200204

4月30日(火)

加藤和也はいいました。

「人間の世界では素数はあまり大切にされていません。実際、世の中で素数で悩んでいる人は少ないのです。例えば、道で、調子が悪そうな人に『もしや、素数のことでお悩みですか』と聞いても、『いま忙しいからほっといてください。』といわれかねません。しかし、セミは素数を大切にしています。十七年ゼミや十三年ゼミはいますが、十二年ゼミや八年ゼミはいません。これは、もし例えば十二年に一回大発生するセミがいたとすると、それを食べる生物は三年周期や六年周期で発生すれば、このセミを食い尽くすことができるからです。

人間の世界では素数に命をかけている人は少ないですが、セミは素数に命をかけているのです。だからセミが将来進化して人間と同じような知能を持つと、みんな素数素数言いながら道を歩いているでしょう。

また彼は別のとき絵を書きながら言いました。

「可換環の木では極大イデアルの花が一番上に咲いています。そして素イデアルの花はぽつぽつさいています。立派なイデアルです。大事にしなければなりません。」

今 日の日記をはじめます。文学部のおのりさんが理学部の講義を見てみたいと言っていたので、昼休みに待ち合わせをして、加藤和也先生の授業に連れて行きまし た。彼女ははっきりいって教室でかなり浮いていました。授業が始まると彼女は後ろの席でぐっすり眠っていたようですが、次のような感想をもらしてました。

1、理学部は男ばっかり。校舎のきれいさにだまされてはいけない。

2、あの先生は、言葉の端々におかしさがあらわれていた。

3、あの先生は対人恐怖症ではないか?ずっと後ろを向いたままだった。

授業後、彼女と京大植物園を歩きました。今日は日が優しく、風もさわやかで絶好の散歩日よりでした。

4月29日(月)

今日は後輩の定期演奏会です。朝に荷物の積み込みの手伝いをしたのち、差し入れを買いに、守口の京阪デパートに。差し入れをバナナにするか、イチゴにする か迷ったあげく、イチゴに決定。駄菓子屋が近くにあったので3月、4月の誕生日の後輩達にいろいろと買い込む。wisさんには紙風船。しみこさんにはシャ ボン玉。あとだれにあげるかを決めずに、誰もいなければ自分用にと、棒つきの飴を一つ(食材コーナーで香辛料一瓶)買い込む。

途中でおのりさんと合流して、演奏会場につきました。wisさんがいたので、早速プレゼントを渡しました。困った顔をして喜んでくれました。リハーサルを聞きました。ご飯を食べ、さあ、本番です。

今年はかなりの集客ぶりで、会場が埋まってました。演奏は音楽への真摯な態度が現れてました。幕間の部員紹介ではT嬢が闘牛士をやってました。とてもかっこよかったです。

席はしみこさんと、寛さんの隣に座りました。しみこさんにシャボン玉を渡すと、素でよろこんでました。席の前には、まだむさんがいて、彼女は今日誕生日だったので、香辛料をかばんから取り出し渡しました。彼女は彼女らしく、全く動揺せずに受け取りました。

演奏会終了後は集合写真を撮ったり、楽屋でおしゃべりをしたり片づけを手伝ったりして過ごしました。

その後、OB現役合同の打ち上げに向かいました。今年も焼肉、以前同じ店で、「当たった」ことがあるので心配です。

その後、ボーリングに現役生たちと行きました。毎年全く変わらない展開で、時の感覚が混乱します。まつぼくんと射的のゲームに熱中して、うっかり現役生がいることを忘れる所でした。

と、ま あ充実した一日でした。僕が三年生のときに一年生だった人が、三年生のとき一年生だった後輩がついに引退しました。なかなか感無量です。僕が卒業してから の三年間クラブの後輩達には本当にお世話になりました。僕の後輩の皆さん、素敵な時間を分けていただき、本当にありがとうございました。

4月28日(日)

京 橋の漫画喫茶なる所に行き、「ジョジョの奇妙な冒険」の四部を読破しました。僕の好きな場面はジャンケン合戦です。この漫画をよんでいると、小中のときに ちらちらと読んだ思い出がよみがえってきます。小中のときにこれをもっとしっかり読んでいれば、今よりはるかに楽しめたかもしれません。少しもったいない ことをしてしまった気がします。

高校のクラブを見に行った。今日が練習最後の日だけあって、なかなか緊迫した雰囲気でした。目隠しをしてギターの練習をしている子がいた。

その後、家庭教師に行く。目の前で辞書なしで英文和訳させた文章を、次の週に今度はしっかりと予習した上で和訳するという課題をしているのだが、二倍程度にしか速くなっていない。四から五倍ぐらいの速さぐらいにしてもらいたいのだが、奈何せん。

今日は二つしたの後輩の誕生日でした。家庭教師から帰ってから電話をしました。この方とは去年の夏に偶然駅で出会ってから、一度も会っていない。道に悩んでいるようなので、会って話がしたいものである。

あ、今日は物理をするのを忘れている。

4月27日(土)

今日は、物理を殆どすることなく、ジョジョの奇妙な冒険を読みふけりました。三部を読破。心理的かけひきが面白い。

半袖にして歩いてみた、風の向きがよくわかるので、楽しい。

今日は一つ下の後輩の21の誕生日、電話で話をした。月曜にある高校のクラブの定期演奏会で会える。有徳の方だけに会うのが楽しみである。

一つの面白い問題に出会った。

(1,1)を中心とする半径1の円と、原点を通る直線との二つの交点を考える、直線のかたむきを動かすとき二つの交点の中点はどのような軌跡を描くか。

答えは原点、(0,1) (1,0)を通る円になるのだけど、この事実の初等幾何による説明を知りたい。

しばらく考えたいので、解けても、僕が解くまで僕に教えないでください。

4月26日(金)

素粒子物理学の授業:難しい、というか論理のつながりがみえにくい授業。くじけそう。勉強せねば。

授業が 終わって質問攻めにしていると、どかどかと教室に大勢の闖入者達が。次の時間の物理数学演習の発表の発表権を得るために、一組の方たちがわれ先と急いでい るようです。発表権は早い者勝ちのようだ。代数の演習のように、挙手→じゃんけん とすればいいのにと思います。このような競争はどうも苦手です。これか ら発表できるかどうか不安です。

昼を一人で外で食べて昼休みを過ごした後、私達のクラスの演習のプリントをもらう。

物理数学は2、3問を除いて、どれも簡単に解けそうだ。統計演習は難しそう。楽しみです。

全学共通の履修登録をした。今日はじめて知ったのだが、全学の科目は成績の上塗りも取り消しも出来ないらしい。それは少し困る。

 

4月25日(木)

朝三時 に寝て、八時に起床。同じベットに三人寝るのは大変でした。バスに乗って学校へ。そして朝食を生協で取りました。朝食をここで食べるのは初めてです。結晶 物理の時間です。眠いのですが、目をつぶると、加算無限個の穴のあいた血の色のトーラスがなぜか目の前に浮かんできてとても気分が悪かったです。原子核物 理も半死半生で受ける。

物理学演習を受けました。電磁気をやると思ってたら量子力学でした。用意が出来ていないので、今日はつっこみと別解発表のみに徹しました。

ふとしたことで、長い間考えつづけていた謎「なぜガウス型分布関数はフーリエ変換しても同じ形に戻るか」に決着がつきました。簡単に説明します。

ガウス型の分布は、消滅演算子aについて、

a|φ>.=0

の解として求まります。

座標表示すると

a=x+ip=x+∂/∂x です。

<x|φ>.=φ(x)とすると、上の式は

{x+∂/∂x }(φ(x)=0

です。

さてこれを運動量表示するとどうなるでしょう。

a=i∂/∂p+ip で、あり <p|φ>.=ψ(p)とすると、上の式は

{p+∂/∂p}ψ(x)=0

となります。なんとこれは座標表示と全く同じ微分方程式になります。だからφ(x)とψ(p)が同じ形になるのは当然のことなのです。

この議論で重要な役割を占めていたのは消滅演算子さんです。

消滅演算子は気品に満ち偉大な演算子です。秘められた神秘的な性質を彼女はまだまだ隠していることでしょう。

4月24日(水)

今日は物理数学は行かないことにしました。

朝、電車に乗る前に「階段」という言葉を聞いて階段関数を思い浮かべてしまいました。もう廃人です。

非線形科学ですが、今日はロシア人の女性が英語講義をしてくれました。この人はモスクワ大学でポリマーに磁石を入れた者を作って遊んでいるみたいです。こ れの何が非線形科学と関係あるのか分かりませんでしたか、すごーく美人な方だったので、そんなことどうでも良いのです。

物理の英語にはイギリス人の方がお話しをしました。この二つの授業は、「おまけ授業」の感があります。

論理学基礎論ですが、今日三回目にして初めて部屋に入れました。毎回、約0.7倍の勢いで減ってきているようです。でも出席人数はロジスティック方程式に従うと思うので、いずれ一定状態に落ち着くことでしょう。

自主ゼ ミをやっていると、「熱い男」さんが窓を通りました。ランダウリフシッツの力学の自主ゼミをしているそうな。覗きに行った人たちによると、かなり変な方向 に迷い込んでいたそうです。だれか上回生をオブザーバーにつける必要があるでしょう。三回生のみなさん、水曜、暇で解析力学を復習したい方はどなたか行っ てあげませんか。

今日は自主ゼミの方が僕の誕生会を開いてくれました。というわけで、今日は家に帰れませんでした。「物理屋に百の質問」を作成するために、皆でかなりの時間を裂きました。五十を超えると質問を作るのが大変です。

4月23日(火)

この日は僕の22歳の誕生日です。二が二つ続くというのはなかなか珍しいものです、つぎにこの現象が起こるのは333歳になります。来年は久し振りの素数歳です。来年が楽しみです。

朝は健康診断でした。何時に始まるか知らなかったので、適当に行ってみたら、たまたま丁度始まったところでした。体長や質量や目の分解能などを調べました。最低血圧は60でした。

昼になるまで図書室で昼寝をし、突然自分が運動不足であることを悟り、総人まで走ってまた理学部に戻りました。総人に行けば誰か知り合いがいると思ったのですが、だれもいませんでした。

加藤和也先生の代数の授業です。「今日は、環太郎さんといそ子さんの恋物語の話をします」。との発言から授業は始まりました。

私なりに要約すれば、これは位相空間Xと、その上で定義された実数値連続関数がなす環A(X)の恋物語です。

環A(X)の極大イデアルと、位相空間Xの点は一対一対応がつきます。また一対一対応ではありませんが、A(X)のイデアルには位相空間の閉集合が対応しているそうです。

つまり、環太郎さんはふるさとXを出て、流浪の旅に出たのですが、彼はふるさとを忘れたことはないのです。彼は極大イデアル(心の中で最も大切なもの)として、村を胸にしまっていて

きもち(イデアル)→閉集合→位相(いそ子)

として、いそ子のことを思い出すのです。

先生はこの悲しい恋物語に詩をうたってくれました。

なけたなけた

こらえきれずになけた

あの子とわかれたかなしさに

(以下書き取れず)

さて、講義の締めに、先生の聞いた話として、宇宙=整数環の極大イデアル=素数 の怪しい式を書き、今日の授業が終わりました。全て本当にこの日の代数学の授業にあったことです。

4月22日(月)

今 朝、夢の中でMozartの交響曲36番Linz 一楽章を聞きました。場所はイタリア、時代は十九世紀、僕は十二、三歳の少年の姿で、椅子に座って大人 達とこの曲を聴いて感動してました。僕はときどきこのように夢の中で音楽を聞くことがあります。不思議に夢の中での音楽は現実で聞くより、はるかに繊細に 美しく聞こえます。

今日の量子力学の授業は、なんと経路積分をしました。びっくりです。たぶん中心場の話は一回で終わらないと思い、連休に入る前に切りのいい話をしようと企 んだのでしょう。十一時半まではブラケットの説明で終わり。この先生はチャイムがなってからが本番です、いつも。とりあえず、∫Dx exp(iS/h )を導いて終了。非常に分かりやすく議論してましたが、古典力学の最小作用原理との対応はつけずじまい。こんなんでいいのでしょうか。

課題演 習は皆、深い所まで勉強してくれて勉強になりました。僕も発表しましたが、それなりに上手く話を出来ました。今回渡されたプリントもかなりの難度のよう で、勉強するのが楽しみです。今週のゼミ対策自主ゼミで討論をするので、それまでにある程度分からなければなりません。

今朝出町柳の駅の叡山口から、「ひゃくまんべん交差点」まで目をつぶって歩いてみました。(とはいえ何かが近づいたときは目を開けましたが) 目をつぶって歩くと、聴覚、嗅覚、触覚が研ぎ澄まされてとても気持ち良いものです。この道はコーヒー屋、ケーキ屋、つつじの植え込み、花屋、道歩く人など が匂いに変化をつけ、とてもよい道です。ひゃくまんべんより、さらに京大に向かって歩くと、定食店、古本屋、カレー屋、民族雑貨店、カメラ屋などが特有の 匂いを出しています。この道も好きです。

理学部六号館は、内部に匂いの勾配がなく、(空いた窓や、電気室、人が入った講義室などは別ですが)匂い的にあまり好きではありません。

4月21日(日)

今日は終日(近所の本屋に行った以外)家に閉じこもりました。家庭教師も今日は休みにしてくれとの電話がかかってきました。

今日したこと

4月20日(土)

今日は塾のT先輩とエッシャー展に天保山サントリーミュージアム行ってまいりました。エッシャーというのは上昇しつづける階段や落ちつづける滝といった奇妙な絵をかく画家です。非常にいい展覧会でした。虎猫さんにお勧めします。そのなかで「もう一つの世界」というありましたが、この作品に私は数論の世界を感じました!空に浮かぶ星々は素数を表し、まんなかの不思議な生物はゼータの化身を、そしてそれが様々な角度から見れるのはゼータが様々な姿を私達に見せることを意味しているのでしょう!

すいません、最近加藤和也先生に毒されているようです。加藤先生の語録はこちらから

帰ろうと思ったら、途中で大道芸が行われていて、ついつい終わるまで見入ってしまいました。

今日は高校のクラブはリハーサルでした。終わるまでに間に合うようにと急いで帰ると、丁度終わった所でした。しかし滅多に会うことの出来ない方に二人も会うことが出来、喜ばしい思いで一杯です。

家に着いてからは、「ひっくり返して(例えば41なら14に)し、二乗したのち各桁を足し合わせると元の数になる自然数は何ぼだ」と言う問題に取り付かれ ました。簡単な考察により、その自然数が10以上36以下ということがわかりました。次に直感を使うことにより、18がその条件に当てはまることまでは分 かりました。しかしそれ以外の数で成り立つかどうかまでは確認できませんでした。(全部当てはめれば分かるのでしょうが…)

4月19日(金)

六号館に入る前に三月に合宿ゼミで知り合った、幾何学の修士コースの人に出会った。その人も素粒子物理学を受けるそうだ。案内したが間違った部屋に入ってしまった。最初の三十秒気付かなかったが、何か変だと気付き退室。

さて素粒子物理学ですが、Clebsch-Golden係数を勉強しなおさなければならないということに気付きました。アイソスピンの話はそれなりにわかりました。中性子と陽子がアイソスピンが異なる同じ粒子だというのは、素晴らしい着想である。

昼休みは一人で食事。その後、非常に天気がいいので、植物園を散策した。荷物は六号館の隠し部屋の一つにおいて。苔がうすく生えた木陰で寝そべった。心地よい。色とりどりの花が咲いている。

演習の授業に出ようと、部屋に入ったが六人しかいない。時間をまっても増えないので、休講と思い物理教室に。やはり休講だ。来週に問題配り、その次は連休でお休み。つまり、演習が始まるのは五月十日からと言うことになる。なんたることだ。

図書館に行き、昨日の問題について話し合った。一応問題は解決された。

帰りの電車でpikotti君と同席した。アクセス解析の仕組みを教えてくれた。

僕は京阪特急の眺めが好きである。とくに新緑の季節は最高である。枚方公園からすこし京都方面に行った所に小高い丘があり、階段がそれを登っている。いつの日かその階段の上まで行ってみたい。

帰ってから、しばらく寝ながら素粒子物理の本を読み。五時半に高校のクラブに行った。今日は写真は撮れなかった、残念である。六時半頃にT嬢と共に帰った。

今日はあまり、勉強をしていない。土日のうちに、以下を片付けよう。

量子力学の角運動量の議論の復習。

物理演習の問題に一通り目を通す。

課題演習のページの作成。

朝倉の「素粒子物理の基礎」の”対称性と保存則”を読む。

4月18日(木)

結晶物理学はまだ内容らしい内容に入っていない。感想用紙がなかったので、僕の持ってたメモ帳を寄贈した。新しいのを手に入れなければ…

原子核物理は原子核の安定性当に関する話し。10の-10乗秒を永遠にも等しく長い時間という世界、素敵である。

演習の問題は思ったよりも簡単そうなので、全問制覇を目指して頑張ろう。

そして、今日はゼミ準備自主ゼミ。来週に発表するべき難解なプリントを解読するのが今日の目標。それぞれ一人では皆目分からないもの、皆でやれば一応論理的なつながりを得ることが出来たと思った。五人寄れば文殊の知恵である。

ところが、帰りの電車でN君と話していると、このつながりに論理的矛盾があることに気が付いた。

今のところ解決不能。こまった。

4月17日(水)

 今年は物理数学は例年と異なり、アドバンストな内容をしていると聞いたので、行ってみる。

二 つのことが分かった、一つは真性特異点は集積することもある。(ほんまかいな?証明していないので、真偽は分からない。)二つ目は、有利型関数=正則関数 /正則関数 でかける。この証明は今後無限乗積展開からわかるそうでこれからそれをやっていくそうな。この事実は初耳なのだろうか?昨年の関数論のノート を読み返してみよう。

二時間目の統計力学は面白い。あの先生の話し声は心を落ち着かせる。

今日の非線形科学は得るものが、殆どなかった。

物理の英語、これもあまり収穫なし。

論理学基礎論、満員で入れない(泣)。早々に入るのをあきらめて、本を読むための場所を捜す。天気は雨。なかなかいい場所がみつからない。総人の中庭を久 し振りに歩いた、雨と土の静かな匂いがする。ただ総人はどこにいても、どこからともなく煙草の匂いがさまよってくるのに閉口する。図書館に入るが、ここも また人いきれに耐えられず外に出る。結局中庭横の階段で本を読んだ。妊婦の学生さん(会話からそう判断した)が前を通った。若くして父、母となる者、これ から生まれてくる子の幸せを心から願う。

そして自主ゼミに行った。もはや疲労困憊であった。座ってられない、椅子を広げて寝ながら話を聞かせていただいた。明日も一時間目からだ、ゆっくり寝たいものであるがかなわぬ。

4月16日(火)

今日は失せ物の日、登校の準備をするが「環論と体論」のノートがない、定期がない。両方あきらめて学校に行くが、一本電車を遅れたために普段より30分も送れてしまう。著しい非線形効果である。

(4月17日訂正 非線形効果と言う言葉はここでは適切ではないと、喝を入れられました。たしかに出発時間の関数として、到着時間を対応する関数は非線形ですが、ここではむしろ不連続性による効果と書いた方が適切でした。誤解をまねく安易な言葉の使用を反省します。)

環論と体論の授業の面白さはここに筆を譲るとします。

疲労がたまっている。

高校のクラブにより一時間ばかりNnくん(くんとはいえ女性)とT嬢と小1時間お話をする。

その後現在に至る。

4月15日(月)

今日はいつもより早く出発して、4月中にあるという噂の古本市の情報を求め、総人前の立て看板の列の前を通ってみた。がわからない。(後で調べた所、4/18留学生センター前であるということが分かりました。明細

歩いて思うのだが、あの道の萌え木の匂いは、とても心地よい。風が薫るとは上手くいったものである。時計台前の楠も一年のうち今でしか見れない冴えるような黄緑色をしている。

量子力学2の授業を受ける。今日は完全に自習モードに入る。来週はもう中心場に入るそうだ。あの授業をとっている皆さん、河合教授はやるところを決めて授業に臨んでいるので、ときとして過激に延長することがあります、注意しましょう。

課題演習は顔合わせをしただけ。はけたあと、皆で450ページある本を五人分コピーしに行く。三時間かかったもうコピーの音は一週間は聞きたくない。

今日は  電磁場の波動方程式のグリーン関数解 ∫ρμr, ret t)/4πr dr がたしかにローレンツ変換することを確かめるという問題を解くことが出来た。 答えは ∫ρμr, ret t)/4πr dr =∫ρμr, t)δ(xνν) /2π drdt より明らか、というもの解いてしまえばなんと自明なことか!

もう一つ、8日の日記にも書いたが、最近様々な特殊関数の直交性をまとめて説明する方法はないかと考えていた。それが講談社の「基礎物理数学2 関数論」を()よんでわかった。ようは微分方程式をエルミートな微分演算子L ; L f (x)=D[p(x) D f(x)] +q(x) f(x) (p q は共に実関数) の固有値問題 L u(x) = λ w(x)u(x) (λはパラメータあるいは固有値、w(x)は重み関数 直交と言うのはこの重みをかけての直交となる)に帰着させればしまいである。

(補足1 全ての線形二回微分演算子は ある関数かける このような演算子L の形であらわせれる)

(補足2 素晴らしいことに エルミート演算子の固有関数は全て完全系をなすらしい、つまり適当な上で定義される演算子Lを持ってくるとそれに対応して 直交完全の関数系を得ることになる。私にとってこれほどありがたい贈り物はない。)

4月14日(日)

早速、掲示板にたくさんの書き込みが。嬉しいことです。

朝は五時半におき、家の近くにある池の周りを散歩する。朝の空気は清清しくおいしい。もう春の花が咲いている。もう春なんですねえ。もうすぐ誕生日なので 年年歳歳花相似 歳歳年年人不同 なんてことを考えながら小一時間は歩いてました。

昼まで恩田陸さんの「球形の季節」を読む。この人の作品は、登場人物、状景描写の瑞瑞しさが特徴である。非常に良いとはいえないが、よい小説であった。

統計熱力学の二回の復習をした、もっと統計の基礎の基礎について考えねばと思った。クラウジウスエントロピーとボツツマンエントロピーが一致することの証明は未解決問題なのだろうか?

ジュンク堂に行った。「微分形式による特殊相対論」を衝動買いする。

明日は早いのでここらで切り上げてお休みなさい。HP管理って結構大変ですね。

(4/16加筆)

4月13日(土)

朝は講談社の「基礎物理数学3 特殊関数と積分方程式」の6章積分方程式、7章変分計算を読みすすめる、何度か「シュツルム・リウピル方程式に関する議論により(二巻参照)」という言葉が出るが、分からない。月曜に図書館で二巻を捜して読もう。

昼は高校のギターマンドリン部に行き、部室の扉の飾り付けを手伝った。単純作業だが、なかなか文化祭気分で楽しい。終わった頃にはもう五時前であった。後輩に写真のモデルを頼むと、「今日は先輩手伝ってくれたからいいですよ」といわれた。いやはやいやはや。

その後、ちょうど数二の微積をやってた浪人生adjさんをつかまえて指導する機会に恵まれた。

微積の基本的問いかけをしてみた、できなかったので教えた。ついでに、数学をするときにはマニュアル的な手順に従うのでなく、自分が何をやっているか常に考えながら進みなさいとアドバイスをした。

さて、この基本的な問題皆さんもできますか?

1.微分の定義を答えよ。

2.xを定義に従って微分せよ。

3.なぜ微分で接線が得られるかを説明せよ。

4.∑k=n(n+1)(2n+1)/6 この知識を用いて、微分の逆演算をすることなく、放物線の面積を求めよ。

5.なぜ微分の逆演算で面積が求まるのかを説明せよ。

夜はレンタル掲示板探し、なかなかいいのが見つからない。一度いいのが見つかったと思って、登録していざ実験書き込みしようと思ったら、広告に水着のおね えさんがでてきたので、破棄したことも…結局最小限の広告のこれにしました。二十日以上書き込みがないと消されるそうなので、気をつけねば。

(4/15加筆)

4月12日(金)

朝 は鬱々とする。素粒子物理学は三回生は僕だけしか受けていない模様。不安だ。同時間の宇宙核素実験学を取るべきではないのか悩む。実験学の方は友人に去年 のノートを見せてもらおう。昼からは朝の反動で、躁となる。が、加藤和也さんの「解決フェルマーの最終定理」を読むだけで、今日は終わる。彼はなんてゼー タな人なんだろう。なんでも彼のゼータの研究スタイルは「日本昔話をよくよむこと」に尽きるそうだ。

素数=空間のねじり=空間が感動していること。

など数論研究者の異様な言動が楽しめる名著である。

4月11日(木)

結 晶物理学で愚かな質問をして、恥をかいてしまった。具体的に書くと、南極では氷が昇華するという先生の発言に対し、大気圧は変わらないからそれはおかしい と質問してしまった。答えは、水の蒸発は空気中の水蒸気と水の平衡だから…というもの。ということは氷対空気中水蒸気の平衡を考えろということで、氷のギ ブス自由エネルギーを考えなければならなくなる。詰る所G(T,大気圧)=G水蒸気(T,分圧)で分圧i,e飽和水蒸気量が求まる。Gなど求まるのだろうか?

物理学演習は今日はお休みだそうで。早く帰る。疲労がたまっているのか帰ってからずっと寝る。

4月10日(水)

非 線形科学は面白そうである。物理の英語は毎回毎回小テストがあるそうだ。熱心な先生である。論理学基礎論に出ようとするが、人数がいっぱいで入れない。 ずーと六時まで廊下で待っていたら、隣にいた文学部一回の女の方と知り合いになった。それにしても、四月の総人は恐ろしいほどの人数である。自転車を止め る場所にも苦労する。

4月9日(火)

新学期が始まりました。我々が入れられた六号館は新築のホルムアルデヒド香る、こぎれいな建物です。ガス管等が入っている隠し部屋が無数にあったり、地下 の書庫の窓から堀に抜けてそのままはしごとパイプをよじ登ることができたり、はたまた窓から屋上に抜けれたりとなかなか面白い所です。周囲にはベンチが大 量にあり、今日はそこで一年からの友人達と食事をしました。理学部生は殆どここで授業を受け、また一階には中央の図書室が移って来ました。これにより移動 の手間が省け、異なる学科の人と交流が持つことが出来るようになりました。

もっとも僕は数学教室のような古く美しい建物の方が落ち着きますが…。(本拠地の物理教室は古いだけで全く美しくありません)六号館はこぎれい過ぎてストレスがたまりそうです。

今日は、環論と体論を受けました。教官は大御所加藤和也先生、数学のオーラが漂う人です。今日はイデアルの定義以外、聞き逃してよいとのことでしたが、ζ教の黒川信重が「ζ関数の歴史」という公演をしてくれと頼まれ、ζ関数の歴史でなくの 本当にζ関数の歴史を語った、(宇宙が誕生したときはζは一つでした…それが時間が立つにつれて四つに分かれ、そして動植物の進化と共にζは共に進化して きました、動植物の分類とζの分類は一対一に対応します。だから動植物学を研究することはζの研究に必要なのです!…)ことを語ってくれました。その他、 有理整数環Zが多項式環K[X]が似ているのはなぜかというと、この二人は兄妹なのであり、離れ離れになって悲しい悲しいという、妹の嘆きが可換環論に なっているのだということ。複素数平面上は歩けるが、素数上は歩けないこと、などを教えてくれました。流石に大先生と言うのは違います。来週も楽しみで す。

今日は朝のうちに物理数学の去年のノートを読み終わる。帰ってからは、もう一度精読してみる。演習問題も数問解いてみる。Legendre多項式の表記P_n(z)=1/(2^n n!) D^n(z^2-1) (Dは微分演算子)が正しく、Legendreの微分方程式を満たすことを証明するときに、自分が昔に作った公式

P(D)g(x)f(x)={g(x+T)P(D)}f(x)

TはDにたいする微分演算子、Dはxに対する微分演算子、Tとxは可換

が役に立って非常に満足する。

今日の疑問点

4月8日(月)

今 日は友人と花見に行ってまいりました。行き先は仁和寺、京都一遅咲きの桜です。本堂の庭園が素敵であったので、ぼんやりとずっと座ってました。その後境内 を隈なく探索した結果、仁和寺を出る頃にはすっかり日が落ちかけていました。いや、仁和寺は良いところです、皇室関連の寺なので、寺なのにみやびやかで す。欄間や雨よけ等、至る所に細やかな細工がなされています。その後、三条に戻り平安神宮に向かう。しかし既にしてそこは閉まってました。故に夕食をと り、帰路につきました。桜の写真は上手くとれていれば近いうちにここに載せます。

今日はじめて、ルジャンドル多項式 が超幾何関数の一種であることを、物理数学のノートより知りました。感動です。エルミート多項式はどうなのか。直交性は超幾何であることが何か効いている のか。三回以上の微分方程式で似た理論がつくれないか。等々いろいろと疑問がでてきます。またこのあたりは計算法にも習熟する必要がありそうです。

 4月7日(日)

 朝は、ftpの使い方を勉強し、部屋の片づけをし、琵琶湖旅行の写真を整理する。

その後、一時から隣町のホールで、友人T嬢のヴァイオリンの発表会を聞きに行く。その友人と言うのは高校時代のクラブの後輩であり、今回の発表会が大学受験に入るため彼女の最後の発表となるそうだ。十年間続けただけあって、堂々たる演奏であった。

五時に帰宅、その後すぐに家庭教師に行く。なかなかやる気をださせるのは難しい。現在英語しか教えていない状況だが、早く他の科目もスタートして欲しいも のである。10時に帰宅し、雑用をすまして12時に寝る。今日は、自分の勉強が皆目出来ていない。忸怩たる思いである。

4月6日(土)

朝遅くに起きる。九時である。朝はしばらくスリザーリンク(数理パズルの一種 以前これにはまって3日間ほどなにもできなかった経験がある。)の解法プロ グラム第二段を作成すべく、プログラムの概観を紙の上で作成する。ある程度まで完成。これを実際にプログラミングするのはいつのことになるのだろうか。授 業が始まれば、なかなか時間はとれないであろう。

昼は八時まで、南さんから頂いた昨年の物理数学後期のノートを読む。ちなみに僕は昨年には受けていない。最初から初めておよそ半分まで読み進む。ペー関数をはじめて理解する。Fuchs型二回線形微分方程式全てをあらわすとはたいしたものである。またそれの全てが変数変換により結局は超幾何関数に帰着できるできることを知り超幾何関数はえらいと思う。

Γ関数の相補公式Γ(z)Γ(1-z)=π/sinπz まで読み進む。この公式は美の極致である。何が素晴らしいかを感覚的に説明すると、Γ関数という硬そうな関数をふたつ重ねることにより、sinという柔らかな関数が作られるという点である。続きの半分と保留部分はまた明日の楽しみに。

夜はHPのつくりかた、というよりむしろfreesoftたるHomepage Managerの使用方法をWebで学習する。明日にはアップできるであろう。