モデルチーム

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 モデルチームでは、都市キャノピーモデルやCity-LESなどの数値気象モデルの開発や、WRFのコード改良などを行っています。日下研究室は、数値気象モデルを一から構築する方法を学ぶことができる数少ない研究室です。数値気象モデルを一から構築することで、気象学を体系的・定量的に深く理解することができます。

数値気象モデル開発とは?

 数値気象モデルとは、現実の気象要素を変数と捉え、その相互作用を方程式で表し、数値的に解くプログラムです。例として、大気境界層での数値気象モデルを挙げます。

 この方程式を初期値や境界条件を与えることで数値的に解くプログラムのことを、数値気象モデルと言います。この式のKm、Kh、Kqは各物理量の乱流拡散係数で、これを求めるためにサブモデルと呼ばれる別の数式を用いて求めます。Fは外力QASは放射や水の相変化による加熱、QALは水の相変化による水蒸気の発生を表しており、これもサブモデルを用いて計算する必要があります。数値気象モデル開発とは、方程式を解くアルゴリズムの改良や、KmやQASなどを求めるサブモデルの改良をすることです。日下研究室では、都市が気象に及ぼす効果を高精度に知るために都市キャノピーモデルを開発し、都市街区内の気象を高精度に知るためにCity-LESを開発しています。

こんな人におすすめ!

メソ・微気象学の理解を深めたい人

 数値気象モデルの開発は方程式を解くだけだからと言って、決して数学や力学の知識だけで完結するものではありません。コードを書くとエラーが出たり、気象学的に非現実的な挙動をしてしまったりすることがありますが、それを実際の気象現象と照らし合わせながらデバッグをすると、いつの間にか気象学的な考え方や感覚が身に付いています。そこで身に付いた感覚は他の研究をする上でも役に立つでしょう。

数学や物理学が好きな人

 数値気象モデルの開発は、数学(線形代数、微分積分学)や物理学(力学、電磁気学)で学んだことを大いに用います。数学や物理学を用いて気象学に取り組みたい方には、日下研モデルチームがおすすめです。

モデルチームの活動

 モデルチームは、数値気象モデル開発やその改良を研究対象とする人の集まりです。基本的に一人一コード開発しています。チームでの活動は、教科書の輪読、バグが直らない人のコードを見る、コーディングルールの共有などです。

(文責:駒﨑 寛和・高畠 亮)