デッキのダウンロード方法

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Flashcards Deluxeもバージョンアップを重ね、自作デッキのダウンロードに多くの方法が選択できるようになりました。メディアファイルを使わないちょっとしたデッキであればiTunes経由が最も楽でしょうし、Google ドキュメントと連携すれば、作成したスプレッドシートのデッキデータをすぐにダウンロードできます。またDropboxとの連携ではほぼ完璧なクラウド型の体制が整います。

本項ではそれらの方法との比較を交えつつ、現在では手軽さという点でメリットが少なくなってきたと思われる、WiFiで直接パソコンと接続してデッキをダウンロードする方法について解説します。

はじめに

Flashcards Deluxeではさまざまな方法でデッキのダウンロードが可能になっています。

Flashcards Deluxeを使うにあたって検討が必要となるのは、パソコンで作成したオリジナルのデッキデータを、どのように自分のiOS機器とやりとりするか、という点だと思います。完全にiOS機器単体で作成・利用する場合を除き、自作デッキデータのダウンロードには現時点で次の6つの方法があります(Quizlet.comまたはFlashcardExchange.comに自作デッキをアップロードした場合を除きます)。

    1. パソコンで作成したデッキデータを作者ホームページOrangeOrApple.comの「Upload」ページにアップロードし、iOS機器でそのデータをダウンロードする。この方法の説明はこちらこちらにあります。参考にしてください。

    2. iOS機器をパソコンとUSB接続し、iTunesの共有機能を利用してダウンロードする。方法についてはこちらをご覧ください。。

    3. Google ドキュメントでデッキを作成し、ダウンロードする。方法についてはこちらをご覧ください。

  1. Dropboxの自分のディレクトリにデッキデータを配置し、ダウンロードする。方法についてはこちらをご覧ください。

  2. パソコンで作成したデッキデータを自分のWebサーバに配置し、iOS機器でそのデータをダウンロードする

  3. Windowsなら仮想サーバソフト、MacならOS搭載のWeb共有機能を使って一時的に自分のパソコンをHTMLサーバ化し、パソコンで作成したデッキデータを任意のディレクトリに配置後、iOS機器でそのデータをダウンロードする。※ここで詳しく紹介する方法です。

それぞれの方法について、私の思うところを述べます。

1.OrangeOrApple.comの「Upload」ページにアップロード

長所:WiFi環境さえ整っていれば、ページアクセス以外に何も用意する必要がない

短所:サーバはブラックボックス的、時間が経つと消去される、あくまで一時的な保管場所

2.iTunesの共有機能を利用してダウンロード

長所:USBで接続するだけ、セキュリティに強い

短所:メディアファイルが扱えない、デッキデータのエクスポートに対応していない

3.Google ドキュメントでデッキを作成し、ダウンロード

長所:スプレッドシートで直接デッキを作成・保存、メディアファイルもインポート可能

短所:セキュリティやサービスの継続に不安、メンテナンスの影響を受ける恐れあり、エクスポートはテキストデータのみ

4.Dropboxの自分のディレクトリにデッキデータを配置し、ダウンロード

長所:インポート・エクスポート完全対応、パソコンとの同期も容易で二重バックアップとなる

短所:セキュリティやサービスの継続に不安、メンテナンスの影響を受ける恐れあり

5.パソコンで作成したデッキデータを自分のWebサーバに配置し、ダウンロード

長所:ストレージ残容量を気にしなくてよい、セキュリティに強い

短所:一般に設置・導入にあたって敷居が高い、故障した場合は致命的ダメージとなる恐れ

6.一時的に自分のパソコンをHTMLサーバ化し、ダウンロード

長所:大げさにサーバを立てる必要がない、セキュリティに強い、大容量のデッキが扱える

短所:導入方法が複雑、パソコンが故障した場合は致命的ダメージとなる恐れ

以上の点を踏まえて、ここでは6番の「一時的に自分のパソコンをHTMLサーバ化し、ダウンロード」する方法について説明させていただきます。個人的にはいったん導入に成功すれば、現在最も優れたデッキの転送方法だと私は思っています。自分のあずかり知らぬところにあるサーバにデッキデータを配置する必要もなく、ケーブルの接続に煩わされることもないからです。

※私は現在稼動できるMacを所有していないので、Macを使った方法の説明ができませんが、概念的には同様で、Macの場合はOS標準のWeb共有機能を使って操作します。また作者のホームページからのMacによる該当部分を翻訳してこちらに掲載していますので、参考にしてください。

BlackJumboDogについて

使用するソフトは「サッポロワークス」様が無料で提供されているイントラネット用の簡易サーバソフトBlackJumboDog です。Windowsユーザーの場合、このソフトのおかげで簡単にデッキデータのやりとりができるようになります。この場を借りてサッポロワークス様に深く感謝いたします。

以下がBlackJumboDogを使ったデッキダウンロード手順です。最初にパソコンがネットに接続され、iPhone/iPod touchもWiFiがONでWeb閲覧や電子メール受信などができる状態にしておきます。「test.txt」という名前のデッキをダウンロードすると仮定します。

また現在BlackJumboDogは、Ver5.x系に移行すべく開発が進められています。その後、Ver.4.x系は配布が終了されるそうなので、 Ver5.x系を使った場合の解説を追加しました。基本的な使い方は同じなのですが、Ver5.x系とVer.4.2.3では設定が異なる部分がいくつか あるため、Ver5.x系に移行する際には注意が必要です。

BlackJumboDogの入手

Ver4.2.3

こちらのページから2008/12/18 フルセット版 bjd-4.2.3.lzh 1,217Kbyteをダウンロードします。

Ver5.x(2011年5月22日現在、最新版は Ver5.1.7、ファイル名:bjd-5.1.7.lzh)

こちらのページにある「実行ファイル」から最新版をダウンロードします。先にページ内の「必要な.NET Frameworkランタイムの確認」などの項目に目を通しておくと、後の作業が楽だと思います。

BlackJumboDogのインストール

Ver4.2.3

解凍後にできた「bjd-4.2.3」というフォルダを開き、その中のSETUP.EXEをダブルクリックするとインストールが開始されます。

Ver5.x

ダウンロードしたファイルを解凍すると「bin」というフォルダが作成されます(ベータ版はインストーラー形式ではありません)。その中の「BJD.exe」という実行ファイルがBlackJumboDog本体です。

BlackJumboDogの設定

Ver4.2.3の場合

(Ver5.x系の場合の設定はこちら

インストール後、ショートカットが開くので、ダブ ルクリックして起動します(または、スタートメニュー>プログラム> BlackJumboDogの順に開きBlackJumboDog を起動します。デスク トップなど、使いやすい場所にショートカットを作っておくと次回から便利です)。すると次のような画面が表示されます。

「設定」メニューからWebサーバ>仮想ホストの順に開きます。「仮想Web設定ダイアログ」が表示されます。「名前(表示用)」となっている部分に、自分のパソコンのIPアドレスを入力します。自分のパソコンのIPア ドレスが不明な場合:次のようにして確認します。まずスタートメニュー>「ファイル名を指定して実行」から、「cmd」と入力して「コマンドプロンプト」を立ち上げます。

コマンドプロンプトが立ち上がったら「ipconfig」と入力しEnterキーを押します。

すると上のように表示されると思います。このうち、「IP Address」と書かれた項目の数字がBlackJumboDogに登録に必要となります。この画面では「192.168.1.5」ですが、これはお使いの環境によって異なってくるので注意してください。

IPアドレス(以降は例として192.168.1.5を使います)を入力したら「追加」ボタンを押して登録します。画面は次のようになるはずです。

「OK」を押すと「スレッド初期化中です。しばらくお待ちください」のダイアログが現れます(注意:ここで総合セキュリティソフトやファイヤーウォールソフトが反応して通信を許可してよいか訊ねてくると思いますので、許可してください)。 再び、設定メニュー>Webサーバと開くと今度は「[HTTP]192.168.1.5」という項目が追加されているはずです。それを選び、表示される「Webサーバ設定ダイアログ」の「Webサーバを使用する」にチェックを入れます。すると設定項目が表示されます。ここで重要となる のは「ドキュメントのルートディレクトリ」の項目です。ここで選択したディレクトリ(フォルダ)からWebサーバのディレクトリとなります。ここではCドライブの直下(マイドキュメントの中ではない)に「Users」というフォルダを作り、その中にデッキデータを置くことにします(フォルダ名は任意で付けられます)。「ドキュメントのルート ディレクトリ」の横にある「参照」ボタンを押すとディレクトリ選択画面が表示されるので、作成した「Users」フォルダを選択して「OK」を押します。設定画面に戻ると、ディレクトリの位置として以下のように「c:\users」が表示されているはずです。

「OK」を押して設定を完了します。「ス レッド初期化中です。しばらくお待ちください」が再び表示されます。BlackJumboDogの設定としてはここまでで、他は変更する必要がありません。

  • 設定がうまくいっているか簡単に 確認する方法として次の方法があります。まずWebサーバ設定ダイアログの「ディレクトリの一覧を表示する」にチェックを入れ、「OK」を押します。スレッドが初期化されたところで、インターネットエクスプローラーなどのWebブラウザを立ち上げ、そのアドレスバーに設定したIPアドレスを入力しEnterキーを押します。そこで

Index of /

Parent Directory

<DIR>

-

From server at: BlackJumboDog

Running: HTTP/1.1

と表示されればWebサーバが立ち上がっていますので、設定は成功です。

表示されない場合は設定をもう一度確認しなおしてみてください。「ディレクトリ の一覧を表示する」のチェックはそのままにしておいても通常は問題ないと思います。余談ですが、iPhone/iPod touchのアプリの中にはFlashcards Deluxeと同様、このBlackJumboDogを使うことでデータのやりとりが楽になるソフトがいくつかあるので、「ディレクトリの一覧を 表示する」にチェックを入れておいたほうが都合が良い場合があります。

次は「デッキデータの配置」です。

Ver5.xの場合

実行ファイル「BJD.exe」をダブルクリックして起動します(デスクトップなど、使いやすい場所にショートカットを作っておくと次回から便利です)。すると次のような画面が表示されます。

「オプション」メニューからWebサーバ>Webの追加と削除の順に開きます。「Webの追加と削除」ダイアログが表示されます。「ホスト名」となっている部分に、自分のパソコンのIPアドレスを入力します。自分のパソコンのIPアドレスが不明な場合:次のようにして確認します。まずスタートメニュー>「ファイル名を指定して実行」から、「cmd」と入力して「コマンドプロンプト」を立ち上げます。

コマンドプロンプトが立ち上がったら「ipconfig」と入力しEnterキーを押します。

すると上のように表示されると思います。このうち、「IP Address」と書かれた項目の数字がBlackJumboDogに登録に必要となります。この画面では「192.168.1.5」ですが、これはお使いの環境によって異なってくるので注意してください。

IPアドレス(以降は例として192.168.1.5を使います)を入力したら「追加」ボタンを押して登録します。画面は次のようになるはずです。

「OK」を押して確定します。

再び、オプション>Webサーバと開くと今度は「[HTTP]192.168.1.5」という項目が追加されているはずです。それを選び、表示される「Webサーバ設定ダイアログ」の「Webサーバを使用する」にチェックを入れます。すると以下の画面のような設定項目が表示されます。

ここで 重要となるのは「ドキュメントのルートディレクトリ」の項目です。ここで選択したディレクトリ(フォルダ)からWebサーバのディレクトリとなります。こ こではCドライブの直下(マイドキュメントの中ではない)に「Users」というフォルダを作り、その中にデッキデータを置くことにします(フォルダ名は 任意で付けられます)。「ドキュメントのルートディレクトリ」の横にある「参照」ボタンを押すとディレクトリ選択画面が表示されるので、作成した 「Users」フォルダを選択して「OK」を押します。設定画面に戻ると、ディレクトリの位置として「c:\users」が表示されているはずです。

<Ver.4.2.3からVer5.x系で変更になった点(私が気づいた範囲で)>

隠し属性のファイルへのリクエストを禁止する>隠し属性ファイルへリクエストを許可する

URLに..が含まれるリクエストを禁止する>URLに..が含まれるリクエストを許可する

続いてタブメニューの右端にある右の移動ボタンをクリックして「ACL」というタブメニューを選択します。一番上の「指定したアドレスからのアクセスのみを」で「禁止する」を選びます(ここがVer4.2.3と大きく異なる部分です。この設定を行わないとアクセスできないので忘れずに設定してください)。

OKを押すと以下のような画面が表示され、サーバが起動します。

(注意:ここで総合セキュリティソフトやファイヤーウォールソフトが反応して通信を許可してよいか訊ねてくると思いますので、許可してください)。

「基本設定」タブにある「ディレクトリの一覧を表示する」にチェックが入っていれば、次の要領でサーバが問題なく立ち上がっているか確認できます。

インターネットエクスプローラーなどのWebブラウザを立ち上げ、そのアドレスバーに設定したIPアドレスを入力しEnterキーを押します。そこで

Index of /

Parent Directory

<DIR>

-

From server at: BlackJumboDog

Running: HTTP/1.1

と表示されればWebサーバが立ち上がっていますので、設定は成功です。

表示されない場合は設定をもう一度確認しなおしてみてください。「ディレクトリ の一覧を表示する」のチェックはそのままにしておいても通常は問題ないと思います。余談ですが、iPhone/iPod touchのアプリの中にはFlashcards Deluxeと同様、このBlackJumboDogを使うことでデータのやりとりが楽になるソフトがいくつかあるので、「ディレクトリの一覧を 表示する」にチェックを入れておいたほうが都合が良い場合があります。

デッキデータの配置

ここでは例として、パソコンでのデッキ作成で作成したデッキデータ「test.txt」を「Users」フォルダの中に入れます。

  • BlackJumboDogの設定で「ディレクトリの一覧を表示する」のチェックが入ったままならば、先ほどの状態で ブラウザを再読み込みするとParent Directoryの下にtest.txtが表示されるようになるはずです。これでデッキをダウンロードする準備が整いました。

  • デッキで利用する画像や音声などのメディアファイルは、デッキのテキストファイル名から拡張子を除いた名前のフォルダ(この場合なら「test」)を同じディレクトリ内に作成し、そのフォルダ内にメディアファイルを入れておきます。あとはデッキに記述された内容に従ってメディアファイルが転送されます。

デッキデータをiPhone/iPod touchでダウンロード

Flashcards Deluxeを立ち上げます。

「+」 をタップし、次に「Private Deck」をタップし ます。

さらに「Deck Code」をタップす るとアドレスの入力画面になります。ここで「192.168.1.5/test.txt」と入力します。

  • 注:「192.168.1.5/Users/test.txt」とは ならないので注意してください。BlackJumboDogで指定したルートディレクトリの中身以降が、Webサーバとして公開されるからです。

ソフトキーボードの「Done」または右上の「Save」をタップして1つ前の画面に戻ります。

ダウンロードが終了するとメイン画面に戻りますので、デッキがきちんとダウンロードされたか確認してみてください。

エラー が表示されたり、デッキの中身がおかしい場合は、BlackJumboDogでのディレクトリ指定が間違っていないか、デッキデータがきちんとUTF-8エンコード(テキストエディタの保存ダイアログ下部で選択できます)で保存されているか、ファイヤーウォールで通信が制限されていないかなどをチェックしてみてください。

※より詳細なBlackJumboDogの操作・設定方法については、こちらのリンクから行ける「取り扱い説明書」のページで確認してください。