1. はじめに
1. はじめに
戦後、年齢の数え方が満年齢に改められたのはよいが、出発点を誕生日においていることには納得できない。生命は無限の過去から受け継がれていて今日に及んでいる。父母の存在があって私があるのだ、とすれば母の体内で育まれた期間を加えることに合理性があると思う。このことによってさらに父母のことを思い出す機会が多くなることも心温まるひとつである。
合掌苑も今日突然この地にできたわけではない。母の胎内で育った胎児が無限の過去を受け継いで産まれ出るように、合掌苑も今日に至るまでには多くの歴史を経ている。これをここに述べることにより、「故き温ね、新しきを知」り、職員がこれからの職務の確固たる基盤としてくれることを願う。