フサタヌキモ

フサタヌキモUtricularia dimorphantha Makino

フサタヌキモ草姿(左上)、花(右上)、閉鎖花にできた果実(左下)および捕虫葉(右下)

日本の食虫植物の中でも捕虫器が極めて少ないという稀有な特徴を有する。捕虫器が少ない点、捕虫葉の枝分かれが多い点などを加味すれば、同定は容易であるが、そもそもが出会う確率の低い珍しい種である。

比較的富栄養な水域に分布する浮遊性水生多年草。ほとんど捕虫器をつけない葉と種小名の由来にもなっている閉鎖花が特徴。タヌキモ類の中でも分布が少なく、珍しい。また、他の食虫植物とも異なり、比較的富栄養な環境に生育し、その生態は興味深い。日本固有種。種小名dimorphanthaは「二種類の花をつける」という意味であり、本種が開放花と閉鎖花の2種類つけることに由来する。和名は「房々したタヌキモ」の意味。