2017/08/29 第54回 "生体における水分子の役割" (安井 正人)

投稿日: Aug 17, 2017 2:49:59 PM

8月29日火曜日に第54回JSSB夏のセミナーと懇親会を開催することになりました。

今回は、慶應義塾大学医学部の安井正人教授をお招きして、アクアポリンを中心に生体内の水分子の役割について伺えることになりました。略歴にもありますように、安井先生はアクアポリンでノーベル賞を受賞したPeter Agreの研究室に在籍され、その後ホプキンスで独立された、ジョンズホプキンス大学のOBでもあります。

また、年に一度の懇親会も併せて開催致します。普段話す機会の少ない日本人研究者同士の数少ない交流のチャンスですので、皆さまお誘い合わせの上お越し下さい!!

日時は8月29日火曜日です。

普段よりも早めの17:00からセミナーを開始いたしますので、時間には気をつけて下さい!!

また、セミナー開始10分前から新規スポンサーの東海ヒット様の御紹介をさせていただきますので、ぜひ10分前にお越しください!

会場も普段のAbel Libraryから橋を渡った先、左手のRangos490です。こちらもご注意ください。

 「生体における水分子の役割」

 

安井 正人 先生

慶應義塾大学医学部

薬理学教室 教授

要旨

 

体内水分バランスは、生体の恒常性維持機能の最も重要な調節機構である。水分バランスの不均衡は、様々な病態に伴って認められ、その補正が治療上有効となることが多い。水チャネル、アクアポリンの発見は、体内水分バランスや分泌・吸収に対する我々の理解を分子レベルまで深めることとなった。腎臓における尿の濃縮・希釈はもちろんのこと、涙液・唾液の分泌にも重要な働きをしている。現在まで、哺乳類では13種類のアクアポリン(AQP0—AQP12)が確認されている。アクアポリンファミリーは、そのアミノ酸配列の相同性と機能から大きく2つのグループに分けられる。 水分子のみを通過させるグループ(アクアポリン)とグリセリンなどの小物質を通過させるグループ(グリセロポリン)である。 アクアポリンはほぼ全身にわたって分布している。それぞれのアクアポリンはユニークな組織分布を示しており、それぞれに特有の生理的意義が示唆されている。 例えば、AQP0とレンズ透過性、AQP2と尿の濃縮、AQP5と唾液の分泌などである。また、グリセリン系の代表として、AQP3と皮膚の保湿、AQP7やAQP9と脂質代謝などがあげられる。アクアポリンから話を始め、最新のライブイメージングシステムを紹介しながら、生体における水の重要性を改めて考えてみたい。

 

略歴:

氏名:安井 正人(やすい まさと)

生年月日:1964年(昭和39年)6月28日、東京生まれ

現所属:慶應義塾大学 医学部薬理学教室 教授

 

【学歴・職歴】

·   平成元年(1989)慶應義塾大学医学部卒業。医師国家試験合格後、聖路加国際病院・小児科レジデント。

·   平成3年(1991)同小児科チーフレジデント。

·   平成4年(1992)東京大学医科学研究所御子柴研究室客員研究員、東京女子医科大学・母子総合医療センター 新生児室 助手。

·   平成5年(1993)スウェーデン王国カロリンスカ研究所大学院へ留学。Doctor of Philosophy取得(平成9年4月)。

·   平成9年(1997)米国ジョンズホプキンス大学・医学部ポスドクフェローとして留学。

·   平成13年(2001)同小児科 生物化学科助教授。

·   平成18年(2006)より現職。

【主な所属学会および役職】

日本薬理学会(学術評議員、代議員、賞等選考委員会委員)、日本神経科学学会(正会員)、日本臨床薬理学会(臨床薬理学特別指導医)、発達腎研究会(実行委員)、日本小児液体研究会(幹事)他。

16:50−17:00 新規スポンサー(東海ヒット様)御紹介

17:00−18:00 講演

18:15−19:15 懇親会

会場:Rangos 490

スポンサー: 島津様、東海ヒット様

 

会場へのアクセス:

 

車の方→N. Wolfe stに路駐可(~$0.5/hr)

 

1. Preclinical Teaching Building (PCTB、N. WolfeとMonumentの北東角)に入る。

2. フロントでIDをみせてサインアップし、リストバンドもらう。

3. 行き先は590 Rangosと書いてください。

4. Green Cafeを通り過ぎた奥のエレベータで3階へ。

5. 右(北方向)へ向かい、Rangos Research Buildingにつながる橋を渡る。

6. 490の部屋は橋を渡ってすぐ左にあります。

 

*Rangosビル入り口はエレベーター起動に専用バッヂが必要です。

 

当日の連絡先

443-287-7668 (井上 office)

410-419-6500(中村 cell)

443-761-1342(田渕 cell)

 HP: http://www.jssbaltimore.com/home