か?)手に取ってみた。
がはは、京極夏彦の世界を宮部みゆきが書いたような不思議な感触。どっぷりはまる。すごい。
というわけでありったけを網羅する予定。
「マヤ・アステカ」
涙が出てくる程「マヤ神聖文字」が全編全ページ手書きで書き尽くされる感動の旅行案内。
あああ、四半世紀前扮装地帯だから入国困難不可能の世界だったかの地を、
今や一般人の夫婦で踏破できる世の中になったのだなあと感無量。
この文明の都市の繁栄期間が他の古代文明と同じく数百年のスパンであることをここまで実感させてくれる本はなかった。
無茶苦茶すごいやん、と思ったら巻末の書誌資料の数に驚く。日本語でこれだけ資料が読めるのか。
これをしらみつぶしに読んでいったら楽しいかもと考えつつ、しかし余程でかい図書館でないと揃っていないだろう。
凄く面白い旅行記でもありますので、お勧めです。絵を見ているだけで楽しい。(のは自分だけ?)
平成23年11月22日
「ミレニアム2」上 火と戯れる女 ステーグ・ランソン ISBN:978-4-15-209019-5 C0097
「ミレニアム2」下 火と戯れる女 ステーグ・ランソン ISBN:978-4-15-209020-1 C0097
「ミレニアム3」上 眠れる女と狂卓の騎士 ステーグ・ランソン ISBN:978-4-15-209048-5 C0097
「ミレニアム3」下 眠れる女と狂卓の騎士 ステーグ・ランソン ISBN:978-4-15-209049-2 C0097
「私の渡世日記」上 高峰秀子 文春文庫 ISBN:978-4-16-758702-4 C0195
「私の渡世日記」下 高峰秀子 文春文庫 ISBN:978-4-16-758702-4 C0195
「チョッキー」 ジョン・ウインダム あすなろ書房 ISBN:978-4-7515-2218-9 C0097
「007 白紙委任状」 ジェフリー・デイーヴァー 文藝春秋 ISBN:978-4-16-380940-3 C0097
「グッドラック 戦闘妖精・雪風」 神林長平 ハヤカワ文庫 ISBN:978-4-15-030683-0 C0193
大して食指が動きそうな本が無かったので、以前第一部を読んで放って置いたミレニアムを読む。
第一部で相当えぐい描写があったもので少々警戒をしていたがそれほどでもなく。
しかしなんとまあ「テンコ盛り」のシリーズであったことかと思う。著者が亡くなったせいでこうかいされていない第四部はどういう展開になる予定だったのかとは、これを読んだ人の全てが考えるであろうなあ。
たしかに第一部よりは第二部が面白かった。で、第三部はというと、これはどうなのだろう。
この副題の付け方に「たしかに舶来ものだわ」という感慨を覚えたりして。いやはや、ここまで傍若無人なミステリーを書いたあとはいったい次作は どうなっていたかと言う方に興味があったりして。一発屋で終わるか?想像がつかない。
ハリーポッターを思い起こさせるミステリーであった、って意味不明ではあるが。
「渡世日記」
高峰秀子のこの本を読んだことがあるのか無いのか、自分でもわからず。今まで読んだ本がほとんどこの本からの引用なもので それで読んだ本であるような気分になるのだと思われる。
で、結論。原典が結局最高である。当たり前のことなんですけどね。ぜひ高峰秀子を知りたい方はこの著作から入門を。
「チョッキー」
かのおそろしき「トリフィッド時代」の作家の最後の著作。ジュナイブルかと思うような語り口でじわじわと怖い。
久々にトリフィッドの世界を訪問してみたくなった。
「007」
イアン・フレミング時代の本は本棚にあったのだけど。いまや図書館の本棚には別の作家の名前が並ぶ。
今回はデイーヴァー。007は食わず嫌いの気味だったけど、始めから読んでみると発見があるかもと言う気に。
勿論デイーヴァーなら文句なし、の出来。作家自身が無茶苦茶楽しみながら書いているのがよおくわかる。
「グッドラック」
たまらず買ってしまった。とても大切に読み進める。まあ、よく噛んで服用しないとわからなくなるような哲学的な感じの話でもあり。いやはや、とてつもなくすごい世界だった。今年読んだなかの5指にヒットしそうな作家。
平成23年10月30日
「隅の風景」 恩田陸 新潮社 ISBN:978-4-18-397110-8 C0095
「東日本大震災の流言デマ」 荻上チキ 光文社新書518 ISBN:9784-334-03621-8 C0236
「戦闘妖精・雪風」 神林長平 早川文庫 ISBN:4-15-030183-2 C0193
「アンブロークン アロー」戦闘妖精・雪風 神林長平 早川書房 ISBN:978-4-15-209051-5 C0093
「木星(ジュピター)の骨」上 フェイ・ケラーマン 創元推理文庫 ISBN:978--488-28218-9 C0197
「木星(ジュピター)の骨」下 フェイ・ケラーマン 創元推理文庫 ISBN:978--488-28217-2 C0197
「フェイスブック 若き天才の野望」5億人をつなぐソーシャルネットワークはこうして生まれた デビット・カークパトリック 日経BP社 ISBN:978-4-8222-4837-6 C0098
「EDGE」 Jeffry Deaver ISBN:978-14-4470-4471
「どんだけビールが好きなんですか!」とつっこみを受けても仕方の無い恩田陸。
多分主題は「旅の風景」なのでしょうけど旅行嫌いだった作家を誘い出す編集者の手段は「美味しいビールと馬刺」
そのためには飛行機恐怖症も克服しチェコへ飛ぶ。たしかに美味しそうな描写が目白押しにて、大してビールに執心でもない自分でも涎が垂れてくるような心持ちがする。困ったものである。これでは九州まで「馬づくし料理」など食べに行きたくなるではないか。馬好き(食べる方の)にはこたえられないような本でありました。
基本は「旅の風景」なのでそれだけではございませんが、とても楽しい旅の本。
今回の東日本大震災については、いろんな情報が飛び交い本当に「情報を見分ける」ことの大切さを思い知らされました。 ということで、「流言デマ」に関する考察のとっかかりのひとつとしてこの本を読んでみた。よくよく心すべし。
戦闘妖精・雪風の三部作の1と3。2の「グッドラック」がないのは図書館になかったので。
1は改訂版が現在でていますが、図書館の書庫にあったものでこれは刊行当時の版。神林長平の作品は初。名前は知ってはいたがこんなすごいSFを書いていたとは知らず驚き。ハヤカワ文庫で出ていますが、これは3部作一緒に手に入れて3回くらいは読み返すのがよいかと思う。きっとハマる。
「木星の骨」
なんだかだいいながらリナとデッカーシリーズを読み続け。今回はアタリでした。最近の作はいまいちハマりきれなかったのですが、これはいい。といいつつ最近ジョナサン・ケラーマンの邦訳でていないけどどうなっているのか。ペーパーバックでちょくちょく見かけているので多分邦訳されていないだけのことだとは思う。
「Facebook」
副題がちょっと刺激的なので二の足をふみかけたが、内容はベストに近い。アップル創始者とかマイクロソフト関係の本は創始期のパーソナルコンピュータの進化の歴史を語ることでありますが、Facebookを語ることはそれから先の世界を語ることになる。 ソーシャルネットワークという映画では多少のフィクションやら、見方によってはいろいろあるみたいですがこの本の中ではザッカーバーグの目的の向かって突き進む姿がよく判ります。
動機は女の子に振られた腹いせに「女比べ」のソフトを書いた、というのは「おい!」という突っ込みもしたくなるが。よくよく考えるとこの子「18才」なんだよね。で、20才前半にして会社の重役と考えると、「目的に向かって邁進して行く強靭な意思」の方があり得ないくらいのことなのだと今更ながら考える。
ソーシャルネットワークばかりでなく、インターネットがどのように世界を導き変革して行くのかと考察するに大変面白い提示をしている良書なり。最近appleが発表したiCloudもこの流れかと。さて、あなたはこれに「乗る」か「乗らない」かその判断はこの本を読んでみてからでも遅くはない。
「edge」
あちらこちら浮気しながら読んでいたので長引きましたが、やはりこれもジェットコースター。犯罪組織に狙われている人を家族関係者まるごと保護してセーフハウスに匿い安全を確保する組織の一員である主人公。物語は終盤に入った筈なのに全然終息する気配なし。うそ!とかいいながら結夜中に読み終えほっとひととき。まったく最後の一ページまで気が抜けないデイーヴァーはここでも健在。朦朧としていたのでほとんど判らずにおわっちゃった部分もありますが、ほどなく邦訳が出るでしょうからそのときまでのお楽しみにいたします。二度美味しい原書読み。
つぎは「Under the doom」だッ!って、どうするか。邦訳読んだら絶対原書読まないよなあ。
マーテインの氷と炎シリーズとオコンネルの新作ペーパーバック待ちながら読む?
平成23年10月8日
「おまえさん」上 宮部みゆき 講談社 ISBN:978-4-06-277072-9
「おまえさん」下 宮部みゆき 講談社 ISBN:978-4-06-217252-3
「こんなツレでゴメンナサイ」 望月昭 文藝春秋 ISBN:978-4-16-370150-9 C0095
「WILL」 本多孝好 集英社 ISBN:978-4-08-771322-0 C0093
「ひとりの午後に」 上野千鶴子 日本放送出版協会 ISBN:978-4-14-081419-2 C0095
ぼんくらシリーズの最新刊。ありがたや。
ここのところ宮部みゆきの時代小説に餓えていたので、本当にありがたかった。こういうときは上下巻揃えてから読むべきなのですが、ケチって上巻だけ手に入れたあと下巻を探したら近所の本屋に無い!はしごしてようやく見つけました最後の一冊。 人間賢くならんと酷い目に遭うという見本。
久し振りに読んで、こういう話の進み方だったっけと思いつつ、このあと「ぼんくら」を改めて読み返したらもともとこういう構成ですすむシリーズだったのねと納得。
内容の方は敢て語らず。じっくりまったりと宮部みゆきの世界を味わえばよろし。
何時の時代もきっと似たようなおもいをしながら人間は生きているのかもしれない、としみじみ思える本でした。
「こんなツレでごめんなさい」
ベストセラーになった?という本書は読んだ事なし。イグアナというのも知らず。なのに手に取ってみるきになったのは映画になったからなのですが、さてこれみるかどうかも不明。
この本は「ツレ」のお書きになったエッセイ。ううむ、ひょっとして自分若い頃まっとうな?「鬱病」だったのではないかと、身に覚えがありすぎる。
で、どうやって復活したのか(本当に復活したかも不明だが)よくわからんが、おかげさまで打たれ強くなりました。(と思っている)皆さん「鬱病」にはきをつけませう。
「WILL」
妙に男言葉がしっくりくる女主人公。キャラも面白いひと大勢。辻村深月の「ツナグ」といい、最近こういうの流行っているのか知らんとおもったら、オカルトではありませんでした。
ストーリーセラーのなかの作家さんだが、この人見つけただけでも元とれたかもとほくほく。たま〜に読んでほこほこしたい作家の一人となりましてござる。
「ひとりの午後に」
NHK出版の「おしゃれ工房」に連載されていたエッセイをまとめた本。やっぱり文章上手いよなあ上野サン、当たり前だろうけど。文章表現のプロだもの。
ジョブス氏が亡くなった。
テレビに五木寛之が出ていた。なんだかじい様になったなあと感慨。知り合いが瀬戸内寂聴の話を聞きに行ったと。
90才になる御身ながら、1時間半しっかりしゃべっておられたと。すごい。 すでに健忘症のでてきてる我が身を省みかなし。