ミキサーとエフェクトについて

ステレオインストルメントの出力は、最大で4つのインサートエフェクトを適用可能な、各インストルメント固有の、ミキサーの入力チャンネルに流れていきます。これらのエフェクトが適用された後、そのボリュームはフェーダーと呼ばれる垂直のスライダーによって調整されます。インサートエフェクトはボリューム調整の前に適用されるため、プリフェーダー(フェーダーの前の)インサートエフェクトと呼ばれます。

その後、すべての入力は3つの異なるチャンネル(バス)へとミックスされます。

最初のバスは、メイン出力へと直接向かいます。これはドライ(エフェクトの適用されない)ミックスまたはメイン出力バスと呼ばれます。

残 り2つのバスを流れる信号は、最終的にメイン出力とミックス(またはメイン出力へ戻る)される前に、グローバル・センド/リターンエフェクトと呼ばれる2 つの特別なエフェクト接続を流れていきます。2つのエフェクトは、1つはリバーブエフェクト、もう1つはディレイエフェクトが初期設定されていますが、イ ンサートエフェクトの入力と同じく、変更が可能です。センド/リターンエフェクトは、複数の入力に対し、(インサートエフェクトと異なり)同じエフェクトを適用できるため、特にリバーブやディレイで効果を発揮します。

ここで用いているオーディオ専門用語が理解できなくても、心配することはありません。 インストルメントのボリュームをスライダーで操作すると、エフェクトが適用されるのだということがわかっていれば十分です。

センドノブの場所は?

ミ キサーの操作に慣れた方なら、各チャンネルにあるはずのセンドノブがどこにあるのか不思議に思われることでしょう。NanoStudioでは、センド量は ミキサーではなく、インストルメント側で決定するようになっています。これにより、各シンセのプリセットで、そのセンド量を調整することが可能です。

VUメーターを使う

入力チャンネル上のVUメーターは、各インストルメントからミキサーに送られてくる信号のレベルを表しています。

出力チャンネル上のVUメーターは、最終出力ミックスのレベルを表しています。

出力が歪むのをさけるため、出力メーターが赤い領域へ頻繁に達しないよう、注意しなければなりません。あまりにもピークに達することが多い場合は、出力レベルや、すべての入力レベルを下げることで対応できます。

最もよいのは、出力信号のピークが、ごくまれに赤い領域に達するようにすることです。 これによって十分高い音量を得ることができ、なおかつ信号がわずかに時折歪んでしまうことを避けられます。

注 意:WAVファイルへの最終ミックスダウン後、(訳注:信号に歪んでいる可能性があると判断された場合)NanoStudioは、信号の歪みを許容しない ようにするかどうか警告してきます。この警告が表示されたら、出力フェーダーを下げ、再度ミックスダウンしてみてください。

入力のVUメーターが赤い領域に達しても大丈夫な理由

NanoStudioは、実質無制限のダイナミックレンジを持つ、32ビット浮動小数点シグナルパスを内部で用いています。

一方、iOS機器の出力ハードウェアは16ビット整数処理を用いているので、きわめて容易に歪んでしまうのです。