第40回 (2014/11/25)
「第40回樋井川流域市民会議」議事録
日時:2014年11月25日(水)18:45~
場所:福岡大学 文系センター15階
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議題
1. 床上浸水対策特別緊急事業の実施状況
2. 100mm/h安心プラン
3. 100mm/h安心プランアンケート調査結果
4. スマートスクール
5.その他
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1. 床上浸水対策特別緊急事業の実地状況
発表者:福岡県土整備事務所 永井さん
・工事実地スケジュール(仲良し橋~)
期間;平成26年9月~平成27年6月(予定)
河川内の工事は5月まで
・城西橋から上流の陸上施工の考え方
川の流れ方を変えないように掘り下げる。→スライドダウン
・台風19号 被災状況とその後の状況
五反田橋付近の護岸崩壊等12月中に復旧予定
・工事の状況
隈橋下流仮設準備 真ん中に矢板を置き、水の浸入を防ぐ。
長尾橋下流遊歩道・根継ぎ設置 遊歩道の下のブロックを抜くことで1mほど高さを下げた。腰かけ部分も1mほど下げた。
戸井橋上流根継ぎ設置 仮設管の上から重石を乗せ動かないように固定
駄々原川合流点根継ぎ設置 右岸側を床掘りしてブロックを入れている状況
Q. 護岸崩壊の原因は?
A. 工事作業のために入れた仮設道路で水の流れが少し変わってしまったのが影響しているのではないかと考えている。また、左岸側の五反田橋の上下流で平成21年、22年に壊れている。前の状況もあまり芳しくなかったのではないかと考える。五反田橋の断面は広いが前後が狭くなっているので流れとして複雑になってしまったのではないかと考える。交通量は少ないが車両が通れる道なので、すぐに全面通行止めをかけ、即座に対応した。
Q. 調査を行ったとき、問題点を把握されたのか?されていないのか?
A. 調査を行った際、根入れの状態などを確認していたが、対策が手薄になっていたと思います。想定していなかったことが起こったという状態。
Q. 友泉亭橋の方に泥水が結構出てきている。泥水はどこからきているのか?また、いつまで続くのか?
A. ドライの状態にしても、掘ればまた水が出てきて、それをくみ上げて出さないといけないので、その水が下流に影響を出している。仮設道路を入れている期間は起こってしまうことだと考えている。
Q. 駄々原川の合流地点はどう処理をするのか?
A. 落差処理はある程度ゆるい勾配でする。合流点よりも少し上流側まで保護はする。
2. 100mm/h安心プラン
発表者:福岡県土整備部河川課 脇田さん
福岡市役所那珂川樋井川床上浸水対策推進室
・100mm/h安心プラン
河川の改修計画、下水道の整備計画について、一定の雨量を想定している。想定雨量を超える雨が降ったときに浸水被害を及ぼすと考えられるので、その被害をいかに軽減できるか、取り組んでいく。被害がまったくなくなるというのは難しいので被害軽減を目指す。計画よりも大きな雨、わかりやすい表現=“100mm/h”を使用していると理解している。“100mm”には対応していない。
・樋井川流域治水市民会議と行政の位置づけ
樋井川流域治水市民会議と行政が協働して流域の安心安全の向上を目指している。行政側で樋井川流域総合治水対策関係行政連絡会議を設け、流域の治水の安全を上げていこうとしている。国土交通省もアドバイザーとして関わっている。協働の例として100mm/h安心プランというものがあるのではないかと考えている。
・登録制度
①計画降雨を超える局地的大雨を対象とする
②行政機関が役割分担をして住民や民間企業等の参画のもと、浸水被害を軽減する取り組み
③浸水被害軽減のための集中的な対応等に重点を置く
・降雨
河川整備(計画1/40(72.0mm/h)) 下水道(1/10(59.1mm/h))
・内容
○治水対策
河川事業・下水道事業により、各々の計画に基づいた対策を実地する。
○流出抑制対策
関連施策と連携しながら、ため池の活用及び公共施設、住宅からの雨水流出抑制など、流域全体での対策を推進する。
○減災対策
想定を超える降雨に対し、河川防災情報の提供や地区別防災マップの作成などのソフト施策による被害軽減を図る。
○進捗管理
関係機関、地方団体等で進捗管理を行う。
Q. この計画は市の取り組みは何をするのか?
A. 流出抑制対策、治水対策。できるところから行っていく。
Q. 100mm/h安心プランといいながら80mm/hしかやらないのか?
A. 必ずしも100mm/hにしないといけないわけではない。想定雨量よりも多ければよい。
Q. 城南区の地域整備だけだが、他の部署はどうなのか?
A. 樋井川流域総合治水対策関係行政連絡会議があるので、いろいろな所が協力しながらしている。
Q. 地域住民を今後は計画段階から参画できないのか?
A 市民会議の方々と調整できたらと考えている。
Q. 県は100mm/h、市は80mm/h。なぜ一緒にできないのか?
A. “100mm/h安心プラン”とは制度の名前であって、必ず100mm/hではない。超過洪水にいかに対応するか、つくりましょう、という理念を整備計画に盛り込んだ。樋井川に関しては、行政側の取り組みと同じベクトルを向いている市民会議のみなさんと協力して取り組んでいく。
Q. いったん申請してしまったら、変更は出来ないのか?
A. 途中で変更は可能。変更の際には申請と同じ手続きのようなことを行うことになる。策定の時期は、次年度以降。
Q. 推進プランというのは、議会等で審議されたりするのか?
A. 特にありません。案を示して、みなさんから意見を聞きたい。
Q. 進捗管理とあるが、目標変更みたいなこともあるのか?それとも目標の実施の進歩状況までの管理までなのか?
A. 達成度をチェックする一部。
●道路等をグリーンインフラに変えていけたら、かなりの効果が期待できるのではないかと考えているので、それを緑の回廊に結び付けていけたらと思います。
●この取り組みについて、非常に注目されているので、福岡県、福岡市、市民会議が協働して完成に近づいていければと思う。2箇所の保育園で流出抑制ができる設備を設置。かなりの抑制が見込めるので、流域内にある、後19箇所の保育園でも行えたらいいとか思う。それと上流側を緑にすることで保水力がさらに良くなると思う。現在緑の回廊といった取り組みもあるので、市民運動として、緑の供給活動ができるのではないかと考えている。
●雨の降る流れによって、流出抑制策を考えてほしい。鳥飼地区は、下流の方になるので、これから下に流すことがあまりない。上から降ってきたものに対して、どうにもならないものに関しては、貯めるしかないので、貯める場所を作る計画内に入れていってほしい。という意見が地区で出ている。
3. 100mm//h安心プランアンケート調査結果
発表者:九州産業大学 松田さん、徳田さん
アンケート対象は11件。内10件の回答を得た。
(静岡4件、愛知2件、石川、岐阜、栃木、福島)
計画目標→5~10年
助成金あり(石川2つ、岐阜、栃木、静岡)
雨水浸透桝設置(石川15基、愛知 約8,100箇所(市施設等) 約4,000箇所(名古屋市全体)、静岡650基)
雨水タンク設置(石川231基、岐阜281基、栃木1基、静岡240基、福島1,721基)
総容量(石川52㎥、岐阜約50㎥、静岡48㎥、福島3,400㎥)
各戸貯留の促し方として啓発活動が多かった。
自助を促進する方法(洪水ハザードマップが主)
共助を促進する方法(防災訓練が主)
公助を強化する方法(ハザードマップの作成、過去の罹災情報提供が主)
気づき
・地元住民への説明が難しい
・下水に対してメリットがない(下水の普及率100%で雨水幹線の改修計画がある市町村にはメリットがある。)
・主体の事務局のリーダーシップや地域住民との連携が重要
・国からの予算配分が確保されることが大切
・新たに補助メニューを確保し各事業進めなければならないため、流域の一体整備進捗に難がある。
・ハード整備の計画については、河川事業と下水道事業が連携して、具体性を表すことが必要である。
Q. “下水に対してメリットがない”の意味とは?
A. 下水普及率100%とは、もう整備するものがない。整備の終わっていない市町村にはメリットがあるという考え方であると思う。
Q. 設置状況の数は目標なのか?
A. すでに設置済みの数。
4. スマートスクール
発表者:九州産業大学 山下先生
池があった所に小学校を建てようとしている。
水はけが悪く、周りに家がある。浸水対策を含めながら建設する。
雨水管から溢れたもの、直接降ったもの→グラウンド2,400㎥
近くの住宅から流れてきたもの→地下タンク1,000㎥
グラウンドに降り浸透後→地下タンク(体育館の下)200㎥
外部の影響を賢くかわす→“スマートスクール”
◎樋井川フォーラム◎
201/12/13(土)
~次回~
第41回樋井川流域治水市民会議
2015/1/13(火) 時間…18:45~
会場…福岡大学文系センター棟15階 第5会議室