農業気象 

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農業気象

 気象は農業と深く関わっており、高温や低温、強風、長雨によって農業災害が発生することがあります。このような被害の防止・軽減のため、日下研究室では農業気象の研究を行っています。

 日下研究室では、農業気象のうち、「白穂」という農業災害の研究に力を入れています。白穂は、夏季に高温によって稲穂白変・枯死する現象で、米の収量減少や品質低下を引き起こす農業災害です。白穂はイネの出穂期に高温乾燥した風が吹くと発生すると言われています。
 Asano and Kusaka (2021)  は、山形県庄内地方で発生した白穂事例を対象に数値気象モデルWRFを用いた再現シミュレーションを行い、2004年や2018年に発生した白穂は鳥海山からのフェーンに伴う高温乾燥風が引き起こしたことを明らかにしました。また、このフェーン発生時、気流が鳥海山を回り込むように下降していたことも明らかにしました。

(左)白穂が発生したときの稲穂、(右)通常の稲穂
Asano and Kusaka (2021) より

2018年8月6-7日の(左)白穂被害分布(赤色のプロット)と土地利用、(右)気象モデルWRFによりシミュレートした白穂危険度分布
Asano and Kusaka (2021) より

(文責:近内 翔)