2023/12/22
第83回
クライオ電子顕微鏡で解き明かす細胞内分子構造
~cryoFIB-SEMを活用した試料作成法~
塩崎桃子(Janelia)
クライオ電子顕微鏡法(cryo-electron microscopy)は単離精製されたタンパク質の三次元構造解析の手法の一つとして、従来のX線結晶解析法、NMR法に加えて、原子レベルの分解能を達成できる手法として近年急速に普及しました。ここ数年では単離精製されたタンパク質だけではなく、in situでの生体分子立体構造を知るための手法、cryo-electron tomography (cryoET)法が注目を浴びており、NIHのファンディングによるNational cryoET Centersも2020年に設立されました。Janelia cryoEMチームに参加してからの4年間、cryo-FIB-SEM(集束イオンビーム電子顕微鏡)の担当者としてこれまで10以上の全米各地のラボとcryoETの共同研究をしてきました。最近出版された共同研究の論文をもとに、cryoET研究の流れ、cryo-FIB-SEMを用いた試料作製の実際、また、日々、全米から試料が届くJanelia cryoEMのラボスタッフとして垣間見たcryoEM業界の最新動向などをご紹介できればと思います。
略歴
神戸大学医学部保健学科卒 臨床検査技師
2008-2011 大阪府成人病センター 外科医局/生化学部
2011-2012 大阪市立総合医療センター 遺伝子診療部
2012-2019 理化学研究所 シナプス分子機構研究チーム
2019- Janelia Research Campus cryo-Electron Microscopy
演者: 塩崎桃子 先生
演題:クライオ電子顕微鏡で解き明かす細胞内分子構造~cryoFIB-SEMを活用した試料作成法~
協賛:島津製作所、Exligen Scientific, 同仁化学研究所(50音順)
開始時間:12/22 (金) 3時~
会場:Rangos 490