研究紹介

基盤科学系・学生)

奥村皐月

基盤科学研究系 先端エネルギー工学専攻 大崎博之研究室 修士課程1年

私は,低炭素社会の実現への大きな貢献が期待される超電導技術の応用に関する研究を行っています.特に,超電導応用機器の設計のために,超電導体の交流損失の数値解析手法とモデリングに関する研究を進めています.現在はその数値解析技術を,宇宙の起源を探る人工衛星 LiteBIRD に搭載される超電導磁気軸受の特性解析と設計に適用して研究を行っています.今後はさらに,電動航空機用超電導モータをはじめとした幅広い回転機に応用することを計画しています. 

 皆さんは「超電導」と聞くとどのようなイメージを持っているでしょうか超電導の性質を利用すると電気を無駄なく遠距離送電したり,電力消費の少ない機器を実現したりすることができます.なぜそのようなことが出来るのでしょうか超電導状態では直流電気抵抗がゼロとなり,大きな電流を発熱無しに流すことが出来るからです.また,超電導体はマイスナー効果やピン止め効果を持つため,超電導体の上で磁石を手放すと宙に浮くという不思議な現象を生み出します.さらに,量子コンピュータの量子ビットにも超電導技術が用いられ注目を集めています.超電導の物理的な特性をモデリングし,解析することでいろいろな産業応用を目指しています.