第10回(2010/07/06)
2010年7月8日
「第10回樋井川流域治水市民会議」議事録
日 時 : 2010年7月6日(火)18:30~
場 所 : 福岡大学 文系センター棟4階第4会議室
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議題
1.樋井川の水位変化について
2.旧九大田島寮跡地・中村学園グラウンドについて
3.福岡県県土木より進捗状況の報告
4.旧当仁中跡地について
5.雨水モニターについて
6.水道料金と雨水利用について
7.雨水タンクコンペと缶バッジについて
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1. 6/28(月)樋井川の水位変化について
発表者:福岡大学渡辺先生
○樋井川流域の7ヶ所で水位を計測。下表.樋井川流域における水位計設置個所
○6/28(月)14時から17時にかけて強い雨量を観測した。
特に降雨量の最大は16時ごろで時間雨量23mmであった。
○6/28降雨において、60cmから100cmの水位上昇がみられた。
【質問】雨量計はどこに設置しているのか。
【回答】桧原運動公園、消防署、福大の3ヶ所に設置している。
2. 中村学園新グラウンドについて
発表者: 南畑ダム貯水する会山下さん
○6月1日のRKB今日感テレビにて、樋井川、那珂川の水害対策が紹介された。
その中で、中村学園の新グラウンドの掘り込みが「20㎝」と放送されているが、
前回(第9回)の市民会議では「10㎝」と中村学園側から説明があった。
○グラウンドの掘り込み深さを中村学園に確認したところ、
最も深い個所が「20㎝」、最も浅い個所が「10㎝」、平均はほぼ15cmとの回答をいただいた。
○貯水量は前回1000tと説明があったが、正しくは1500t。
【野田さんの意見・提案】
・グラウンドの水はけを良くするために中心部が高い構造になっている。
・テレビでは「住民と協力して…」と言っていたが、はじめは話し合いもしてくれなかった。
しかし、今では問い合わせるとき ちんと応えてもらえた。
・問題点は3つ。
①溜まった水がオーバーフローしてしまい、その水を流すところがなく直に住宅へ流れ込む。
②樋井川の方が住宅地より高い。
③設計基準がなく、長年改訂されていない市の下水道のものをベースにしている。
中村学園もやることはやっているが。
【回答:会場より】オーバーフローした水が住宅に来ると言ったが、
新設されたポンプ場に行く計画のはずである。
3. 「床上浸水対策特別緊急事業」進捗状況の報告
発表者: 福岡県土整備事務所織田さん
○測量は概ね完了した。
○現在は縦断図、横断図を作成中。また、護岸や地質を調査中。
○7/1(木)に学識者を含め現地を歩き、話し合いを行った。
現地調査をふまえて、今後計画案の作成を進めていく。
○計画案が完成したら市民会議にて話し合いを行う。
○6/1、福岡市にて「樋井川・那珂川床上浸水対策推進室」を設置。
福岡県と福岡市で一緒に頑張りたい。
【福岡市 吉竹さん(係長)、宮本さんより】
福岡市民の皆さんと一緒に一日も早く対策を完成させたい。
【質問】2ヶ所、水位表示が新設されているが、梅公園(田島橋)の水位はあれで正しいのか。
潮止め堰(別府団地付近)の影響を受けているはずだが。
【回答:福岡市】いただいたアドバイスをふまえて、今後検討したい。
【質問】七隈川のことを県は考えていない。6/30の説明会で決定したポンプ場の計画と違う。
【回答:福岡県】下水の部署に確認します。
【意見】県はパラペットと付ければ良いと思っているのか。どう考えているのか。
【回答:福岡県】工事は下流から行い、まずはふれあい橋~今川橋手前を着手する予定。
【回答:島谷】下流の水位や潮止め堰についてアドバイス中。次回は県にもスライドを用意してもらおう。
4. 旧当仁中跡地について
発表者:九州大学横内さん
○グラウンドにおいて周囲を盛土し、ピークカットを可能にしたい。
○また、ビオトープなどをつくりたい。
○福岡市に問い合わせたところ、グラウンドの詳細な図面等が残っていなかったため、現況把握が必要である。
○7/1に測量を行った。それを基に今後、貯留に関した解析を行いたい。
【鳥飼地区の方からエール】
こんなに進んでいるとは思わなかった。
ポンプ場が完成したら、周りを囲っている壁がオープンになるため楽しみである。
せっかくグラウンドがあるから少しでも貯水できるようがんばってほしい。
5. 雨水モニターについて
発表者:福岡大学岩田さん、南畑ダム貯水する会山下さん
○現在98基、設置完了。主な設置場所は別府、鳥飼、田島。
○ヒアリングの結果、下流住民は治水目的で、上流住民は利水目的で雨水タンクを利用している。
○今後のヒアリングで考えている項目。
・水道料金 ・雨水を利用しているか
・タンクを取りつけてからの意識の変化
・どこで雨水タンクを知ったか
○上記項目以外で付け加えて聞いた方がいいことをアドバイスしてほしい。
【質問】雨どいの切り込みがなぜ1㎝なのか。
切り込みを広げ、早く水をためた方が良いのではないか。
この間(6/28)の雨1㎝では半分くらいしか溜まらなかった。ゴミが詰まると思う。
【回答】切り込みが1㎝の理由は、水をパイプ内でらせん状に流すため。
ためるには1㎝で十分のはず。
この間の雨で半分しか溜まっていないのはもったいない、今度タンクを確認しに行く。
【意見】何に水を使っているかを聞くべき。楽しんで使っているのか動かを調べると良いのでは。
【質問】雨水タンクはもう余っていないのか。
【回答】もうありません。
【意見】実際に使ってみて、もっとこうした方が良いなど、メリット、デメリットを聞いてみると良い。
【意見】雨水モニター以外でも雨水タンクを設置した方が良い。
市などが、雨水タンクの数を把握しているのではないか。
【回答】把握していると思う。個人情報だから公開してくれるかわからないが、問い合わせてみたい。
【意見】利水にはなるが治水にはならないのではないか。
雨が降る前にタンクの水を放水する必要があるが、放水する構造になっていない。
放水すると庭が水浸しになってしまう。
【意見】自分は出口からホースを使って下水に流している。
また、切り込み増やしたら貯水量が増えた。
使ってみたら、有効なタンクだと思った。
【回答】切り込みは2、3㎝にした方が良いのかもしれない。
今後、モニター宅をヒアリングし調整したい。
【意見】水道料金について。現在グラウンドの下水料金は課されていない。
今後はグラウンドも面積に応じて課金し、
貯水の量に応じて料金を軽減させる制度を設けたらよいのではないか。
【意見:貯水する会山下】今は雨水モニターとして無料で配っているから、取り付けてもらえる。
今後は雨水タンクにお金を払ってでも設置する価値があるかどうかが重要。
税金に頼らず、住民一人一人の意識をもって雨水タンクを設置してもらいたい。
6. 水道料金と雨水利用について
発表者:九州産業大学山下三平先生
目標
○ 雨水タンク普及の向上
○ そのための経済的インセンティブを明示
(上下水道料金の節約、タンクの水をトイレに使用)
課題
○ 料金が課題
下水道料金 = 上水道料金
基本料金 + 汚水排出量 = 基本料金 + 上水の使用水量
つまり 水道料金 = 上水 + 下水 = 上水×2
○ 井戸水を使用している場合、世帯人数に応じて水道料金が軽減される
認定汚水排出量が設定されている。
○ 雨水は通常、下水道雨水管(無料)に流れる。
トイレに使用すると、汚水管に流れるため有料となってしまうのはおかしいのではないか。
○ いきなり無料には出来なくとも、井戸水のように認定制度(軽減制度)が必要。
○ 集合住宅の場合の課題
・雨水をどうトイレにつなぐか。
・汚水排出量の計測が難しい。
段階
○ 雨水だから排水も無料 ⇒ いきなり制度を変えるから難しい
○ 無料にできないなら井戸水のように認定制度の制定 ⇒ 井戸水より安く
○ 水道使用料の軽減に特化
当面の方法
○ 複数のモデルケースを検討
○雨水利用の経済的メリット、デメリット
その他
○ 福岡市の一人当たりの使用水量 1日約200ℓ、1ヶ月約6t。4人家族で2ヶ月約48t。
このうち、トイレ使用量は約3割で一人当たり1ヶ月約2t。
○ この量は他の都市と比べ非常に少ない。
○ 水道料金は4年ごとに見直されているが、平成9年以降改定はなし。
○ 下水道に関しても改定は同様
【質問】ビルでは中水を使用している。雨水は雑菌が多く、劣化が早いのではないか。
※中水とは生活排水や産業排水を処理して循環利用するものを指す。
【回答】衛生器具はそもそも雨水を流す想定がされていない。
しかし、雨水を長年使用している人もいるがあまり劣化していない。
それよりも、家の近くに常に水があることは安心なこと。
【質問】ヤフードームは日本一雨水を使用していると聞いたが、水道料金はどうなっているのか。
【回答】調べます。しかし、家庭用と事業所では料金制度が違う。
【質問:島谷】雨水処理は税金。さらに汚水処理と、ダブルで課金することになるが大丈夫なのか。
【質問】今まで庭に撒いていた水は料金を取られすぎていたのか。
【回答】排水量は使用量が料金の基本なので、使ったら使った分だけ料金が課されている。
【回答:福岡県】雨水排水は無料。汚水は処理して海や川に流す。
汚水料金のほとんどを処理に使っている。通常分流式だが、ここは特殊で合流式である。
【意見:島谷】雨水処理にはポンプ場の整備とかに費用がかかっているはずだから無料ではなく税金。
つまり市民はお金を払っている。雨水利用すれば、雨水処理量が減るんだからその分考慮してもらいたい。
7. 雨水タンクコンペと缶バッジについて
発表者:九州産業大学山下三平先生
○2tの雨水タンクのデザインコンペを行う。
○デザイン性があり安全性のあるもの。今秋ごろに募集を募る。
○小学生を対象に雨水の缶バッジをつけてもらう。
○ 同時にワークショップも行いたい。今秋ごろの予定。