イトタヌキモ

イトタヌキモ(ミカワタヌキモ)Utricularia exoleta R.Br.

イトタヌキモの草姿(左上、右上)および水中に浮遊して生育している個体

線状の植物体でありマット状になって生育するのが特徴。同様の性質は、オオバナイトタヌキモにも言えるが、花の大きさは明らかに異なっている。左上の写真の丸い葉はウチワゼニゴケであり別の植物であることに注意されたい(間に見える黄色い花とその根元の緑の細い植物がイトタヌキモである)。

貧栄養な水域に分布する湿生一年草もしくは浮遊性水生多年草。マット状に広がる糸状の植物体が特徴。オオバナイトタヌキモと形態的にはよく似ており、花を見ないと区別が困難である。いつの間にか、オオバナイトタヌキモに生育地が奪われていたということにならないように注目しておかねばならない種だと考えられる。種小名exoletaは「先細りする」、「すり減った」という意味のほか、「成熟した」という意味もあり、何に由来した名前なのか、詳細は不明である。「先細りする」、「すり減った」という意味ならば、その植物体に由来すると考えられる。和名は「糸状のタヌキモ」と「三河に産するタヌキモ」の意味。