生活支援サービスを「良く」提供するために・利用するために
一緒に考えましょう
地域で安心して暮らしていくために、「お互い様」の精神で支え合うことが大切だと言われています。
「支える」「支援する」というとき、それはどうすれば「良い」支援(サービス)となるのでしょう?
…一体「良い」サービスとは、どのようなサービスなのでしょう?
…そして「良い」サービスを受けるには、どのように依頼すればいいのでしょう?
私たちはサービスを提供する側になることも、利用する側になることもありますから、どちらの立場であっても「良い」サービスについて考えておくことが大切ですね。
◆日 時: 10月21日(土)13:30~16:30
◆場 所: 上尾市谷津公民館(上尾市谷津2-3-23)
◆内 容:
千葉商科大学の齋藤香里先生より「良いサービス(支援)とは」というテーマでお話頂きました。サービスの質を考えるために、先生が最初に示された例題。
<例題>
高級老人ホームに入居するAさん(要介護2、健康状態良好、歩行に問題なし)が水を飲みたくなり、呼び出しボタンでスタッフを呼び「冷蔵庫から水を取って」とお願いしました。
…呼び出されたあなたはどうしますか?
先生からはサービス産業のサービスと、福祉のサービスは異なる点があるという指摘がなされ、例題について「冷蔵庫から自分で水を取れるのであれば、自分でとっていただく、そしてそのプロセスを見守る」という回答が示されました。
また、人を助けるということは「相手のイニシアティブや自律性を尊重しつつ、相手がうまく問題解決をするプロセスを支えること」、「一緒に考えること」が重要であることが示されました。
また養老孟子氏の著作『バカの壁』を紹介しながら、自分の価値観(=壁)の中だけで他者を理解することはできないこと、壁を壊して他者に共感する柔軟性が重要だと指摘されました。
講演会参加者のみなさまもグループに分かれて「良い支援とは?」について議論しました。それぞれのご経験を交えながらお話しされ、唯一絶対の答えはないこと、ゆえに支援を行う人と依頼する人のコミュニケーションが大切であると認識しました。
ティータイムをはさみ、デイサービス「和が家」代表の直井先生より、ゲームを交えながら、認知症を理解するためのお話を頂きました。
最初に「後出しじゃんけん」をしました。すると後出しで勝つことは容易でも、負けることは意外に難しいことに気づきました。
そして直井先生は「人はできることをすることで安心できる」と指摘されました。
また昨日何を食べたか忘れてしまう(行為の一部を忘れる)のは物忘れであり、食べたこと自体を忘れてしまうこと(行為そのものを忘れる、覚えられなくなる)のが認知症であるというように説明下さいました。
人は行為するために、記憶を活用しながらものを認識したり行動計画を立てたりしているが、認知症になるとこのプロセスがうまくいかなくなるというメカニズムも説明くださいました。
認知症の人が何もわからなくなるわけではない、ということが理解できると、分かることに沿って環境を整えることの重要性も理解できます。
環境を整えるという支援は、「役割をもってもらうこと」「できることはどんどんしてもらうこと」という支え方であると指摘されました。
そして和が家で実際に行っている脳トレゲームをみんなで体験しました。