エフクレタヌキモ

エフクレタヌキモUtricularia inflata Walter

エフクレタヌキモの草姿(左上、右上)、花(左中)、捕虫葉(右中)、浮袋状の葉(左下)および水中での様子(右下)

エフクレタヌキモはほかの日本産タヌキモ属にはない花茎を支える明瞭な浮袋状の葉が発達する。ほかの日本産タヌキモ属とは異なり沈水して生育するため、花茎を水上に出すための適応であると考えられる。また、明瞭に2又分岐した捕虫葉、3深裂する下唇花弁が特徴的である。

北アメリカを原産とする外来の水生多年草。花茎の基部に発達する浮袋状の葉が特徴。日本で認められるタヌキモ類とは異なり比較的深い水底に固着し、葉が立体的に配置されるのも特徴。その性質ゆえ、水底の広い空間を占有する。遅くとも1990年には静岡県鶴ヶ池にて帰化が確認されている(北村, 1991)。2016年度の特定外来種指定の候補に挙がった。種小名inflataは「膨らんだ」という意味であり、その花茎を支えるための空気を含んで膨らんだ葉に由来する。和名は「柄の膨らんだタヌキモ」の意味。