まえがき
私の人生における重要なメンターは三人です。
一人目は、合掌苑の創業者である市原秀翁師です。まさにご縁で合掌苑にお世話になり、市原苑長とともに合掌苑の発展に向けて努力していく中で、人生における大きな学びをさせていただきました。
二人目は、ハンディネットワーク代表取締役の春山満氏です。輝の杜、鶴の苑という新しい取り組みに際して、春山さんから学んだことは数字面のみならず、人間の尊厳や生き方ということについてもたくさんのことを学ぶことができました。
三人目は、京セラ名誉会長の稲盛和夫氏です。直接お会いしたことはありませんが、合掌苑がアメーバ経営に取り組んでいく中で、稲盛さんのフィロソフィーを学び、稲盛さんがおっしゃられていることと市原苑長が日頃言っていたこととの共通点の多さに、アメーバ経営が合掌苑に定着することを確信したものでした。
人が影響を受ける要素は二つあります。高い能力を持ち、仕事において高い成果を出している人、これが一番目です。
二番目は、高い人間性を持ち、人間として素晴らしい人です。この二種類の人から影響を受けますが、多くは一番目の方から受けるケースが多いと思います。
私がとてもラッキーであると思うのは、メンターの三人全員が二番目のケースであるということです。
もちろん仕事の遂行能力も高いものを三人の方は持っておられますが、仕事に臨む姿勢、使命感の高さ、そして自分が人生の中でなすべき想いの強さに大きな影響を受けました。
今、日本は高齢化が進む中で、介護には大きな問題が山積しております。三人の方に関わらせていただき影響を受けた者の使命として、その方々の言葉を一冊にまとめていき、羅針盤として残していきたいという強い思いを持ちました。
「合掌苑に関わる全ての人を幸せにする」という合掌苑の使命を推進していく中で、この言葉が皆さんの人生の羅針盤となることを切に願います。
平成二十八年四月一日
社会福祉法人 合掌苑 理事長 森 一成