私たちのゲノムには2万個程度と言われる遺伝子がコードされており、遺伝子から発現するタンパク質が精密機械のように働くことで私たちの細胞、体が健やかに維持されています。これらタンパク質の働きを理解することが生命の理解や疾患の治療のカギであり、私を含め多くの分子生物学者がこの問題に取り組んでいます。
これまでに私は特に細胞核内のタンパク質に興味を持って研究を進めてきました。本講演では、最近我々が明らかにしました新規のクロマチン凝集因子とその凝集活性が担う生理的機能についてお話しさせていただきます。またこれらに加え、現在取り組んでいる研究の一端として、これまで見逃されてきたタンパク質群の機能解析について簡単に紹介させていただきたいと思います。
また、研究の成果は論文の形で報告されますが、背後にはそれぞれの著者たちの思いや苦労が隠れています。(特に生物系の論文は1つの論文に5年以上かかることはよくありますのでその苦労は大変なものです。) そこで私たちは論文には明文化されない研究者の思いを伝えるツールとしてポッドキャスト(及び宣伝用SNS)を運営しています。今回はこれらのアウトリーチ活動についてもご紹介させていただきます。
Keywords:クロマチン, 神経幹細胞, 減数分裂, CRISPRスクリーニング, ポッドキャスト
略歴
2022年:東京大学大学院薬学系研究科博士課程卒(後藤由季子研究室)
2023年~:カルフォルニア大学バークレー校 ポスドク (Gloria Brar lab)
参考:バイオステーションポッドキャスト (https://open.spotify.com/show/6K4x1QCF1FqXM3o9kFB6rE)
バイオステーション(X, Twitter: https://twitter.com/Bio_stations)
開始時間:4/29 (月) 18時~
会場:Rangos 490
協賛:島津製作所