ノタヌキモ

ノタヌキモUtricularia aurea Lour.

ノタヌキモの草姿(左上)、花(右上左下)および捕虫葉(右下)

ノタヌキモは日本産水生タヌキモ属の中で唯一の一年草である。それゆえか、果実もよく結実している。殖芽になることがないので、冬季のぎりぎりになっても花と果実を生産し続ける(右上)。葉はほかの水生タヌキモ属と異なり3分岐することが特徴で、これを確認できれば同定は容易。

中栄養な水域に分布する浮遊性水生一年草。3つに分岐した葉が特徴。日本産の他のタヌキモ類と異なり、一年草であり殖芽を形成しない。秋季に水位が低くなった溜池で、陸上に打ち上げられながらも花を咲かせている様子が見られる。茎の長さはイヌタヌキモと比較すれば長い。時に基部側は泥や藻類がこびり付き水中に沈み、水底から伸びる水草のように見えることもある。種小名aureaは「金色の」という意味であり、その花色に由来する。和名は「野生のタヌキモ」の意味。