【現代パロ】

※ 作業雑談うろ覚えメモ

ぽろぽろお話したのをぼんやり思い出しながら、宗次郎の好感度の変化に合わせて出来事の順番を入れ替えたり、なんとなく時系列作ったりして書きました。

尋仲蛟猟】
日本史の先生。分厚い眼鏡をかけている。生徒や他の教員から隠れて、屋上で煙草を吸っている。職員室ではなく、資料室が根城になっている。


辻 宗次郎
朱丹高等学校の2年生。弁護士の家系だが、父親がカビの生えた思想から抜け出せないクズで暴力も厭わない人のため、グレている。あと甘え下手。兄は上手く立ち回るタイプだがストレスは溜まるので、宗次郎、三男、四男にぶつけることで解消している。現状に三男と四男は諦めの境地。母親は育児<仕事のため、両親共に滅多に家に帰ってこない。現パロの母親は衣食住の用意と学校に行かせれば充分でしょ、って考えていて子供に関心がなさそう。なかなか家に帰ってこない代わりに金だけ置いて行かれるので、各々でコインランドリーを使っているかもしれない。たまにパシられる三男と四男がいます。ご飯は基本的にコンビニ弁当で、手料理を食べたことはない。ファミレスはちょっと高いし、友達もいないので行かない。グレているので一人称は「俺」

▽高校2年生(二学期)


父親の暴君具合と兄のストレス解消サンドバッグな現状が嫌でグレている宗次郎が屋上へサボりに行くと、先客の尋仲先生がいて、煙草を吸ってる。屋上の鍵は、ちょっと悪い先輩から教えてもらったピッキングで開けた。

宗次郎が近づくと煙草を消す先生。

「やめんの? 俺が来たから?」

「いんやぁ、飽きたからやめたの。同じ飴を舐め続けたら飽きるだろ、あれとおんなじ」

「ふぅん、飽きたんなら○○先生みたいに飴でも舐めれば?」

「あの飴は俺の肌に合わないから」

みたいな会話をしながら寝っ転がって本を読み始める宗次郎と、咎めはしない先生。なおピッキングで鍵を開けたことがわかると、

「俺が居たら鍵開けてやるから、三回ノックしろ。で、いなかったら資料室に来いよ」

「わかった」

「……、(思ったより素直でびっくり)」

サボること怒って放り出す先生じゃないので、素直に返事をする。この時点で他の先生と違う変な先生だな、って考えている。


それから数日くらい経って、進路相談とかの時期になった頃。

「お前は辻家の次男坊なんだから、もっとちゃんとしろ。お前の兄貴はもっと優秀だったぞ」

「……うっせーな、関係ねェだろ」

キックあったし、現パロだと足癖悪そう……。机とか蹴りそうですね。

家業の弁護士になるならもっとちゃんとしろ、とか、お前の兄貴は、とかは本人にとって一番触れられたくない話なのでイライラしながら面談を終えて屋上へサボりに行く。この時はまだ資料室に行くっていう選択肢がないし、ピッキングして鍵を開ける。またもや先客の尋仲先生がいる。

「……お前なあ、言っただろノックしたら開けてやるって」

「…………忘れてた」

ぶすくれた顔で寝っ転がる宗次郎。なんかあったな~って思う尋仲先生が資料室に連れて行ってくれる。ただ、資料室に行っても勉強の強要はされないので、手持ち無沙汰でその辺にある本を読み始める。見事に尋仲先生が設置していた本トラップにハマり、以降は資料室でサボるようになる。

出席日数ギリギリには行ってるし、テスト受けにも行くけど結構サボるので、教室より資料室にいる方が多くなる。先生や他の生徒には不良だと思われてる。実際そう。


ある日、他の先生と尋仲先生が会話をしているところにばったり遭遇した宗次郎は「どうするんですか、辻のこと」と自分の話をしているのが聞えてしまい、そのまま盗み聞き。

「大人だってやりたくないときがあるんですから、子供にだってあるでしょう」

なんて言葉に「やっぱ変な先生だな」と思いながら、他の先生と違うところに好感を持つし、少し懐く。そのまま資料室に向かい、尋仲先生が適度に入れ替えて宗次郎が読みたい本や興味を持ちそうな本が積まれている(宗次郎は気づいてない)本の山の一番上の本を読み始める。

「職員会議が長引いちゃって~、ヤダねェ」って言いながら戻ってきた尋仲先生といつも通り雑談をしている時に、宗次郎が「なんで先生になったの?」って聞いてみる。すると、昔の尋仲先生はグレていた(転校が多くて親友と離れ離れになった)という話をしてくれる。ふーん、って返事をする宗次郎の懐きポイントが増える。

「お前は何になりたいの」

「うーん……、…………小説家、かなあ」

弁護士にはなりたくない、じゃあ何が好きなんだろうって考えて、資料室でサボるようになってから読んでいる本が面白いなあ、って思っていたらぽろっとそんな言葉が出て行く。家も、学校も居心地が悪くて、資料室だけが少し安心できる空間で、そんなここで読む本が逃避先だったので〝好きなもの〟に変わっていった。

「へえ! そうか、じゃあこの辺とかおすすめだぞ(本の山からオススメを選別してくれる)」

「あとこれもやる」

って否定もせず、てにをは辞典を渡してくれる尋仲先生に驚くと同時に「……弁護士になれ、って言わないの」って聞いてしまう。見事な下がり眉。

「なんで?」

「……他の先生はそう言うから」

「ふぅん、言って欲しい? ってことは、これは要らないかあ」

「あ゙~ッ! い、いる……! 要るから……!」

ひょいと取り上げられる辞典をジャンプして取り戻そうとしながら「やっぱ変な先生」って宗次郎は笑うんだけど内心嬉しいし、結構ホッとしている。気を張らなくていい人なんだって思えるので、本当に居心地がいい唯一の場所が資料室(というか尋仲先生がいるところ)になる。


小テストが返ってきた日とかも家に帰らず資料室でサボってると、テストの結果を知ってる尋仲先生が「偉いな~」って褒めてくれるけど、宗次郎は100点でも「当たり前」って言われたし、100点じゃないと「この程度のこともできないのか」って言われていたので「……でも100点じゃないから」って苦笑い。

尋仲先生に「えらいよ」って優しく頭を撫でられて、思わずびっくりしちゃうんだけど、頭を撫でてもらうってこういう感覚なんだ、心地いいんだなって宗次郎は嬉しくなる。なんだか心がこそばゆいけど、手放したくない『愛情』ってものを知ってしまうやつですね。

宗次郎が「頭を撫でてもらったの初めてだから、」って言うと少し考えた尋仲先生が、冷蔵庫にあるケーキをこっそりだしてくれるので更にびっくりする。誕生日くらいはケーキ食べてたけど、基本的にお金置いておかれるだけなので(誕生日だからケーキ代も置いておきます、みたいな)思わず「誕生日じゃないのに食べてもいいの……?」って聞いちゃう。

「あ、このケーキは嫌いだったか? じゃあ、(他の買ってこようか)」

「――食べる!食べるから、っ」

「……大丈夫、取り上げないから。でも内緒だからな」

思わず食い気味に「食べる」宣言をして、ケーキをもらって、大事に、大事に少しずつ食べる宗次郎。一年に1回くらいしか食べられないのですごく味わって食べる。

「絶対内緒にできるなら、これからもご褒美で買ってやろうか」

「えっほんと?! できる!」

というやり取りがあるので、以降は少しだけやる気を出して勉強するし、テストも適当にやらないので100点を取る日がくる。元気よく資料室に駆け込んで「先生! 100点とった!」って褒めてもらいに報告し行く。宗次郎を褒めてくれるのは尋仲先生だけなので。

ご褒美のケーキと100点のお祝いにカートリッジ式の万年筆をもらう。嬉しくて、好きな小説の一文を適当に書き起こししてたノートに自分の名前を万年筆で書いたりする。にこにこ。

だけど家に帰ったら機嫌が良い宗次郎を見て、兄貴がストレス発散のためからかいにきて「お前にしては良いもん持ってんじゃん」って没収。いつもなら諦めるけど尋仲先生からのもらい物なので、夜中取り返しに行ったところを父親に見つかり、ぼっこぼこに殴られる。なお万年筆は無事に取り返せた。

翌日、頬に青あざを付けて登校して、尋仲先生よりも前に資料室へ入り、ソファーで膝抱えてすすり泣いてるところで尋仲先生がやってくる。事情説明して、手当してもらうときに「痛かったろ」って優しく言われるので静かに泣く。思わず先生が抱きしめてくれる。宗次郎は抱きしめられたらびっくりして涙が引っ込んじゃうけど、掴んだ手を放しがたくて「何でこんなに優しくしてくれんの、教師の域超えてるじゃん」と呟くもののしばらくそのままにさせてもらう。


二学期の終わりごろ。

宗次郎は通知表を見せないように隠してたんだけど、運悪く父親に発見されて「辻の人間の癖になんだこの成績は! 兄貴を見習え!」って言われて朝から家を飛び出す。お正月の時期なので親戚の集まりでちくちく攻撃があるかも。

行く当てもないままブラブラしていたら買い物帰りの先生にばったり。軽い雑談をしてたら宗次郎のお腹が鳴って、ファミレスへ。尋仲先生は奢ってくれるというものの宗次郎は悪いと思うのでポテトだけを頼むと、尋仲先生がハンバーグ定食を分けてくれる。

「先生の食べる分が減るじゃん」

「俺にはこれがあるから」

「え、だってお腹減ってるから2つ頼んだんじゃねーの?」

「んな訳あるか、これはお前の」

というやり取りを経てハンバーグ定食を食べる宗次郎。コンビニ弁当以外のものはおそらく初めて(友達がいないのでファミレスにも行かないし、ジャンクフードも食べに行かない)なので「出来立てのあったかいご飯だ……」って呟くので、とんでもない家庭環境を録音してくるように尋仲先生から〝お願い〟をされることに。

尋仲先生とご飯食べて多分お話もして、って居心地がいい時間にギリギリまで浸っていたいので朝に飛び出して夜帰宅、になるのかもしれない。憂鬱だなあ、ってこれから怒鳴られることを想像しつつ、玄関を開ける前にレコーダーをオンにして帰宅。

案の定「出来損ないの癖にどこほっつき歩いてた。兄を見習えと何度言えばわかる、無能の癖にうんうんかんぬん」と怒鳴り散らす父親に「はい」や「すいません」だけを機械的に返して、父親の気が済んだら解放されるので風呂に入って部屋に籠る。

翌日、登校したら資料室に向かい、尋仲先生へ提出。もしかしたら家では上手く眠れなくて、そのまま資料室のソファーで寝るかも。


ちゃんと事前に確認してくれた尋仲先生に「いままでどおりここに通えるなら、いい」とOKを出したので、録音データを基に父親のやってることを教育委員会に提出して一旦バトルになるものの、お金でもみ消す父親。

ああ、何やっても意味ないんだな、と思った宗次郎が自室の何もかもを処分して、尋仲先生からもらった辞書と万年筆、ノートとその他の貴重品といくらかの服だけをバッグひとつにまとめて「高校辞めてどっか行く」と言い出すのを尋仲先生によって止められる。

「ことが大きくなるからやりたくなかったんだけど、」と日出さんに連絡がいき、父親と対話をしてもらうことに。「女の書く文章は感情的だからよくないうんぬん」「女記者などうんうんかんぬん」と暴言を吐き、しまいには日出さんに思わずこぶしを振り上げる父親。「麻雀だったらロンだね」と日出さんに言われるほどのクズっぷり。帝都新聞社だろうがなんだろうが金で握りつぶしてやる、と思っていた父親だが、ことごとく協力を仰いだ先に断られ、当然ながら準備をする間もなく裁判に呼び出されて完敗。

一連の出来事が終わり、久々に教室へ向かうと一斉に視線が飛んできて、思わず資料室に逃げ込む宗次郎。「わ、来ちゃまずかったやつだ」と思って逃げるけど、それはそれとしてクズな父親をこてんぱんにしてくれた日出さんと尋仲先生には感謝している。

相変わらず出席日数ギリギリを計算しながら授業に出て、テストはちゃんと受けて、あとは相変わらず資料室でサボる日々が続く。

▽高校二年(三学期)

 

父親がアレコレ大問題になって解放されたものの行き先がない宗次郎に、伝手がある、という尋仲先生の紹介により政瞭先輩のお家に居候することに。最初は借りてきた猫。

何かしないと落ち着かないので「な、なにか仕事はありませんか」と政瞭先輩に聞いて、宗次郎は廊下の雑巾がけ担当になる。少しずつ上達する雑巾がけ。雑巾がけってトレーニングに結構いいらしいですね。

「えっと、政瞭先輩。雑巾がけ終わったんですけど……」

「そう? じゃあ今日はおしまいでいいよ、お疲れ様」

「あ、あの……えーっと。庭の掃き掃除とかもやります、よ」

「じゃあ、一緒にやろう」

などなど少しずつ打ち解けてきて、政瞭先輩の落ち着いた話し方ってなんかいいなあ、って思うようになる。人の話し方を観察するくらいには心の余裕が出てきた。この辺りで一人称を「僕」に矯正しようと思いはじめる。多分、尋仲先生に良い印象を持って欲しいという気持ちが根底にあるから。宗次郎本人は気づいてない。なんでもない会話の時は意識して「僕」を使ってるけど、慌てると「俺」になるし、尋仲先生の前だとたいてい余裕がないので「俺」のまま。


相変わらず資料室に入り浸りの日々のある日、尋仲先生がソファーで寝ているのをみてふと「そういえば前髪長いし、眼鏡分厚いし、先生の素顔ってどんな感じなんだろ」と思って、眼鏡をはずし、髪を挙げて「えー、カッコいい顔してんのに何で隠してんのかな……」ってひととおり観察。

また数日後に尋仲先生が寝ているのを確認して(※起きてる)眼鏡をはずし、前髪をあげて観察していると「う、うーん」という唸り声が聞こえてくる。「っわ、」と今にも起きそう(※起きてる)な尋仲先生に慌てて宗次郎が眼鏡を元に戻すと、寝返りをうつ先生。そーっと覗き込む宗次郎。こっそりソファーの陰で笑う先生。

環境が変わって荒れてた気持ちも少しずつ落ち着いてきたし、自分の一番安心できる人ポジションにいる尋仲先生のことが気になってくる。


政瞭先輩とも結構打ち解けてくるうちに他校の生徒(想衣くん)と仲良しなんだな~って思ってぼんやり観察してたら、政瞭先輩はいつもとなんとな~く違った雰囲気があるし、想衣くんはちょいちょい照れてるしで何度目かの交流、または観察で「うん?」って気づく。

男同士で、とかは全然気にしない。ふたりとも素敵な雰囲気でいいなあ、って思ってる。

アッ邪魔しちゃダメかも!と思って、少しずつ距離を取っていたらある日ばったり居間に二人でいるところに遭遇して、「あっ。えっと、お邪魔しました!」と逃走を図ろうとしたところ、想衣くんにひきとめられて以降仲良しに。お友達ができました。


ある日、女子生徒の頭を撫でる(髪についたゴミを取ろうとしただけ)尋仲先生を見てしまい、資料室は寄らずにお寺へ帰る宗次郎を見て、政瞭先輩が心の整理を手伝ってくれる。

一緒にお風呂に入りながら「自分だけが特別だと思ってたのに、そうではなかったときってどうしたらいいのか」的なことを質問して、政瞭先輩は持ち前の察し力で尋仲先生のことだなあと見抜く。

「その人には確認してみたの?」

「……聞いてないです」

「まずは聞いてみるのがいいんじゃないかなあ」

とアドバイスをもらってお風呂をでると、想衣の読んでいる少女漫画が『自分だけだと思っていたことを他の子にもしていてモヤモヤするシーン』で、あれこれ今の俺だ?!?!??!?!!と自分が尋仲先生に恋をしていることを自覚。が、これは墓までもっていこうと決意する夜。

件の『他の女子生徒の頭を撫でていた』ことに関して政瞭先輩からアドバイスをもらったものの実行できず、知恵熱を出す宗次郎。なんだか熱っぽいなあ、と思いながらぽやぽや歩いていると廊下にて尋仲先生と遭遇。

「最近はどうだ? 楽しいか?」という宗次郎を心配してくれている尋仲先生の言葉に「先生のお陰で毎日楽しいし、幸せですよ~」と返答する宗次郎に何かおかしいな、と思った尋仲先生の手が額に伸びる。風邪ではなさそうだが熱があるので、尋仲先生によって保健室へ連行。

ぼーっとしているので「女子生徒の頭を撫でてたのが嫌だった」ことを話すと、誤解だと判明。先生が頭を撫でるのは自分だけ、という特別感で嬉しくなって宗次郎の顔がへにゃへにゃになる。もっと撫でて欲しい。先生の手は安心するし、好きだ、と呟いて寝落ち。起きたら自分が言ったことは覚えてない。

すっきりした顔で帰ってきた宗次郎を見て政瞭先輩が「何かいいことがあったの?」とやんわり確認されるので「この間の相談事は俺の勘違いだったみたいで」とニコニコ。また、知恵熱がでたために尋仲先生が送ってくれた話をするので「先生のことは、好き?」と聞かれてこの世の終わりの顔になる。

好きだけど、先生が自分のことを好きじゃなかったら心が壊れてしまうので聞けない。好きだなんて言えない。わからないまま、いまの状態であれば幸せだからこのままでいい。「内緒にしてくださいね」という宗次郎をみて、最終手段を選ぶことにする政瞭先輩と、それに巻き込まれる想衣くんが、います。想衣くん本当にゴメン。


政瞭先輩が頼み込んだことにより、他行の女子生徒に扮した想衣くんが尋仲先生に告白。

「ごめんな、俺好きな子がいるから」

「どんな子ですか?」

ばっちり現場を見てしまうので宗次郎の足が止まる。「好きな子がいる、そっか」落胆する気持ちと、相手が誰だか聞きたい、けど怖い。結局、思わず物陰に隠れてしまい盗み聞きをすることになる。

「全部自分でため込んじゃう子なんだよね。将来は、小説家になりたいんだってさ。せめて応援してやりたくて、」

などなど身に覚えがある話をされるものの後でショックを受けたくないので「俺以外にもいるんだな、小説家目指してる子」とか〝自分ではない〟という自己暗示をかけている所に小テストの答案用紙を腕いっぱいに抱えた政瞭先輩がやってくる。

「僕、ちょっと体調が悪くて。手伝ってくれるかな……? 答案を資料室まで届けに行かなくてはいけないんだけど」(※体調はぜんぜん悪くないし、答案用紙を持っていく役目を代わりに引き受けて口実を作ってくれる先輩……!)

「えーっと(資料室はいま行きたくないけど、お世話になってる政瞭先輩の頼みは断れない……!)は、はい……! 俺でよければ……」

政瞭先輩のお願いを断れるわけもなく、先輩の腕から6割ほど受け取って一緒に資料室へ。ノックをしたのち、先輩が先に入るように促し、宗次郎は後からそーっと置いて退出しようとするが「手伝ってたのか、えらいな~」と言われて、どっきどきの宗次郎。うぐ、いまは会いたくない!

じりじりと退出しようとしていた宗次郎に聞こえるようにちょっと声を張った政瞭先輩が「そういえば先生、告白されてましたね」なんて話題を振るし、先生の口からは「万年筆と辞書をあげた」とかでてくるので絶対に自分だって思う(思いたい)けど、怖くなっちゃって屋上へ逃走。(※ここの一連のセリフ完璧に思い出したいのに思い出せない!!!!!!!!!ゔ~~~~~ッ!!!!!!!!!!!!!暴れています)


後ろから聞こえてくる尋仲先生の追いかけてくる足音をBGMにしながら今まで通りピッキングで鍵開けて、ドア開けて、急いで閉じる。でもカギを閉める余裕はない。そのまま身を隠せる場所、貯水タンクの裏に座り込んむ宗次郎。

「どうしよう」(嬉しい)「どうしよう」(でも本当に俺?)「どうしよう」(もしも違ったら)

嬉しい気持ちとそれでもぬぐえない不安でいっぱいになって膝を抱えた瞬間、影がかかる。

「……怖がらせて悪かったな」(※このあと続く言葉が「近づかないから」だったか記憶があやふやで暴れています)

優しい尋仲先生の声に思わず顔を上げると、撫でようとして伸ばした手を引っ込めるところで「なんで、触ってくんないの」と思わず言ってしまう。それって七割くらい告白ですよね。


このあと「言っていいのか」って貯水タンクを背にした宗次郎が尋仲先生の腕で退路を封じられて囲われるのと、「お、れも……言いたい事あるから」って宗次郎が返したは覚えてるんですけど、うろ覚え会話過ぎて暴れそうです。悔しい。


卒業するまでは先生と生徒なので言わない、という約束をした後にやってくるバレンタイン。チョコを買いに出かけるとばったり想衣くんと遭遇して、一緒にチョコを買うことに。想衣くんにじっと見守られながら、尋仲先生と政瞭先輩と想衣くんと自分用の4つを購入。

バレンタインデー当日、生徒からのチョコを断る先生に遭遇する宗次郎。

「俺の好きな子が嫉妬しちゃうからさ」(ここ好きすぎるのにうろ覚えで悲しいまにはちの図)

「しねーよ……!」

小声で反論する宗次郎の頭を去り際にくしゃっと撫でて行く尋仲先生。手渡しするのが恥ずかしい宗次郎は先回りして資料室に向かい、チョコをテーブルに置いてなんでもない顔をしながら小説を読むフリをして先生を待つが、本は逆さまなので一切読めてない。

「誰のかわかんないチョコは受け取れないよなあ」(チラチラ)

「~~~~っ! 俺からのだよ!」(恥ずかしさのあまり半ギレ)

「っはは。本、逆さまだぞ」

「うっ、うるせ~~~ッ!」

というやり取りがあるものの、最後の最後にやり返したいので、尋仲先生がチョコを摘まんだタイミングで先生の手を取り、チョコを咥えて強奪すると「じゃ、俺帰るね」と逃走。やり返せたので宗次郎はウキウキでお寺に帰る。

政瞭先輩と想衣くんと一緒にチョコを食べるので、尋仲先生の苦悩は知らない。でもこの子の自己肯定感と行動力は尋仲先生が育てたので……。


卒業式当日。いつも通り宗次郎が資料室に行くと、髪をオールバックにして、眼鏡もなくて、めちゃくちゃイケメンな尋仲先生がいて宗次郎の腰が抜ける。思わず開けた扉をしめてしゃがみ込む。

「おーい?」

「五分待って、かっこよすぎてムリ」

顔を真っ赤にしてしゃがみ込むが五分で何とかなる訳もなく、尋仲先生によって資料室に連れ込まれる。が、尋仲先生の顔を直視できない宗次郎。照れちゃう。

尋仲先生から携帯番号が書かれたふせんをわたされて「この番号からかけるから、ちゃんと出ろよ」って言われるので、宗次郎は手帳型のスマホケースの内側に貼り付け、大好きな人の連絡先を手に入れちゃった!嬉しい!とにっこり笑顔。


卒業式が終わっったら尋仲先生からの電話で屋上に呼び出されて、始めて最初の約束だったノックを使うので「っはは、これ始めてちゃんと使った」って思わず笑う。毎回勢いのまま屋上に上がっていたので……。

「言いたいことがあるんだって?」

「え゙、いま、ちょっとまって心の準備が」

「じゃあ俺から言おうかな~」

「あ゙っだめだめ後から言う方がヤダ! 言う! 言うから!」

尋仲先生と初めて会った屋上での話、資料室での想い出、ケーキに、万年筆、辞書。頭を撫でてもらったこと、それが嬉しかったこと。一緒にご飯を食べた日のこと、おごってもらったこと。日出さんにまでお願いをしてあの環境から連れ出してくれたこと、政瞭先輩のところに居候させてもらうお願いをしてくれたこと。

「俺を先生の特別にしてほしい、と思ってる」

「小説なら100点だけど、ほら、ここは現実だからさ」

ちゃんと言って欲しいなあ、って尋仲先生に言われて「すっ…………す、……好きです」と宗次郎は蚊の鳴くような声で告白。(※だった気がするんですけどかなり記憶の彼方で暴れ散らしています。)

▽卒業後


卒業して先生と生徒じゃなくなったのでお付き合いできる!ってなるけど、いわゆる〝そういう〟ことは二十歳まではおあずけ。でも尋仲先生は悪い大人なので、キスだけで腰砕けになるし、口内は開発されることになる。


念願の二十歳になった宗次郎は「抱いて」ってお願いしに行くんですが、アプローチしかけられるようなメンタルにしたのは「かわいい」と言い続けた尋仲先生です。自分が可愛いと思われているって理解してるし、愛されてるって信じているのでメンタルが強い。

初夜の次の日は普通に授業があるんだけど腰痛くて動けなくて大変なので、後哭くん(宗次郎の先輩)がサポートしてくれるらしい。授業ないのに来てくれる。


なお、元カノがよりを戻しに来ても「元カノォ? さっさと帰りな?」「テクニックもないガキの癖に!」「いや俺めちゃ愛されてるので……キャンキャン騒いでいい大人がみっともねーな」みたいなキャッとファイトができるし、全然身を引く気がない。蛟猟さんは俺の!