金パラ高騰を考える

高騰を続ける「金パラ」が医院経営を圧迫している。政府は2019年10月に金パラの材料価格を改定したが、歯科医院の購入価格との乖離を解消するには不十分だ。実態に即した適正な価格の改定が求められている。

「金パラの値段が上昇していないか、いつも気にしている」。こう話すのは大阪市内で開業するT先生だ。あるメーカーの金パラ30㌘入りの商品は2019年11月に6万6千円台まで上昇した。わずか1年間で1万8千円以上もの値上がりだ。あまりの高騰にT先生は治療の・・・

厚労省による歯科用貴金属材料の保険告示価格の改定は、診療報酬改定に合わせて実施する「基準材料価格改定」(基準改定)と、診療報酬改定後6カ月に1回の見直しを実施する「随時改定」の2種類がある。それぞれ改定方法が異なるが、市場価格が十分に反映され・・・

「随時改定」は、金パラの高騰による販売価格と保険診療上の告示価格との乖離を緩和するために設けられている。2年に1回の「基準材料価格改定」に加え、診療報酬改定の年の10月に1回目、翌年の4月に2回目、10月に3回目と次の診療報酬改定までの間に最大3・・・