2024/07/19 第89回 
海外独立と宇宙への挑戦
明楽隆志 

要旨】

私は2022年から2023年にわたり実施されたJAXAの宇宙飛行士候補者選抜に応募しました。これまで宇宙開発とは無縁だった基礎生物学者である私がなぜ選抜に挑戦したのか、選抜過程での心理的変化についてもお話しします。また、選抜試験を経験して得たものと、今後のキャリアへの影響についても考察します。

1. 基礎生物学者としてキャリアパス。 現在の研究内容そして海外での独立を決意した経緯など、私のキャリアパスについて紹介します。

2. 第六期 宇宙飛行士候補者選抜 選抜試験。選抜過程が進むにつれ、宇宙飛行士になる未来、そして研究者としてのキャリアを終える可能性が現実味を帯びてきました。選抜を経て感じた心境変化に焦点を当てて話したいと思います。

3. 宇宙医学研究への挑戦。 選抜終了後、宇宙への夢を諦めきれず、宇宙開発に貢献する道を模索しました。生物学者としてのスキルを活かす道として、宇宙医学の分野で貢献する可能性があります。NASAの宇宙医学・生物学実験の基礎を学ぶプログラムに参加し、基礎生物学者がアルテミス世代の宇宙医学にどう関わっていけるかについて紹介します。

【略歴】

2014年に東京大学大学院の理学系研究科、生物化学専攻で博士号を取得した後、アメリカのペンシルベニア大学で博士研究員として勤務しました。2019年にはNational Heart, Lung, and Blood Institute (NHLBI), NIHで独立し、マウスモデルを用いてSelfish DNAと不妊との関連性について研究を進めています。2022年から2023年にかけてはJAXAの宇宙飛行士候補者選抜を受験しました。2023年にはNASAのSTAR(Spaceflight Technology, Applications, and Research)プログラム、2024年にはNASAのSHINE(Space Health Impacts for the NASA Experience)プログラムの一員に選ばれ、宇宙医学研究のための基礎トレーニングを積んでいます。

演者: 明楽隆志 先生(NHLBI, NIH)

演題:海外独立と宇宙への挑戦 

協賛:Elixirgen Scientific様

開始時間:7/19(金) 18時~
会場:Rangos 490