「こんな活動があれば安心ね」
「困った!」と「任せて!」をつなげるまごころサービス
講座&サロン
「足をケガしてしまったので、代わりに犬の散歩に行ってもらえないかしら・・・」
「車いすで買い物に行きたいのだけど、買い物かごをもって同行してもらえないかしら・・・」
・・・暮らしの中でのこんな「困った!」を、地域の中で、できるときにできることをしながら助け合う・支え合う活動「まごころサービス」を始めています。助けたり、助けられたりを大切にしています。
一緒に学び、サロンで楽しみながら活動をご一緒しましょう!
■第1回講座&サロン開催
・日 時: 2016年9月24日(土)14:00~16:00
・場 所: 上尾市コミュニティセンター
・内 容:
聖学院大学人間福祉学部の長谷部雅美先生より、地域包括ケアシステムについてお話いただきました。
<お話のポイント>
・少子高齢化が進み生産年齢人口が減っていく中、介護サービス提供者が不足し、サービスを受けられない人が増えてしまう見込みであること。
・これを解決するために、さまざまな介護・医療・福祉・生活支援のサービスを中学校区程度の生活圏の中で利用できるような地域体制=「地域包括ケアシステム」をつくることが目指されていること。
・医療・介護・福祉の専門サービスの適切な提供のためには、介護予防・生活支援をさまざまな人々が提供しあうことが重要であること。
長谷部先生のお話をうけて、参加された皆様がグループに分かれて意見交換を行いました。
<意見交換後のコメント>
・何かあった時に助ける/頼めるようになるには、まずイベントなどへ参加して、人間関係づくり・絆づくりをしていくことが大切。
・助けが必要になってからでは遅いので、元気なうちから絆づくりをしていくこと。
・助けたり/助けられたりの関係づくりには、ほどよい距離感も必要。今日の参加者の中には既に支援者として活躍している仲間もいるので、例えば同じマンションの住民同士では頼みにくい場合、少し離れたマンションに住む仲間にお願いするなども必要。
休憩をとった後には、いきいきクラブ弥生会会長の福成キミヨさんのご指導のもと、自律神経を整える体操や、京都弁・東北弁でのラジオ体操を行いました!
みなさまリラックスした雰囲気でゆったりと体をほぐしておられ、津軽弁でのラジオ体操になるとあちこちで笑いが起きていました。
軽快な音楽をかけながら、あえて歩くのよりも遅いスピードでジョギングをしました。
笑顔で自由な動きをして、おしゃべりして・・・楽しいひと時になりました。「お写真を撮らせていただきたい」とカメラを構えた際の素敵なショット♪です。
■第2回講座&サロン開催
・日 時: 2016年10月22日(土)14:00~16:00
・場 所: 上尾市谷津公民館
・内 容:
<お話のポイント>
・少子高齢化が進み生産年齢人口の割合が減っている。上尾市の高齢化率は全国でも指折りのレベルである。
・現在の制度では、激増する75歳以上の高齢者を支えきれない。
・今後は地域の主体的な取り組みが求められている。
上尾中央医科グループAMG地域健康推進研究所所長の前園先生より地域包括ケアにおける住民の役割についてお話いただきました。
前園先生のお話をうけて、参加された皆様がグループに分かれて意見交換を行いました。
<意見交換後のコメント>
・市民も意識高く、介護予防の様々なメニューを実施しているが、男性の参加率が極めて低い。どのように参画いただくか要検討。
・皆が危機意識を持つことが大切。市民の取り組みを自治体が支える「国策」として総合事業は設計・推進されている。
休憩後には、上尾ラフターヨガ代表の加藤ふみ氏より、笑いの効用についてのお話がありました。
そして加藤氏のご指導のもと、「稲刈り」「満員電車」「海藻」など、さまざまな動きと笑い!を体験しました。
ラフターヨガが終わる頃は、体はぽかぽか、汗ばむほどでした。
体を温めた後には、ゆっくり深呼吸しながら体をほぐす体操を行いました。
参加者の方から、「ラフターヨガは介護予防としても、友人作りとしても良いですね」というコメントがありました。
■第3回講座&サロン開催
・日 時: 2016年12月3日(土)14:00~16:00
・場 所: 上尾市市民活動支援センター
・内 容:
NPO法人生活支援グループふくふく代表の五味美弥子氏より、「地域活動の現場から」というテーマでお話いただきました。
団体立ち上げの経緯、活動の目的、現状や課題など、10数年にわたる活動実績をもとにしたお話に、参加者のみなさまは食い入るように聞き入っておられました。
<お話のポイント>
・2000年に介護保険制度がスタートした際、この制度からこぼれ落ちるニーズへの対応が必要だと判断。市民活動として経営的に自立運営できるような有償サービスを模索してきた。「心意気はボランティア、支援活動はプロ」を目指してきた。
・介護に限らず生活支援全般において、依頼は断らない姿勢で対応している。現在の体制としてはスタッフ16人で、依頼を断ることなく回せている。
・活動は楽しく実施できることが大切。月1回の頻度で定例会を実施。具体的な支援ケースをもとに、どのような対応が望ましいかをメンバー間で検討し、サービスの質の向上を図っている。また料理教室などを開催しメンバー間の親睦を図っている。
・活動開始から10年以上たって、このような生活支援サービスが評価されるようになってきた。時代が追い付いてきたと感じている。
ご講演後には、到底2時間という時間では足りないほど、非常に活発な質疑応答、意見交換が行われました。
参加者の中には、介護事業を実施しておられる方、市民活動として生活支援サービスを提供している方/今後提供予定の方、こうした活動に関心をお持ちの方がおられ、それぞれの見地から多様な質問がなされました。
<質疑応答の主な内容>
Q.活動を進めて来られた中で、対応が難しいケースはなかったか?またそのようなケースのためにどのような対策を講じているか?
A.サービス提供にあたっては、お客様と契約を交わすとともに、保険に加入している。また支援内容によって、複数人で訪問するようにするなど、体制強化を図っている。幸い、これまでのところ大きなトラブルもクレームもなくやってこれた。
Q.こうした生活支援サービスを受ける利用者の意識はどのようなものか?やってもらって当たり前になっていないか?
A.多種多様。介護保険制度が目指しているように、利用者の自立が本来の目的なので、出来るだけ手を出さないように「待つ」ことが重要だが、待ちきれずに手を出してしまうケースもある。
Q.こうしたサービスの担い手を増やしていくことが必要だが、どうすれば多く獲得できるだろうか?
A.難しい。個別に粘り強く声掛けしていくことが重要。かつてはチラシをもって地域の住宅を全戸訪問したこともあった。