2010年5月26日
「第9回樋井川流域治水市民会議」議事録
日 時 : 2010年5月24日(月)18:30
場 所 : 福岡大学 文系センター棟15階第5会議室
*********************************
議題
1. 九大田島寮跡地(中村学園大学グラウンド)について
2. 樋井川改修(樋井川床上浸水対策特別緊急事業)について
3. ため池、源蔵池について
4. 鳥飼会議について
5. 樋井川5丁目(城南区最上流)
6. 雨水モニター設置について
7. 缶バッジの配布について
*********************************
1. 九大田島寮跡地(中村学園大学グラウンド)について
発表者:福岡大学渡辺先生
○ 軟式野球場1万㎡を10㎝切り下げ、グラウンド全体で1,000tの水を溜める。(現在、施工段階)
○ 溜まった水はグラウンド横に流れないようにする。どうやって流すかが問題。
○ 周囲の水路についてはフタを外し、L字の擁壁を入れる。
○ 現在、400㎥のコルゲート管(排水管)が埋まっている。
討論
・ 着工と同時に木(ポプラ)を切っている。周辺住民に説明がない。
・ ソメイヨシノの老木を切った。
・ グラウンド横の水路に流すのも排水溝に流すのも、つながっているから同じこと。
・ グラウンド⇒別府団地⇒鳥飼 へと水が流れるため、貯水しても結局鳥飼地区に水が流れ込む。
・ この事実を住民が知らない(説明がない)。
・ 1,000tでは不安。二日間で満杯になってしまうのではないか。20㎝ではだめなのか。
・ 降雨が強いときのみ水を溜められる構造(ピークカット)にする必要がある。
・ 今、1000t溜められるだけでも十分な成果。
・ 中村学園はそもそも貯水目的で土地を買ったわけではないが、善意でやっている。
・ これをきっかけに地域全体でやらなければならない。
2. 樋井川改修(樋井川床上浸水対策特別緊急事業)について
発表者:福岡県土整備事務所災害事業室
○ 平成22年から5年間で事業を行い、被害の再発防止を図る。
○ 事業延長:5.9㎞(ふれあい橋~駄ケ原川合流点)
○ 現在、下流に影響がない程度に掘っている。
○ 掘削できないところは、土のうやパラペットにかわるもので対応できるようにしている。
【質問】設計は県がやるのか。また、説明はしてもらえるのか。
節目ごとに説明会を開き、住民の意見を聞いてほしい。
【回答】設計は県が発注したコンサルタントが行う。必要があれば県もコンサルタントも説明会を開く。
設計は大学も一緒に行う。
【質問】マンホールの高さが低いため、水位が上がると排水溝から逆流している。
どの高さを基準にしているのか。満潮時を考慮しているか。
また、鳥飼のポンプ場は考慮されているか。
【回答】今回は外水についてのみ考えており、基準は満潮時に外水(河川)が溢れない程度としている。
また、ポンプ場につても考慮して計算している。
内水については、まだ断言できない状態。
床上浸水対策事業であるため、あくまでも床下ではなく床上に水が来ないような対策である。
【質問】県と市で基準が違うが。
【回答】下水(市)と河川(県)の計算がそもそも別である。
きちんと計算したのち、具体的な話し合いを行いたい。
3. ため池、源蔵池について
発表者:九州大学島谷先生
○ 源蔵池は堤防が老朽化し、いつ壊れるか不安。個人で管理しているため限界がある。
○ 堤防の下に民家があるため、決壊してしまうと大きな被害が出る。そのため、水位を低く保っている。
○ 源蔵池の堤防を強化し安心感を持ってもらい、その後、もっと水を溜められるようにしよう。
○ 桧原運動公園内のため池(コケムタ池)も有効に使いたい。現在、水が浸透しない構造。
4. 鳥飼会議について
発表者:九州大学林さん
○ 鳥飼自治会長さんとともに現地を見ながら、議論を行った。
○ 当仁中跡地(城西中第2グラウンド)に雨水を溜めよう。
・ お願いだけでなく、自分たち(鳥飼地区)でもやらなければ。
・ 鳥飼地区をみんなで守りましょう。
下流を守るために、上流で水を溜めよう。
5. 樋井川5丁目(城南区最上流) 発表者:角銅さん
○ 事務局角銅さんのお宅では平成17年から「アメリットステーション」を設け2tの水を溜めている。
○ 中村学園大学グラウンドのように、地域の公園も雨水を溜められないか。
○ 子供たちも参加できるワークショップなどを行い、「地域の架け橋」になりたい。
6. 雨水モニター設置について
発表者:福岡大学
○ 流域住民に協力してもらい、無料で貯水タンクを設置。
○ 水位計等を用いてどの程度効果があるのか検証する。
○ モニターは20軒の予定だったが、120軒に増やす。
【質問】タンクだけでなく設置も含めて無料か。集合住宅でも設置可能か。
【回答】設置も全て無料で行っている。現段階で設置しているのは個人住宅のみ。
しかし、60㎝のタンクおける、大家さんの許可が下りる等、
条件が満たすのであれば集合住宅でも設置は可能である。
【質問】雨が降る時期にタンクは満水、渇水の時期にタンクは空となる。
これでは流出抑制に疑問。節水のために水をためているなら分かるが。
【回答】緑のために溜まった雨水を使う⇒樹木が育ち保水性が増す⇒下流での被害を抑えられる
雨水モニターは節水と流出抑制とが本当に矛盾しているのかの研究でもある。
成功すれば、水害意識の低い人にも効果が伝えられる。(意識改革を行う)
【質問】実際にタンクを設置しているが、溜まるスピードが速く10分で溜まる。
溜まったらどうしたら良いのか。
【回答】雨が降る前にタンクの水を空にする。
雨の前にバケツに移している。(設置している方からの意見です)
7. 缶バッジの配布について
発表者:九州産業大学
○ 当市民会議を広く市民に知ってもらう活動を行おう。
○ 流域内の小学生にオリジナル缶バッジを配る。
○ ワークショップ(勉強会)を開く。6月開催予定。
○ 貯水タンクのデザインコンペを開催する。
*********************************
今回の決定事項
◎ グラウンド貯水についてはもっと話を詰める。
◎ 設計については逐一、具体的な説明会を行う。
◎ 流下能力については、具体的に算出する。その後、話し合いを行う。
*********************************
※角銅さん宅のアメリットステーションがNHKで特集されるそうです!
放送予定日時:6月1日(火)NHK 18:10~/20:45~