新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻
江尻研究室 M1
核融合反応の一例。二つの原子核が結びつき、エネルギーが生まれます。※発電に向けて研究される反応で、太陽の反応とは燃料が異なります。
毎日使っている電気を、これからどうつくっていくか。その新しい方法の一つとして、「核融合」が研究されています。太陽が光り続けているのも、このしくみのおかげです。私たちは、太陽で起きている反応をヒントに、地上でもエネルギーを取り出す方法を調べています。
核融合を地上で利用するには、燃料をとても熱くする必要があります。この熱い燃料は「プラズマ」と呼ばれる状態になります。ところが、容器に触れると冷えてしまいます。そこで、磁石の力を使って容器に触れにくくし、外からエネルギーを送り続ける方法を研究しています。
東京大学の実験装置「TST-2」。
プラズマは、中央の容器の内側につくられます。
プラズマへ波を送るアンテナ。
写真の金属が並んだ部分は、エネルギーを送る「アンテナ」です。ラジオなどにも使われる電磁波の仲間を、装置の中へ送り込みます。ただ、送ったエネルギーが、思ったとおりに使われるとは限りません。「送ったあと、どうなったのだろう?」という疑問が、私の研究につながっています。
装置の中で何が起きているかを、そのまま目で見ることはできません。そこで、小さなセンサーで波を測り、記録をコンピューターで調べます。波の振動が速くなったり、遅くなったりする変化に注目しています。いくつかの記録を見比べながら、波どうしがどう関わっているのかを探ります。
写真は、センサーの働きを確かめる実験です。
小さなセンサーで、目に見えない波の変化を測ります。
波の変化を理解できれば、エネルギーをもっと上手に届ける方法を考えられます。たとえば、波を送る場所や、装置の使い方を工夫する手がかりになります。私の研究は、核融合発電に向けた課題の一つに取り組むものです。目に見えない波を調べることが、未来の電気のつくり方につながっています。