平成27年度「上尾市地域包括ケアシステム推進事業」
取手市&柏市における支え合いのまちづくり・長寿社会づくりの拠点
視察研修ツアーを実施しました!
昨年10月より開始いたしました「まごころサービス」を今後さらに推進していくにあたり、本サービスの目的・内容に共感くださる会員「志縁者」のみなさま、ケアの専門家、関心をお持ちのみなさま、学生たちとともに、視察研修ツアーに出かけてまいりました。
市民が地域で安心して暮らし続けていくため/地域福祉の担い手として活躍するため、高齢者から子どもたちまでを対象に支えあいのまちづくり・長寿社会づくりに取り組んでいる取手市および柏市の取り組みについて、お話を伺いました。
<視察研修ツアー実施概要>
●日 時: 2015年10月24日(土) 8:00~17:00
●交 通: 上尾市役所の大型バス
●参加費: 無料。ただし出先での昼食代実費として2,000円/人 以内
●後 援: 上尾市(上尾市地域包括ケアシステム推進事業)
●研修先:
(1)取手市 井野団地 地域の支え合いと憩いの拠点「TAPPINO」(市民・東京芸術大学・取手市役所が組織する
取手アートプロジェクト実行委員会が設立した活動拠点)
取手アートプロジェクト実施本部事務局長・理事 羽原康恵氏より、高齢化と人口減少が進む井野団地において
コミュニティ形成や地域の新たな価値創出をめざして進められている、多世代・多主体参加プロジェクトの説明が
行われた。
1999年に取手アートプロジェクトがスタート。毎年秋に3週間程度の会期を設けイベントを開催してきたが、2010年
に活動形態を転換。単発イベントではなく、生活の中に息づくまちづくりとしてプロジェクトを実施していくこととした。
主な具体的活動内容は下記のとおり:
・多世代交流拠点「いこいーの+TAPPINO」の運営
コミュニティカフェおよびアートスペースの運営。取手市の福祉高齢施策として見守り機能をもつが、対象は高齢者
だけでなく子どもも含まれる。そのため多世代が交流できるようになっているほか、カフェのボランティアが地域芸術
文化事業の担い手になるなど、個人のかかわり方にも発展的変化が生まれている。
一方で、時間の経過にともないボランティアの高齢化もすすみ、新たな担い手も必要になっている。
・とくい(得意・特異)の銀行
人のとくい(得意・特異)なこと(例:留守番します、肩もみします、話聞きます、下手なバイオリン弾きます・・・など)
を預かり、引き出せる銀行の運営。得意なこととしては、「タダで誰かのためにやってもいいこと」シリーズと定めて
おり、謝金支払いはなし、実費のみ精算としている。地域住民が「銀行員」を務めており、平均して月に1回程度、
引き出しおよびマッチングが行われている。貯金ならぬとくいなことを預けた=ちょとくした人しか引き出しはできない
こととしており、地域内の互助機能、コミュニケーション促進機能をもつ。
・サンセルフホテル―団地の空き部屋に太陽の光で泊まる
団地の空き部屋を活用し、太陽光を電気に変えて宿泊するというもの。エアコンがない部屋であるため、春と秋の
年に2回実施。公募に応募された希望者の中から宿泊者を選出し、地域住民が2か月かけて宿泊準備をして
宿泊者を迎えるという。ホテルマンは4歳から70代までの地域住民25人程度が務め、それぞれがシェフ、ルーム
サービス、コンシェルジェなどの役割をもち、コミュニケーションを重ねながら創意工夫を凝らすという。
こうした各種プロジェクトを、行政・民生委員・自治組織・企業・教育機関などのマルチステイクホルダーが協働して
進めているとのこと。プロジェクトごとにステイクホルダーが少しづつ異なるという。
今後、活動基盤の安定化を目指して収益をうむ事業のトライアルが必要であるほか、事務局スタッフが働き続けら
れる環境づくりを進めていかねばならないことなどが課題として示された。
(2)柏市 ららぽーと柏の葉北館3階 まちの健康研究所「あ・し・た」(東京大学・企業・柏市の協力のもと、ららぽーと
柏の葉北館3階に設置・運営)
柏市 柏の葉 アーバンデザインセンター 稲村規子氏より、健康寿命を延ばす事を目的とした、健康づくり拠点の
説明が行われた。
場所の名前になっている「あ・し・た」は「歩く」「しゃべる」「食べる」の頭文字からとったもの。東京大学と協働して
いる34社のうち、11社がブースを出展している。地域住民が運営スタッフを担っており、訪れる人々が子どもから
大人まで楽しみながら健康づくりについて考え体験できるように場づくりをしている。
研修参加者は、説明を伺った後、各ブースで思い思いに健康づくり体験をしていた。
井野団地の一角の様子。手前右にあるのがTAPPINOです。
いこいーの+TAPPINOにお邪魔しました。
手づくり感がやさしい「とくいの銀行」ATMです。
羽原氏による講演。
講演後は、とても時間内では終わり切らないほどの活発な質疑応答が行われました。
講演の会場となったのは、井野団地内にある集会所でした。
道の駅「しょうなん」内にあるレストラン「ヴィアッジオ」にてランチを頂きました。
ご丁寧に分かりやすくご説明いただきました。
概要説明の後、いよいよ体験タイムです。
杖を使う方にとってもj負担なく安全に歩けるというポールウォーキングについてお話を伺います。
みなさま、自分の健康度合いのチェックに余念がありません(笑)
ベンチャー育成を目的として作られた広大なオフィススペース「KOIL」も拝見しました。