2010年10月5日
「第13回樋井川流域治水市民会議」議事録
日 時 : 2010年9月29日(水)18:30~
場 所 : 福岡大学 文系センター棟15階第6会議室
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議題
1. 福岡県から床対の報告
2. 「樋井川流域治水市民会議ニュース」の発行について
3. 水位計、雨量計の設置
4. 雨水タンクモニタリング
5. 安全安心マップ
6. 防災情報
7. すみだ環境ふれあい館・雨水資料館
8. 旧当仁中学校跡地における流出抑制
9. 世話人会発足について
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1. 福岡県から床対の報告
発表者: 福岡県県土整備事務所織田さん
○ 河道計画の立案
l 測量調査 5月~6月
l 現地調査 7月
l 地質調査 5月~8月
l 川の中の石の分布調査 8月
l 河川利用実態調査 8月、10月
【質問】河道計画の説明は市民会議だけで行うのか。
【回答:福岡県】市民会議でも地元でも、順次説明会を行う。
【意見】樋井川と七隈川合流部において、樋井川(本川)で土砂が堆積し、
七隈川(支川)の水位が上昇している。そこで、浚渫の必要がある。
しかし、全体を掘るのではなく七隈川の水路を確保する部分のみ浚渫する方法で対処してはどうか。
この案は以前、県の人が話していた案。
2. 「樋井川流域治水市民会議ニュース」の発行について
発表者: 福岡大学高木さん
○ 樋井川市民会議の情報発信を目的とし、新聞を発行した。
○ 内容
l 市民会議の要約
l 市民会議以外の活動
l 豆知識 など
○ こんなことを載せて欲しいなど、要望・質問など皆さんの意見を取り入れたい。
3. 水位計、雨量計の設置
発表者: 福岡大学渡辺先生
○ 雨量計の設置個所
l 現在:福大、桧原運動公園
l 新設:堤小学校、田島小学校、旧当仁中跡地
○ 2010年9月23日降雨における雨量を比較すると、
福大と堤小で雨量に大きな違いが見られた。
○ 桜橋(堤小近隣)での水位は堤小で観測した雨に対応して水位が上がっていた。
○ ため池でも観測を行い、貯留効果をみたい。
4. 雨水タンクモニタリング
発表者:福岡大学岩田さん
○ 現在、雨水タンク104基設置。
○ 4軒で雨水タンク内の水位を測定。
l 雨水利用量が少ない。降雨時の貯留量が少ない。
l 雨水利用量が多い。降雨時の貯留量が多い。
l 雨の前に水を抜いている。降雨時の貯留量が多い。
○ タンクの水を使い切っていない事例が多いので、
新たな使い道を提案することで流出抑制につながると考えている。
○ つまり、雨水を使うことが流出抑制となる。
【質問】なぜ、4軒しかモニタリングできていないのか。
【回答:福大】水位計が4つしかない。アンケートは全軒に行っている。
【質問】大雨が降る前に水を空にしないと流出抑制にならないのではないか。
【回答:福大】警報発令後、タンクを空にするように伝えている。
【意見:九大島谷】雨水のうち、貯まった量とあふれた量の両方の計測を行った方がよい。
【質問】警報が出た後では遅いのではないか?
【回答:福大】確かに、長期の雨と短期の雨で分ける必要がある。
実際、雨水タンクは長雨に対する流出抑制効果は少ない。
しかし、問題となっている短時間降雨に対しては効果が大きい。
また、警報が出た後では間に合わない場合もあるかもしれないが、やはり常時使ってもらえると良い。
今後は、使い道の調査等を行う。
【意見】タンクから流した量のうち、使用量と降雨前に空にするために流した量と分けた方が良い。
5. 安全安心マップ
発表者:福岡大学伊豫岡先生
○ 長尾と別府で話し合いを行った。
○ それぞれの地区で進め方が違う。
○ 乞うご期待。
6. 防災情報
発表者:崇城大学森山先生
○ 外水氾濫と内水氾濫の予測
l 従来の浸水予測マップは外水氾濫のみに対応している。
l 外水氾濫の正確な予測は難しい。
l 内水氾濫の予測はより困難。
○ マイハザードマップ作り
l まずは住民が紙に書いてみる。
l 防災情報システムに入力し、共有する。
○ 電子地図
l 公開して良いなら「Google Map」を使う。
l 非公開なら森山研究室より「gisight」を提供。
○ 情報のコントロール
l 自分だけ
l 仲間だけと共有:要援護者マップ、希少生物マップ
l 公開
○ 災害時要支援者マップ
l 紙ベースのものは提供されている。
l 認知症などは進行するため1年に1回の更新では間に合わない。
l 特定の権限あるユーザーがログインして閲覧する必要がある。
○ 「gisight」を用いて情報を共有する
l 災害情報共有システム
l SNS(人脈システム)での情報の質は担保する。
l 最近急速に普及したスマートフォン(iPhoneなど)を使う。
○ 放送型メディアに流す
l Webサーバだけではパンクする。
l ケーブルTVに、平常時は防災教育コンテンツ、発災時は防災情報を流す。
l 河川監視カメラの現状だけでなく1時間後の予測など流したい。
7. すみだ環境ふれあい館・雨水資料館
発表者:九州大学上野
○ 雨水資料館とは
l 東京都墨田区の廃校になった小学校を利用した「すみだ環境ふれあい館」内にある雨水利用の情報、啓発及び活動の拠点。
l 館内には雨水タンクをはじめ、国内・海外の雨水グッズを展示している。
l 子供向けのワークショップも多く行われている。
○ 雨水資料館の特徴
l 実際に目で見て触れることができる。
l 雨水利用の拠点となっている。
l ここから、環境教育にもつながる。
【質問】誰の持ちものか。市?都?
【回答:九大上野】墨田区とNPO雨水市民の会、雨水事業者。
【質問】流出抑制の基準はないのか?治水にしぼって発表してほしい。
【回答:九大島谷】確かに治水は大事。
しかし、樋井川では流域全体の総合治水を目指している。
治水ばかりに目を向けるのではなく、こういった発表も必要。
8. 旧当仁中学校跡地における流出抑制
発表者:九州大学横内
○ 流出抑制
l 貯留 : 築堤式表面貯留 + 土中貯留
l 浸透
l ビオトープ
○ 貯留量の予測
l H22年7月1日 現地測量実施
l 小堤高さ20㎝以下ではほぼ貯留出来ない。
l 小堤高さ40㎝で貯留量約1000トン。
○ 今後
l 時間100mmの降雨を対象として計算を行う堤防の形状の検討
l 浸透方法の検討
【質問】地域の窓口はだれか?また、「前回では…」という話があったが、前回とはいつか?地域の人間が初耳。
【回答:九大】前回とは、第10回(7月)の市民会議であいさつ程度の話をしたこと。
地域の窓口は自治会長の宗さん。これから、いろいろ相談したい。
【回答:九大島谷】これは九大の案ではない。まだ、何も決まっていない状態。
【鳥飼地区:宗さん】鳥飼は治水の活動をいろいろやっている。
そこで、早く治水に活かせるものをつくりたいと思っていた。
私自身も当仁中跡地の考えは初めて聞いた。今日が出発点だと思っている。
【意見】グラウンドなので溜まりっぱなしもダメ。排水も考えないといけない。排水との関係も入れて発表してほしい。
9. 世話人会発足について
発表者:貯水する会山下さん
○ 市民会議は発起人6名が事務局の役割を担っていた。
○ 市民会議参加者の中からも世話人を募集したい。
○ 世話人募集要件
l これまでに市民会議に協力してきた人。
l 継続的に参加してきた人。
※ 但し、個人の名前を出したくない場合、非公開での参加も可能。
○ 世話人会の主な役割
l 個々ができるお世話をする。
l 世話人会で柔軟に話し合いを行い、市民会議の進め方を決める。