WRF班 

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 WRFWeather Research and Forecasting  model)は世界でも最も使用されている領域気象モデルです。WRFの使用用途は、気候計算、理想化実験、過去に発生した大気現象の再現実験、数値予報など多岐にわたります。

 日下先生はWRFの開発チームに公式に参加した(都市キャノピーモデルの開発を担当)唯一の日本人であり、日下研究室が保有するWRFの知識・技術は日本トップレベルです。WRFに関する深い知識・高い技術は日下研の大きな特徴であると言えるでしょう。

活動内容

 日下研WRF班では、WRFに関連した新しい技術の開発・導入(例えば、WRFの改良や解析ツールの作成・導入)やそれらのマニュアル整備はもちろん、初心者への技術指導にも力を入れています。WRFのWも知らない初心者も卒業時には立派なエキスパートになれることでしょう。WRF班では上記の活動に加えて、在籍メンバーの要望に沿った様々な活動(勉強会など)も行っています。

WRFの改良の一例

 従来のWRFでは、都市率(緑被率の逆数)と人工排熱を2次元分布で与えてシミュレーションすることができませんでしたが、日下研究室では、WRFを改良することで都市率と人工排熱を2次元分布に与えられるようにし、より詳細に都市の効果を評価することができるようにしました。

ベトナム ハノイの都市率と人工排熱マップ。WRFを改良して2次元分布で与えられるようにした。
Doan et al. (2019, Sustainable Cities and Society)より一部加筆

新しい解析ツールの導入・開発

 日下研究室は、最新の解析ツールなどを積極的に取り入れています。NCARが公開している「Vapor」というソフトウェアを使って、WRFのシミュレーション結果を解析することで、3Dで風の流れを明らかにすることができます。

解析ツールVaporを使った白穂発生時の庄内平野の後方流跡線.(左:空気塊の高度,右:空気塊の温位)
Asano and Kusaka (2021, Met. Apps.)より一部改変

 このように、WRFをただ使うだけではなく、ソースコードを改良してより現象を正しく再現したり、解析ツールを駆使して現象の特徴やメカニズムを正しく理解するために、様々な工夫や努力をしています。

 WRFを活用して数値実験、数値予報、気候計算などしてみたい、WRFをより高度に活用してみたい皆様、ぜひ日下研究室WRF班へ!!

(文責:WRF班 班長 鈴木 信康)