(Terada Yuri)
海洋技術環境学専攻
早稲田・小平研究室 修士2年
研究テーマ「砕氷船の航路選択」
南極の氷の海をどう進む?
南極の周りの海は、海水が凍ってできた「海氷」に覆われています。日本の南極地域観測隊を乗せた砕氷艦「しらせ」は、この海氷を割りながら昭和基地を目指します。
氷が厚くなると、一度後退して勢いをつけ、氷に乗り上げて船の重さで割る「ラミング」という航行を繰り返します。海氷の厚さや分布によって船の進み方が変わるため、航路選びが重要になります。
海氷と「しらせ」の航行の関係
私は、「しらせ」がより安全で効率よく航行するための研究をしています。
過去の「しらせ」の航行データと人工衛星から得られる海氷の情報を組み合わせ、氷の状態と船の進み方の関係を調べています。特に、どのような海氷の状態でラミングが必要になるのかなどに注目しています。
また、第67次南極地域観測隊では、実際に「しらせ」に乗船し、船や海氷に関するデータを取得しました。
最も距離が短い航路が、最も早く到着できる航路とは限りません。 厚い氷がある場所では、ラミングを繰り返すため、距離が短くても時間がかかることがあります。
これまでの研究では、「しらせ」の航行データや海氷の情報を使い、航行時間を推定したり、効率的な航路を探索したりするシミュレーションが開発されています。
私は、実際の航行データや新たに得られた観測データを活用して、航行シミュレーションの精度を高めることを目指しています。例えば、現在のシミュレーションでは考慮されていない氷山を衛星画像から見つけ、航路探索に反映することも課題の一つです。
将来的には、より正確な航行時間の推定や、安全で効率的な航路の提案を通じて、実際の「しらせ」の運航に役立てることを目指しています。