2010年12月17日
「第15回樋井川流域治水市民会議」議事録
日 時 : 2010年12月16日(木)18:30~
場 所 : 福岡大学 文系センター棟15階第6会議室
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議題
1. 2009年7月24日田島地区のMIKEを用いた検証
2. 模型と浸水(田島地区)
3. 雨水タンクモニター調査
4. 源蔵池における治水対策・利用
5. 洪水ハザードマップ(別府・長尾)
6. 福岡県から床対の報告
7. 意見交換(ポストイット)
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1. 2009年7月24日田島地区のMIKEを用いた検証
発表者:福岡大学渡辺先生
○ MIKE(解析ソフト)で下水道と河川を考慮した氾濫解析を行った。
※現段階では地盤高、下水道が不完全な箇所もあります。
l 外水はほぼ再現できていたが、内水はまだ再現できていない。
l 地盤高を見直す必要がある。
l 河川の計算区間:新田島橋~新長尾橋
l 外水の計算結果(実測データとほぼ一致)
24日18:26 左岸側から越水開始
20:31 越水終了
l 内水の計算結果2箇所(下水管から算出)
Ø 24日19:25 マンホールから越水開始
19:32 3箇所で越水
19:52 越水終了
Ø 24日18:28 マンホールから越水開始
21:11 越水終了
○ テクニック上、このような計算ができることが分かった。
○ 今後、掘削後の氾濫評価などに役立つ。
2. 模型と浸水(田島地区)
発表者:九州産業大学石橋さん
l 模型は別府、田島、長尾地区の浸水状況を示す。
l サイズは1/1000。地盤高は2m間隔。
l 1ヶ月かけて制作。
l 川の天端から(標高差)4mくらいのところが浸水している。
【意見】直接、下水から河川へ排水する箇所を現してくれると分かりやすい。
3. 雨水タンクモニター調査
発表者:福岡大学岩田さん
○ モニター106世帯中47世帯に対してアンケート調査を行った。(12月1日)現在
○ 調査結果
l 雨水タンクを設置した一番の目的
1.「節水」 34%
2.「利水」 53%
3.「治水」 11% 治水意識はまだ低い。
l 利用法
1.「植物への水やり」
2.「打ち水」
「玄関の掃除」など
l 今後何に使いたいか。 「トイレ」「洗濯」など
l 雨が降る前に雨水タンクを空にしているか。
「空にしない」 72% 理由)水がもったいない。
l 水道料金の変化
「減った」 21% 例)1ヶ月で約5㎡(約1612円)減少した。
「変わらない」 理由)雨水タンクを設置する前から水を貯めていた。
l 関心の変化 「高まった」 63%
l 人に勧めたいか 「勧めたい!」 94%
l 有料なら買うか 「助成があるなら買う」 63%
l いくらなら買うか 「一万円以内」 過半数
l 植物について 「増えた」 24%
l 雨水タンクは200リットルで適当か 「ちょうど良い」71%
l タンクのデザイン 「満足」60% 「やや満足」21%
l 改善点
「雨がひどいと水が漏れる」
「タンク内の替えのビニールがほしい」
「外から水の量が分かると良い」
「ホースをつなぎたい」 →市販の部品を用いてホースとつなぐ事が可能。
l 良かった点
「水を大切にする気持ちが強くなった」など
【質問】岩田さん自身の気持ちの変化は?
【回答:岩田】庭に緑が増えた気がして良かった。
4. 源蔵池における治水対策・利用
発表者: 福岡大学高橋さん
l 源蔵池は農業用ため池
l 10個の排水栓で水位調整をしている(つまり10段階で水位調整)
l 10番目まで水位から、洪水吐けまで1m、容積34,000トン。
l 貯水量ゼロの状態で洪水吐けまで水を貯めると、源蔵池には110,000トン貯めることができる。
【質問】水は自由にだせるか
【回答:高橋】堤防を強化し、管理者の許可が得られるのであれば可能。
【質問】抜いた水はどうしているのか
【回答:高橋】5月から10月にかけては管理者の水田へ流したり、樋井川に流したりしている。
(灌漑期は水は常に抜いている状態)
【意見:島谷】治水の機能を持たせるか、持たせるか。この規模のため池を一から作ると1億円、ダムをつくるのと同じくらいかかる。
5. 洪水ハザードマップ(別府・長尾)
発表者:福岡大学野田さん
○ 樋井川浸水想定避難図(福岡市発行)平成22年3月改訂
l 30年に一度の雨を想定
l 浸水箇所が実績と異なるところもある
○ 洪水ハザードマップ
l 安全安心マップの改訂にともない洪水も校区単位でのハザードマップを追加(元々は交通や防犯の地図)
l 昨年7月雨の洪水を反映させた
l 別府校区でワークショップを行っている。
○ 別府校区
第1回(11/20) 29名参加 浸水地区の図化
第2回(1月中旬) 避難所の選定
第3回(3月末) 校区内へ配布
l 危険箇所:別府2丁目商店街、別府団地周辺など
○ 長尾校区
第1回(11月中旬) 浸水地区の図化
第2回(1月中旬) 避難所の選定
第3回(3月末) 校区内へ配布
l 長尾校区ではハザードマップへがけ崩れも入れる
【意見】別府は下水が整備されているからもう洪水は来ない。それより、鳥飼はどうなっているのか。別府の雨はすべて鳥飼に流れてくる。
【意見】市民会議の合言葉は「してくれ、ではなくしよう」。鳥飼のハザードマップを「作ってくれ」ではなく、鳥飼でもワークショップをしようと言おう。
【質問】避難所が書かれているが、水害の場合、避難所へ行くべきか家にいるべきかどちらが良いのか。
【質問】地盤高と関係ない所での浸水について、地元の方から話を聞いたか。
【回答:野田】そういう箇所はなかった。
【回答:山下輝】ワークショップを行って初めて地元の地形を理解しているようだった。
【意見】別府は浸水しないと言っていたが、100年に1度や200年に1度の大雨が降れば別府や田島が浸かる可能性はある。
6. 福岡県から床対の報告
発表者:福岡県県土整備事務所織田さん
l 瀬淵調査
瀬:川の浅いところ
淵:川の深いところ
l 利用実態調査
川で遊ぶ、釣り、犬の散歩 など
l アユの餌場・産卵場調査
l シロウオ調査
l 塩分遡上調査
利水もないので潮止め堰は撤去。
河床を掘ると若干潮が上流まで上がる。
○ 今後の予定
l 河道計画など地元説明会
l 友泉亭橋より上流の河道計画
l 河口部の工事 (今年度2月か3月から)
【質問】去年の補修はどうなっているのか
【回答:福岡県】去年は応急処置を土のうなどで行った。道路が関係してくるのでそれ以降の復旧は福岡市が行う。
【意見】別府橋から梅公園へ遊歩道があったが、誰も使わないまま流されてしまった。遊歩道はいらない。税金の無駄遣い。
【質問】川幅を広げる場所はないのか。
【回答:福岡県】都市を流れているから難しい。今回は河床を掘り下げる対策を行う。
【質問】アユもいるので、河床の石は再現されるのか。
【回答:島谷】石を取っておいて、掘削後に戻せばよい。
【意見:島谷】浅井戸を使っている人はいるか。掘ると井戸の水位が下がってしまうと思う。
【意見】それよりも井戸が汚れる。一度汚れると井戸は使えない。
【質問】掘ったら何年くらいで慣れる(土砂がたまる)のか。
【回答:福岡県】具体的には分からない。が、溜まったら掘り下げたい。
7. 意見交換(ポストイット)
l 雨水タンクのアンケートは面白かった
l みんなでやろうという意見に感動した
l 地元説明会はいつどこでやるのか。
→早くて来週から行う。現在、日程調整中。
l シミュレーションは内水と外水の関係を分かりやすくなると良い
l アユの話はあったが、樋井川にはサギ、カモ、ウナギもいる。