学術論文

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 日下研究室の学生の研究成果が発表された学術論文を掲載しています。
 (はおすすめ論文です。)

2024年

2023年










2022年











2021年


過去10年間に富山平野で発生したフェーン現象198事例の約81%が力学メカニズムで発生していることが分かりました。残り18%は力学と熱力学のメカニズムの混合型であることも分かりました。 教科書で良く見る純粋な熱力学メカニズムはわずか1%しかありませんでした。  東大の保坂直紀さんが東京大学海洋アライアンス連携研究機構のページでわかりやすく解説してくれています。(日下博幸)


気圧配置図を機械的に分類する際、どのような尺度が人間の分類をよく再現できるかを調査した論文。調査の結果、S1-score、Structrual similarityと呼ばれる類似度(距離尺度)が従来のユークリッド距離や相関係数より高精度に人間の主観的な分類を再現できる可能性があることを示した。(佐藤拓人)




暑熱順化を考慮した、熱中症搬送者数予測モデルを開発した。従来のモデルよりも予測誤差が半減した。修士研究の成果。(池田貴史)

2020年

本研究は自己組織化マップの改変したアゴリズム(S-SOM)を提案しました。S-SOMは、従来のSOMに比べて気圧配置パターン分類の精度が高いことが確認できました。今後, 気候研究分野での活用が期待されます。


温熱4要素を用いて、東京における熱中症患者搬送者数を予測する統計モデルを開発し、各要素の予測に対する寄与を調査した。予測に対しては、気温が最も寄与が大きく、湿度や風速は気温の10%程度しか寄与しない場合もあることがわかった。(佐藤拓人)

2019年

富山県砺波平野で吹く「井波風」は、日本の最大局地風(三大悪風)よりも強風であること、その吹走範囲は数km四方と非常に狭い、フェーンタイプのおろし風であることを、空間詳細な観測データと屋敷林調査によって明らかにした。小柳君の修論に追加解析の結果を入れ、大幅改訂して投稿した。(日下博幸)


上海では過去数十年間で霧の発生頻度が低下しているが、その原因が都市化によるヒートアイランドの増大であることを数値実験により明らかにした。Guさんの筑波大長期滞在中の成果。(日下博幸)


渋谷で気温やWBGTの観測を行い、日中の気温とWBGTは住宅地で高く、夜間は商業地で高くなることを明らかにした。また、その要因は住宅地と商業地の熱慣性の違いによることを数値実験により明らかにした。猪狩君の卒業研究と小久保さんの修士研究を発展させた。(日下博幸)


仙台周辺の1850年代と2000年代の土地利用データと排熱データを用いて、両時代のヒートアイランド強度を推定し、それぞれに対する土地利用と人工排熱の影響の違いを比較評価した。リディアさんの博士研究の成果。(日下博幸)


半盆地の風下の強風と谷の出口の強風(gap wind)は異なるメカニズムであることを発見した。博士研究の成果。(西暁史)


日本観測史上最高気温となった41.1℃(2018年7月23日、熊谷)と前々回の最高気温記録40.9℃をもたらしたフェーンは、同じタイプであったことを明らかにした。(西暁史・日下博幸)


空っ風を吹走時の気温変化で分類した論文。空っ風は必ずしもボラではない!(西暁史)


GPSゾンデ観測を関東平野内3か所で実施し、空っ風の3次元構造を明らかにした。博士論文の一部。(西暁史・日下博幸)


山脈が曲がっていると、直線の場合よりも山越え気流が降りやすくなること、それによって風下平野で強風が吹きやすくなることを数値実験によって示した。博士研究の成果。(西暁史)


2018年に新潟で発生した記録的な深夜の高温に対して,ヒートアイランドとフェーンが同程度に効いていた。(西暁史)


東京都市圏では、都心の風下で短時間強雨の発生頻度が高いことを統計的に明らかにした。さらには、その原因が都市化による海風前線の変形であることを243メンバーのアンサンブル感度実験により明らかにした。水成真由美さんの修士研究を引継ぎ発展させた。(日下博幸)


City-LESの大規模で高頻度な出力を用いて解析を行う際, 出力がボトルネックとなることを防ぐため、Burst bufferを利用し、かつ解析プログラムの入力パターンに工夫を施して、計算から解析までの全体のワークフローを最適化した。(佐藤拓人)

2018年

ベトナム国ホーチミン市を対象に、ヒートアイランドによる熱中症死亡者数を推定した。医学系の本田靖先生のグループとの共同研究の成果。(日下博幸)


愛媛県内で現在営業を続けている3つのスキー場を対象に、今後の温暖化による積雪量の変化に基づいてスキー滑走可能日数の試算を行なった研究です。結果、人工降雪機を導入すれば標高1000m以上のスキー場は現在とほぼ同じ営業日を確保できることなどが分かりました。 恥ずかしながら、この研究を始めるまで愛媛県にスキー場があることを知りませんでした。共同研究者として観光地理の専門家を迎え、四国のスキー場は四国のスキーヤーによって支えられている(ローカルニーズがある)など、普段気象学をやっているだけでは知り得なかった視点を得ることができました。(鈴木パーカー 明日香)


力学的ダウンスケーリング手法を用いて、ベトナム国ホーチミン市の2050年代の気候予測を行った。ドアン君の博士研究の成果。(日下博幸)


ブルガリア国ソフィア市を対象に、領域気候モデルと自然植生データ、現在の土地利用データを用いて、同地域の気候変化に対する土地利用変化の影響を評価した。リディアさんの博士研究の成果。(日下博幸)


佐藤拓人君の卒業研究に追加解析して論文にした。(日下博幸)

2017年

多治見猛暑観測プロジェクトの第3弾かつ総括的論文。オープンアクセス。(髙根雄也)

多治見が暑くなる理由を気候データから統計的に調査した。(日下博幸)


多治見猛暑観測プロジェクトの第4弾的論文。地表面加熱を伴うフェーンが多治見に高温をもたらしていることを裏付けた。(髙根雄也)

濃尾平野北西部の山岳を越えてきた風が,都市域を含む濃尾平野北部を風が吹走する際に地面から加熱されて暖められることで多治見は暑くなることが分かった。多治見の盆地効果は小さい。(日下博幸)


東京理科大仲吉先生のグループの研究成果。(日下博幸)

2016年

Okada et al. (2014, BLM)のポリエチレンチャンバーを使った実験結果の論文です。チャンバー内に挿入する葉に想定した黒紙の総面積を増やすことで、チャンバー内で生じる対流熱伝達が活発になり、チャンバー内を通る空気がより冷却されることが示されました。卒業後に執筆した論文ですが、働きながら論文を執筆する苦労を経験できました。(岡田牧)


過去20年間のホーチミン都市圏の発展が同地域の気温変化に与える影響を調査した。その結果、気温上昇量の約半分が都市化によるヒートアイランドの増大であることが明らかとなった。ドアン君の博士研究の成果。(日下博幸)


将来のホーチミン都市圏の発展による気温上昇量を数値シミュレーションによって評価した。今後の都市発展によって気温上昇は起こるが、WBGTはそれほど上昇しないことも分かった。ドアン君の博士研究の成果。(日下博幸)

2015年

D論の一部。メカニズムの異なる複数タイプのフェーンが同一イベントで混ざって発生していることを示した論文。(髙根雄也)

フェーンによる昇温時に,力学フェーンと熱力学フェーンの効果が同時に現れることがある。高根君の博士論文の一部。(日下博幸)


日本全国の霧の発生頻度マップを作製し、霧の発生頻度と地形や土地利用との関係を明らかにした。全国の霧の長期変動も調査し、都市域では霧の発生頻度が減少していることも明らかにした。秋本さんの修論をまとめ直したもの。(日下博幸)

2014年

過去の東京都市圏の発展が夏季の降水量、特に強雨を増加させたことをアンサンブル気候実験によって示した。都市と降水の関係を多数の数値実験によって統計的に示したのは世界で初めてであった。縄田さんの修士研究をベースに発展させた。この成果は、Oke先生ら(2017)の専門書「URBAN CLIMATES (CAMBRIDGE UNIVERSITY出版)」で紹介された。(日下博幸)


岐阜県多治見市で行った気温の独自観測の結果の1つです。市街地中心部の気温が郊外よりも高く、且つ熱帯夜日数も市街地の観測地点の方が多くなる結果が得られ、多治見市の気温分布に都市の影響が少なからず現れていることが分かりました。多治見市の猛暑研究の先駆けとして実施した観測でした。(岡田牧)


自分史上初の(ほぼ)リジェクトをもらった論文であり、内容と雑誌の相性(つまり投稿先)の大切さを学んだ思い出深い論文。(髙根雄也)

熊谷が暑くなる時の気象条件を統計的に調査した。高根君の博士論文の一部。(日下博幸)


都市の暑さを和らげるには、大きな公園を少し置けばいいのか?それとも小さな公園を沢山置けばいいのか?この問題に対して、放射ー対流の熱伝達の基礎理論でフォローを行うため、長波放射に対して透明なポリエチレンの特性を活用したチャンバー装置を開発した。装置に設置した温度計も全て自作というかなり手の込んだ実験装置でした。(岡田牧)


アメダスデータおよび愛知県・岐阜県の川の防災情報雨量データを用いて、濃尾平野周辺における強雨発生頻度の地理的特性を調査しました。平野部(特に都市)における強雨の発生要因を解明するための基礎調査として、特に、熱的局地循環が発達するような条件下での強雨に着目した解析を行いました。研究の成果を論文として、より伝わりやすい内容、文章に取りまとめる貴重な経験ができました。なお、この論文は、卒業論文の研究をもとに大幅に改訂した内容で構成しています。(久野勇太)

2013年

2010年から始まった多治見猛暑観測プロジェクトの第1弾的論文。多治見は暑かった…いや今も暑い。(髙根雄也)

多治見での暑さ観測の結果をまとめたもの。多治見プロジェクトの成果。(日下博幸)


全国的に荒天になると言われる気圧配置「二つ玉低気圧型」について、①並進タイプ、②日本海低気圧メインタイプ、③南岸低気圧メインタイプに分類して気候学的に研究しました。10年分の天気図から事例を抽出するのは大変でしたが、自分で決めたテーマなのでコツコツ取り組むことができました。また、二つ玉低気圧の特徴を的確に捉えるため、先生と議論しながら解析方法を工夫しました。論文にする際は、わかりやすい文章にまとめる大変さも学びました。(平田航)


卒論の内容をつくばでブラッシュアップした論文。当初は日本語の雑誌に投稿する予定であったが、頑張って英語化し投稿した。(髙根雄也)

大阪と京都が暑くなる日の総観場の状況と大気の流れを調査した。高根君の卒業研究を発展させたもの。(日下博幸)


黒球温度とは、熱中症の危険度を示す指標WBGTを構成する要素の1つで、この温度を得るには黒球が必要とされます。この黒球温度をアメダスから得られる要素のみで推定できるよう、黒球の熱収支を基にした推定式を開発しました。日下研観測班の先駆けのメンバーで協力しながら完成した論文です。(岡田牧)


Okada and Kusaka (2013)で開発された黒球温度推定式のパラメータは、公園緑地の観測データを使用して最適化されました。この推定式の適用範囲に汎用性を持たせるため、環境省の公開する全国主要4都市における黒球温度の観測データをもとに、Okada and Kusaka (2013)の黒球温度推定式の再チューニングを実施しました。この論文のお陰で、独自の黒球温度推定式の使う機会が広がりました。(岡田牧)


本研究室における生気象研究の第一弾。飯島さんの希望で健康気象の研究が始まった。飯島さんの卒業研究の成果がベースとなった論文。(日下博幸)


ヒートアイランド現象が顕著に現れる冬の夜間・早朝に、代々木公園・明治神宮の内外で気温の移動観測を行いました。結果、緑地内外で最大3℃程度の気温差が観測されました。この時、公園内で観測した気温の鉛直分布では明瞭な安定層も見られました。野外実習という沢山の人出があったお陰で得られた成果だったと思います。(岡田牧)

2012年

つくば市のヒートアイランド観測論文の第二報。(日下博幸)


スパコンを使ったダウンスケーリングの論文。博士課程在籍時に精神的安定をもたらしてくれたありがたい論文。図3がお気に入り。(髙根雄也)

三大都市圏の気温の将来予測の結果。Kusaka et al. (2012)のサイドストーリー。(日下博幸)


名古屋の将来気候予測。名古屋大学飯塚先生との共同研究の成果。黒木さんは筑波大に長期滞在しWRFを勉強した。金原君の論文の続編でもある。(日下博幸)


日本の三大都市圏を対象とした将来気候予測実験の結果をまとめたもの。2070年代は、過去最大の猛暑年と同程度の暑さになると推定。本格的な都市気候の将来予測論文としては、世界でも最初の一つ。(日下博幸)

2011


2010






2009年