フィルター

フィルターはオシレーターのサウンドを、特定の周波数をカットすることで変化させるコンポーネントです。Eden シンセサイザーのフィルターは周波数をカットするだけで、新たに追加することはありません(減算方式と呼ばれるゆえんです)。オシレーターの元波形にはさ まざまな周波数が含まれているので、フィルターの効果は非常に大きなものとなります。一般に矩形波やノコギリ波といった「鋭い型」を多く含む波形は、多く の周波数を含み、フィルターが利きやすくなります。

フィルターには以下のような設定があります:

  • OFF-フィルター不使用。

  • ローパスフィルター(LP、Low Pass)-低い(低音の)周波数を通過させ、高い(高音の)周波数を抑えます。滑らかな音色を作成するのに使われます。

  • バンドパスフィルター(BP、Band Pass)-低い(低音の)周波数と高い(高音の)周波数を抑え、中間の周波数を通過させます。厚みのない音色を作成するのに向いています。

  • ハイパスフィルター(HP、High Pass)-高い(高音の)周波数を通過させ、低い(低音の)周波数を抑えます。軽く生き生きとした音色を作成するのに使います。

スロープ(SLOPE)ノブは、どのくらい明確に不要な周波数をカットするかを設定します。12(dB)を選択するとCPUの負荷を抑えることができます。

カットオフ(CUTOFF)ノブは、フィルターがカットし始める周波数のポイントを決定します。

Qノブはフィルターのレゾナンスを決定します。極端に大きくすると、カットする周波数のポイントで耳障りな音になります。あまり大きくセットすると音が歪むので注意してください。

キートラッキングは 「トラックキー(TRACK KEYS)」をタッチすることで使えるようになります。キートラッキングによってフィルターのカットオフ周波数は演奏する音の高さに応じてシフトします。すべての音を同じ音色に揃えたほうがよい、スムーズなパッドサウンドなどでの使用に適しています。

演奏の際にカットオフ周波数が固定されたままだと、非常に退屈なサウンドとなります。フィルターエンベロープ(FILTER ENVELOPE)を使うことで、演奏時におけるフィルターのカットオフ周波数量を追加できます。各パラメーターの働きは以下のとおりです:

  • アタックレート(Attack Rate、ATTACK)-発音されてからどのくらい早くエンベロープが最大となるかを設定

  • ディケイレート(Decay rate、DECAY )-最初にピークに達した後、エンベロープがどのくらい早くサスティーンレベルにまで下降するかを設定

  • サスティーンレベル(Sustain Level、SUSTAIN)-鍵盤がリリースされるまで、エンベロープが維持するレベルを設定

  • リリースレート(Release Rate、RELEASE)-鍵盤がリリースされたら、どのくらい早くエンベロープが下降するかを設定

  • アマウント(AMOUNT)-フィルターのカットオフ周波数にどの程度エンベロープを加えるかを設定

  • インバート(INVERT)-エンベロープ出力を、最小のカットオフではなく、最大で開始・終了するように反転