Walking on the Moon's edge
二次創作SS01

記憶喪失になった花渡瀬さんを見た時の八雲

※ 卓前に書くやつがあるか、というところですが衝動書きのSS

※ 明け方のポンポン話してたネタをぼんやりと拾いながら書いたので花渡瀬さんの口調とか絶対違うな~~~ってなりそうですが、まあそこはそれというお気持ちを持っていただけたら嬉しいです。卓前に書くから解像度が低い!!!!!

 ふぁ、と小さな欠伸をこぼしながら冷蔵庫に顔を突っ込んで中身を確認した八雲は、ひょいひょいと朝食用の食材を冷蔵庫から選別していく。今日はなんだかピザトーストの気分だったので、バター、粒マスタード、ハム、チーズ、あとはケチャップとマヨネーズを取り出して綺麗にシンクに並べた。


 八雲が気分転換兼エネルギー摂取に好んで食べているブランドのチョコが我が物顔で上段の端っこにおかれているこの冷蔵庫は、実のところ彼が所持している家電ではなく、色々あって一緒に住んでいる花渡瀬の持ち物だ。というか、寝起きしているこの家自体が花渡瀬の所有物であり、そこに八雲が転がり込んでいるというのが正しいのだが。


 マンションの鍵を失くして帰れなくなった時からずるずると荷物を持ちこむようになって、気が付いた頃には同棲することになっていた。そもそも大家さんに鍵を紛失した話をするまでに時間がかかりすぎたのは花渡瀬のせい――彼から「でもいま夜中だよ?」とか「でも今日は休日だよ?」と言われて毎回納得してしまった――だったのも相まって、どうせ頭の回転がとんでもなく早い花渡瀬に仕組まれたことなのでは、と八雲も疑っているのだが、残念ながらそれを証明できる情報はひとつもない。

 仮に証明できて花渡瀬にソレを認めさせたとて、上手くいっている生活をわざわざやめる必要もないため、もう諦めて堂々と居座っているのだが。ベッドふかふかで寝心地いいし。今日も執筆で部屋に籠っている花渡瀬が居なかった分、広いベッドを占拠していた。


 まあ、この生活も悪くはないしな。そう八雲が心の中でそう呟いた時、扉の開閉音と花渡瀬が廊下を歩く僅かな音が八雲の耳に届く。朝日を浴びて伸びている影が近づいてくるのに合わせて口を開いた。


「おはよう、鹿乃介」


 それは、いつも通りの朝の挨拶のはずだった。


「……は、」


 ――ゾッとしそうなほど低い、花渡瀬のそんな声が降ってくるまでは。


「……なんで犬吠埼くんがここにいるのかな」

「……、あー……」


 陽光が雲に遮られて部屋に影が落ちる。あたたかな陽の光が届かない室内の温度が一瞬にして消えた感覚がした。静寂のなかで「『犬吠埼』って久しぶりに呼ばれたな」なんて、どこか一歩引いた場所に立って、映画のワンシーンでも見ているような気分の自分が居る。冷えた声、呼び方、訝し気に八雲を見る視線。これがいつものからかいだったのなら「朝から重てェ」なんて軽口が飛び出るところではあったが、刺すような視線を送られているいま、そうとは考えられなかった。


 何がどうしてそうなったかは知らないが、どうやら花渡瀬はスッパリと八雲が自身の恋人であることを忘れてしまったらしい。


「……合宿、ですよ」


 とりあえず何か返そうと思って言葉を続ける八雲だったが、寄せられる眉をみて「あー、ミスったな」と心の中で呟いた。起き抜けの恋人に朝の挨拶をした瞬間ドスのきいた声が飛んで来たら誰でも思考停止になるだろう。ならないやつが居たらここでの正解を教えて欲しいものだ。


「そんな訳ないよねえ」

「…………」


 そうだな、と、そうですね。一体どちらで返事をするべきか迷ってしまって言葉に詰まる。そんな八雲に対して眉を寄せたままの花渡瀬は、決定的な言葉を放った。


「俺、今日は仕事するから。早めに荷物まとめて出てってね」

「……はい」


 アンタが俺のことを引きずり込んだ癖に。そんな憎まれ口が思わず飛び出しそうになって、八雲は飲み込んだ唾と共にそれを胃へと押しやった。

▽ 続かない!


こうして真菰野くんのところに転がり込んでプリプリ怒る八雲が生まれるってワケって感じなのかな~~~と思いました。ふっと思い出して真菰野くんのバーにやってくるところめちゃくちゃ好きでした。襟元を掴むところ本当に余裕なくて、更に真菰野くんの対応が良くて……。「えーっと、結構余裕ない感じ?」って言っちゃうの好きで……。


恋人になって「甘えて欲しい」とか花渡瀬さんに言われて、試し行動をちょこちょこして愛情確認をする八雲って(シナリオ前に未来のカタチがわかるの面白すぎる)要らないムーブされると凹むんじゃなくて「ハ?!?!?!」ってキレちゃうんだなあって改めて思いました。心のどこかで愛されて当然って思ってるってこと?????


このあとの八雲のセリフで我ながら気に入ってるのが「アンタが書けなくなるのが一番嫌なんだよ!」ってやつです。本当に花渡瀬さんの作品好きなので、二度と読めないかもしれない方が怖い。でもそれはそれとして後で怒るんですけど。


お鍋つつきながら嫉妬する花渡瀬さん可愛いし、帰り道何度も振り返る花渡瀬さんかわいいし、家着いたらハグする花渡瀬さん可愛い~~~!攻めがなんかやらかして執着するの見るの大好き!!!!!

途中までたじたじだったのに「冊数ではまだ勝ててねェじゃん」って言ったら「その手があったか」って元気になるしとんでもない話書きあげるとこホントかっこいいんですよね~~~なんなんだこの人。なんなんだ……?????


正直、最後の文章が書きたかっただけなんですけど、この二人まだ付き合ってすらいないってマジですか?????という顔をしています。

シナリオ開始前にSS書くな(爆散)