2012/08/24 第5回 "低酸素刺激による肺血管の炎症と血管リモデリング機構に関する研究" (ケーガン加津代)

投稿日: Sep 11, 2012 1:51:51 PM

第五回 

2012/08/24

Dr. ケーガン加津代

Department of Anesthesiology and Critical Care Medicine, JHMI

肺高血圧症(Pulmonary hypertension) は肺動脈壁の異常、すなわち血管内皮細胞、平滑筋細胞などの異常な増殖により肺動脈壁の肥厚、内腔の狭窄を来たし、肺動脈の著しい上昇とそれに伴う右心不全へと至る予後不良の疾患である。我々のグループは低酸素刺激を用いた肺高血圧症の動物モデルにおいて、初期の段階で肺に強く発現する分子hypoxia-induced mitogenic factor (HIMF)(FIZZ1あるいはRELMαとも呼ばれている)を発見した。その後の研究により、HIMFは肺血管細胞を活性化し、平滑筋細胞に対して増殖、遊走作用があること、また血管リモデリングに関わる増殖因子やケモカイン産生を誘導し、In VivoにおいてはTH2免疫反応を介して血管新生を誘導することを示してきた。今回は肺高血圧症の動物モデルの発症メカニズム、血管リモデリングに関する考察について述べるとともに、肺高血圧症と血管の炎症がどのように関わっているかについて概説する。

今回は、以下の企業の方々から特に多くの食品を頂き、懇親会を開くことができました。大変ありがとうございました。