風チーム

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 山岳に吹く風は、地形の影響を受けて曲げられたり加速したりして、おろし風やギャップ風などの局地風として吹くことがあります。局地風は、地域によっては「○○おろし」「○○だし」などと名付けられ、親しまれたり恐れられたりしています。また、曲げられた風同士がぶつかって、局地的な収束線が発生することもあります。局地的な収束線は、冬晴れ予報の関東地方に曇天をもたらすなど天気予報を外す大きな原因の一つです。しかし、局地風や収束線がいつどのような条件、どのような仕組みで吹いているか、詳細がわかっていないものも多いです。

 風チームでは、秋田県で吹く生保内だし、滋賀県で吹く比良おろし、兵庫県で吹く六甲おろしなど、全国に存在する局地風の気候学的特徴や吹く条件、吹く仕組みを研究しています。最近では、地形の影響で発生する収束線の気候学的特徴や発生メカニズムについても研究しています。研究方法は、既存の観測データの統計解析やWRFなどの気象モデルを用いたシミュレーション、現地観測など多種多様です。加えて、住民が局地風をどう感じているか知るために、現地でアンケート調査や聞き取り調査を実施することもあります。

 風研究の魅力は、研究を通して地域の方とつながりをもったり社会貢献の視点を養えることです。局地風に興味のある方、自分の地元の天気を研究したい方、複数の手法で研究したい方、私たちと一緒に研究しませんか。

日本の局地風(日本気候百科を一部改変)
研究したことがある、あるいは研究中の局地風を赤線で囲んでいます

風チームの活動

輪読する教科書の例

文責:風チームリーダー 工藤 達貴