第17回(2011/03/16)

1. 模型を用いての雨水ハウスの説明

発表者:建築士会 上田さん

l 新築される福岡大学渡辺先生のお宅を雨水ハウスに。

l 雨のピタゴラスイッチ、一戸で30㎥貯めるのが目標

l これがスタート地点、思いの丈を詰め込んだ。

l 駐車場を大きな浸透ますに、容量8㎥、流れ込んだ水がじわじわと浸透していく構造

l メンテナンスも考慮した構造にしている。

l 敷地内の大木⇒シンボルツリー、周囲を緑化エリアに。

l スイッチによる雨水利用ON,OFFの切り替えを実現したい。

l 雨水が流れることにより遊びの場を創出⇒道行く人が見て楽しめる、興味を持つ

l 屋上緑化採用の際は、エリザベスで貯めた水を水やりに使いたい。

l 水質面より、ゼオライトを通過させてから雨水タンク内に貯めたい。

l 東日本大震災をうけ、災害時にも雨水が利用できれば多くの家庭で採用してもらえるのではないかと考えた。

l もし目標30㎥が達成できれば、個人住宅の面積あたり抑制量でギネスにも載る?

l 理想と現実のすり合わせ、細部はこれからどんどん詰めていく。

2. 模型と浸水(田島地区)

発表者:九産大 山下先生

l 田島地区の1000分の1の模型が完成した。平成21年7月豪雨の際の浸水状況もわかるようにした。作成者は九産大4年生、石橋さんである。

l 模型から地形や居住形態、浸水状況もわかる。

l 建物の高さはGoogleEarthを用いて、目視により設定

l 浸水区域においては建物まで青色に⇒浸水状況の可視化

l 浸水深さを入れるところまではできなかったが、模型を製作することによって3次元的に俯瞰できる、リアリティーがある。

l 流域全てを作るとすごい大きさになるが、今後も部分部分から作っていきたい。

【意見】模型によってこの辺は川の影響をうけてないことがわかる。

【意見】模型を前にするととても盛り上がる。

3. 台北国際フォーラム等の報告

発表者:南畑ダム貯水する会 角銅さん、九州大学 島谷先生

l 先日台湾では雨水を上手く利用した日本の庭を展示させていただいた。

l その発表会において、清らかできれいな水が流れていた庭は、日本だけであったのではないか。

l その後2月11日に、韓国・台湾・日本の三カ国で台北国際フォーラムを開催

l フォーラムの中では様々な話題、市民会議に関しても島谷先生が紹介してくれた。

l 東アジア市民ネットワークの話も出た。

l 韓国のキム先生⇒野鳥の飛来地を工業化から守るために100万坪公園計画

l 国からも協力を得るために100万人の署名を集めているので、賛同できる方は署名を。

l 日本の家屋⇒一戸当たり6㎥が目標(建築士会)、現在の手法では高すぎる⇒ウッドデッキ下に貯留すれば1㎥あたり1万円で貯水可能⇒福岡の標準的手法に

l 韓国の方にも賛同していただいた、水と緑を一緒にという考えは国が違っても共通

l 署名活動に賛同していただける方は協力をお願いする。

4. 山誉めグループの活動報告

発表者:南畑ダム貯水する会 池田さん

l 名前の由来は志賀海神社⇒海の民が山をたたえる山誉め祭り

l 雨水循環の思想に基づいている。

l 山をはじめとするところで水を貯め、山から海への線を描きたい。

l 2月27日チャレンジウォーク⇒舞鶴公園から志賀島まで25キロ、4時間半かけて踏破

l 土壌調査⇒九大農学部の先生と協力、諫早湾などで

l 森を育てる会(森会)⇒木の間伐、土留めの作成などによりいい森を作る、油山

l 山誉め活動⇒糸島の可也山、みんなでお金を出し合って自らの手で整備、テレビの取材にもきていただいた

l ビオトープ作り⇒博多の森近くでビオトープ作り、ワークショップも開催

l もやい(顔の見える金融)⇒お金の地産地消、地域でお金を回していこう、7月9日、10日にNPOバンクフォーラムが九大大橋キャンパスで開催

l 市内の高森さんの森⇒寄贈していただける、自分たちでお金を出し合って整備する予定、周囲は住宅地であるが保全していこう

5. 別府地区ハザードマップ作り

発表者:福岡大学 野田さん

l 現在のハザードマップ⇒詳細情報の読み取りが困難・外水のみ考慮、内水も考慮に入れる必要性がある⇒別府校区においてワークショップ形式でハザードマップ作り、浸水実績図・住民からの情報を基に作成⇒3月中に全世帯に配布予定

l 第一回ワークショップ:浸水実績の図化・危険個所の抽出⇒実績図と比較

城西団地内の浸水箇所が新たに判明、ハザードマップに道路冠水カテゴリを追加

l 第二回ワークショップ:浸水実績の図化・危険個所の抽出・避難場所の選定

城西団地内の道路においても浸水していたことが判明、学園通りの浸水は確認できず

l 水深と避難行動の関連性

水深が膝下程度⇒歩行可能

水深が股下程度⇒歩きづらい

水深1m(平成21年7月豪雨時の別府地区の一部)⇒歩行不可能、不安感を覚える、遠くまで避難するのはかえって危険⇒別府団地内UR住宅群を避難場所に選定

【質問】今後は?

【回答】今年度は別府校区・長尾校区で行った。続いて他地区でも実践する予定。

さらに子供にもハザードマップ作りに参加を呼び掛け⇒教育的効果も期待できる

【質問】とてもいいことであると感じる。しかし行政もハザードマップを作成している。

行政との連携やタイアップに関してはどう考えているのか?

【回答】福岡市とはすでに連携している。来年度市のハザードマップは改訂されるが、

それには今回のワークショップで明らかになった点が反映されることになっている。

【意見】みんなで激励しあって高めあっていければいい。

6. 城西中第二グラウンド(当仁中跡地)における流出抑制

発表者:九州大学 横内

l 以前もお話させて頂いた通り、盛土堤による貯留策と、既存壁と排水溝を用いた貯留策とを提案する。

l 両貯留策により、合計1289㎥の貯留機能が見込める。

l 排水設備を工夫することにより、ピーク流量の減少と、ピーク時間を遅らせる効果が見込める。

l 従来のコンクリート製擁壁を用いた流出抑制では、1㎥貯留するのに30000円程度のコストが必要であったが、本策では1㎥の貯留に295円+人件費しかかからない。

l 他施設においても適用可能であると考えられるが、土地管理者や関係住民の方との話し合いをどんどん進めていく必要がある。

【質問】降った雨を貯留することにより学校からの流出は抑えられるが、いつも溢れて

困っているのは学校の近くの道路の方である。そちらの方から先に対策を講ずるべきではないか。

【回答】学校からの流出を抑制することによって、下水道の負担が減り、学校以外の周囲

に降った雨もスムーズに流せると考えている。一方で、道路においても何らかの対策を行う必要があると考えている。

【回答】今回シンプルな方法で、安く流出抑制ができることがわかった。実際に城西中で

行うことは難しいかもしれないが、その他の場所において似たような対策を行っていけば、確実に流域の流出抑制効果は向上する。

7. 防災どんたくの報告

発表者:福岡大学 高木さん

l 3月15日に大丸パサージュ広場において、防災どんたくが開催された。

l 防災どんたくは福岡県西方沖地震を契機に開催されるようになった⇒今回で3回目、防災意識の向上をテーマに、楽しみながら防災を身につけることをコンセプトとして実施。

l樋井川流域治水市民会議世話人会も実行委員として参加。

l当日は、建築物の耐震化モデルの展示や、防災グッズの紹介、防災かみしばい、そして東日本大震災の義援金箱も設置された。

l樋井川流域治水市民会議のコーナーには、パネル展示や雨水タンク、雨葉、樋井川模型(九州産業大学作成)、雨水ハウス(渡辺先生宅、福岡県建築士会)を展示した。

l福岡市長のあいさつもあり、樋井川流域治水市民会議のことも広報できた。

l市民の防災意識の高まりを感じた。

2011年3月29日

「第17回樋井川流域治水市民会議」議事録

日 時 : 2011年3月16日(火)18:30~

場 所 : 福岡大学 文系センター棟15階第5会議室

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はじめに

世話人会 島谷先生

l 東日本大震災が発生し、日本が大変なことになっている。そんな中会議に足を運んで下さり、感謝している。

l 日本全てが沈んではいけない、こういう時こそ福岡からさらに元気を発信していく。

l 改めて命をつなぐ水の重要性を認識した。

l この災害を乗り切って、私たちが新しい流れをつくっていく。

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議題

1. 模型を用いての雨水ハウスの説明

2. 模型と浸水(田島地区)

3. 台北国際フォーラム等の報告

4. 山誉めグループの活動報告

5. 別府地区ハザードマップ作り

6. 城西中第二グラウンド(当仁中跡地)における流出抑制

7. 防災どんたくの報告

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