役職の上下関係と用語解説

このページでは役職の上下関係について、また、上下関係を表現する用語などを解説します。英語圏のVFX業界を標準として説明しています。

※独自研究です。会社によって大きく役割が異なる場合があります。ご注意ください。


マネージメント(管理)の役職の上下関係


VFXプロデューサーをトップに、アシスタントまでの役職の上下関係の大枠を提示します。

この構造は、制作側(発注する側)の中にもありますし、VFXベンダー(受注したVFX会社)の中にもあります。



●VFXプロデューサー


“Producer” = 製作者、生産者。”Produce” = 生産する、製造する、創作する(動詞)

VFXプロデューサーは、VFX製作の予算やスケジュールを管理する最高責任者です。詳細については Visual Effects Producer (VFX Producer) のページを参照してください。



●VFXプロダクションマネージャー(またはプロダクションマネージャー


”Production” = 製作、生産、製造(名詞) ”Manager” =管理者。ビジネスでは経営者、支配人、局長、部長など高い地位の役職を指す。

実行計画を立てます。プロデューサーよりは下級職ですが、かなり地位の高い人です。いきなりプロダクションマネージャーにはなれません。求人では「コーディネーターとして3~5年の経験」を求められます。詳細については VFX Production Manager のページを参照してください。


※日本では新人に「プロダクションマネージャー」の肩書きを与えることがあり、誤った使い方という指摘があります。

参考:鍋潤太郎☆ハリウッド映像トピックス 日本の 「CGデザイナー」という呼び名は時代遅れ?



●VFXコーディネーター(またはVFXプロダクションコーディネータープロダクションコーディネーター


Coordinator=進行係、調整担当、取りまとめ役

制作進行です。ミーティングを設定したりメモを取ったり連絡したりする、実際に現場を動かす人です。昇進してプロダクションマネージャーになります。詳細については VFX Production Coordinator のページを参照してください。



●VFXプロダクションアシスタント(またはプロダクションアシスタント


Assistant = 助手、補佐

制作アシスタントです。上記のプロデューサー、プロダクションマネージャー、コーディネーターを補佐します。この役職名には「ランナー」というニックネームのような別名があるようです。経験不問。新卒でも誰でも、この役職だけはすぐなれます。プロダクションマネージメント(制作管理)の入門です。昇進してコーディネーターになります。詳細については VFX Production Assistant のページを参照してください。



プロデューサー内の上下関係


小規模なチームではVFXプロデューサーは1人いるだけです。しかし、大規模なチームになってくると複数のVFXプロデューサーがおり、VFXプロデューサー、VFXエグゼクティブプロデューサー、シニアVFXプロデューサー、VFXアソシエイトプロデューサー、VFXラインプロデューサーというふうに肩書きが分かれてきます。これの役職の詳細については Visual Effects Producer (VFX Producer) および VFX Line Producer のページを参照してください。



●VFXエグゼクティブプロデューサー


Executive = 重役・幹部・高位

プロデューサーの上級職は、「エグゼクティブ」の修飾語がつきます。この役職は、ほとんどの場合VFXベンダー(受注した会社)で使われます。制作側の(=作品の)場合、トップは Visual Effects Producer(VFXと略さない)であり、その上に上級職がいるということは稀です。

エグゼクティブプロデューサーは、クレジットでは「VFXプロデューサー」より上にいることもありますが、下にいるケースも多いです。厳密に言うとVFXエグゼクティブプロデューサーの表記には Visual Effects Executive Producer、VFX Executive Producer、Executive Visual Effects Producer、Executive VFX Producer、Executive Producer などのバリエーションがありますが、こういった役職名を少なくとも60社以上が使った前例があり、かなり一般的な役職です。なお、Visual Effects Executive Producer はVESのガイドラインに記載があります。


●シニアVFXプロデューサー


Senior = 上級、高位、上位

頻繁に使われるのは「エグゼクティブ」ですが、「シニア」という修飾語が使われることもあります。この役職も、ほとんどの場合VFXベンダー(受注した会社)で使われます。

厳密に言うとシニアVFXプロデューサーの表記には Senior Visual Effects Producer、Senior VFX Producer などのバリエーションがありますが、少なくとも18社程度が使った前例があります。なお、Senior Visual Effects Producer はVESのガイドラインに記載があります。

※「チーフプロデューサー」を使うのは日本だけで、英語としては変みたいです。



●VFXプロデューサー


標準は「VFXプロデューサー」です。

制作側の(=作品の)VFXプロデューサーは多くの場合、Visual Effects Producer と表記されます(VFXと略さない)。VFXベンダー(受注した会社)の場合は、Visual Effects Producer の表記だったり VFX Producer の表記だったり、バリエーションがあります。



●VFXアソシエイトプロデューサー


Associate = 准、準、副、協力 ※下級の丁寧表現

VFXプロデューサーの下級職は、通常「アソシエイト」の修飾語がつきます。この役職は、制作側の(=作品の)プロデューサーでも、VFXベンダー(受注した会社)のプロデューサーでも使われます。

厳密に言うとVFXアソシエイトプロデューサーの表記には Visual Effects Associate Producer、VFX Associate Producer、Associate Visual Effects Producer、Associate VFX Producer、Associate Producer などのバリエーションがありますが、こういった役職名を少なくとも20社が使った前例があります。なお、Visual Effects Associate Producer はVESのガイドラインに記載があります。

※「アシスタントプロデューサー」を使うのは日本だけで、英語としては変みたいです。「アシスタント」では、かなり格下に聞こえてしまうので、格調のある「アソシエイト」を使うようです。


●VFXラインプロデューサー


ラインプロデューサーも、プロデューサーの下級職です。この役職は、ほとんどの場合VFXベンダー(受注した会社)で使われます。

厳密に言うとVFXラインプロデューサーの表記には Visual Effects Line Producer、VFX Line Producer、Line Producer などのバリエーションがありますが、こういった役職名を少なくとも19社が使った前例があります。なお、VESのガイドラインには記載されていないと思います。


※「アソシエイトプロデューサー」と「ラインプロデューサー」の上下関係についてはよく分かりません。



コーディネーター内の上下関係


VFXコーディネーターの詳細については、VFX Production Coordinator のページを参照してください。



●シニアVFXコーディネーター


Senior = 上級、高位、上位

コーディネーターの上級職には通常「シニア」の修飾語がつきます。ここからさらに昇進するとプロダクションマネージャーになります。



●VFXコーディネーター(または VFXプロダクションコーディネーター、または プロダクションコーディネーター)


コーディネーターが標準です。



●VFXアシスタントコーディネーター


Assistant = 助手、補佐

コーディネーターの下級職には通常「アシスタント」の修飾語がつきます。



※このさらに下級職は「VFXプロダクションアシスタント」または「プロダクションアシスタント」です。最下級なので、その中にさらに上下関係があるということは無いと思われます。

参考:VFX Production Assistant



クリエイティブの上下関係


作品のVFXスーパーバイザーをトップに、アーティストまでの大枠を提示します。



(作品の)VFXスーパーバイザー


制作側(いろいろなベンダーに発注する側)のVFXスーパーバイザーです。この作品を代表するVFXスーパーバイザーについては、多くの場合 ”Visual Effects Supervisor” とクレジットされます(VFXと略さない)。

作品のVFXスーパーバイザーのさらに上に ”Senior Visual Effects Supervisor” がいるケースもありますが、これは非常に稀なパターンです。



●アディショナルVFXスーパーバイザー


Additional = 追加の、補足的な

作品のVFXスーパーバイザーの下級職です。訳すと「VFXスーパーバイザー補」かと思います。


●アソシエイトVFXスーパーバイザー


Associate = 准、準、副、協力 ※下級の丁寧表現

作品のVFXスーパーバイザーの下級職です。訳すと「准VFXスーパーバイザー」「副VFXスーパーバイザー」かと思います。


※「アディショナル」と「アソシエイト」、このあたりの上下関係性は不明です。同じようなものの、呼び方が違うだけかもです。


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↑これより上は制作側(発注する側)です。

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↓これより下はVFXベンダー(受注したVFX会社)の中になります。

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(ベンダーの)シニアVFXスーパーバイザー


Senior = 上級、高位、上位

ベンダーのトップを「VFXスーパーバイザー」ではなく「シニアVFXスーパーバイザー」にする会社もあります。ただし、どちらかというと少数派です。厳密に言うと ”Senior Visual Effects Supervisor”、”Senior VFX Supervisor” などのバリエーションがありますが、こういった役職名を少なくとも13社が使った前例があります。



(ベンダーの)VFXスーパーバイザー


ベンダーのトップは多くの場合「VFXスーパーバイザー」です。厳密に言うと ”Visual Effects Supervisor” と “VFX Supervisor” のバリエーションがあります。

「作品のVFXスーパーバイザー」とはクレジットで名前の載る場所が全然違うので、特に気にせずこちらも普通に「VFXスーパーバイザー」と名乗ります。



●アディショナルVFXスーパーバイザー


Additional = 追加の、補足的な

ベンダーのVFXスーパーバイザーの下級職です。訳すと「VFXスーパーバイザー補」かと思います。

厳密に言うとアディショナルVFXスーパーバイザーの表記には Additional Visual Effects Supervisor、Additional VFX Supervisor、Additional Supervisor などのバリエーションがありますが、こういった役職名を少なくとも11社が使った前例があります。


●アソシエイトVFXスーパーバイザー


Associate = 准、準、副、協力 ※下級の丁寧表現

ベンダーのVFXスーパーバイザーの下級職です。訳すと「准VFXスーパーバイザー」「副VFXスーパーバイザー」かと思います。

厳密に言うとアソシエイトVFXスーパーバイザーの表記には Associate Visual Effects Supervisor、Associate VFX Supervisor、Visual Effects Associate Supervisor、VFX Associate Supervisor、Associate Supervisor などのバリエーションがありますが、こういった役職名を少なくとも15社が使った前例があります。


●DFXスーパーバイザー


ベンダーのVFXスーパーバイザーを補佐します。つまり、アソシエイトVFXスーパーバイザーと似たような役職みたいです。DFXスーパーバイザーについては、制作側にいることは稀で、通常ベンダー側にいます。厳密に言うとDFXスーパーバイザーの表記には Digital Effects Supervisor、DFX Supervisor などのバリエーションがありますが、こういった役職名を少なくとも18社が使った前例があります。DFXスーパーバイザーの詳細については、Digital Effects Supervisor (DFX Supervisor) のページを参照してください。


※「アディショナル」と「アソシエイト」、「DFXスーパーバイザー」このあたりの上下関係性は不明です。同じようなものの、呼び方が違うだけかもです。


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↓VFXスーパーバイザーやDFXスーパーバイザーの下で、各部門に分かれます。

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●デパートメントスーパーバイザー


Supervisor = 監督

部門によって、CGスーパーバイザー、アニメーションスーパーバイザー、コンポジティングスーパーバイザー、モデリングスーパーバイザー、リギングスーパーバイザー、FXスーパーバイザー、エンバイロメントスーパーバイザーといった役職名になります。この人たちを細かい部門に分けずにまとめてしまって、「デパートメントスーパーバイザー」や「デジタルアーティストスーパーバイザー」といった役職名でクレジットされることもあります。



●リードアーティスト


Lead = 指導、統制、指揮

リードはアーティストの上級職で、スーパーバイザーの補佐のような働きもします。スーパーバイザーと一般のアーティストの間にいます。

部門によって、リードCGアーティスト、リードアニメーター、リードコンポジター、モデリングリード、リギングリード、FXリード、エンバイロメントリードといった役職名になります。この人たちを細かい職種に分けずにまとめてしまって、「リードデジタルアーティスト」という役職名でクレジットされることもあります。



●アーティスト


アーティストは、VFXのビジュアル制作に関わるクリエイティブなスタッフを指す言葉です。クライアント・上司の要求にこたえて、各自のスキルを使って映像を制作します。

部門によって、CGアーティスト、アニメーター、コンポジター、モデラー、リギングアーティスト、FXアーティスト、エンバイロメントアーティストといった役職名になります。この人たちを細かい職種に分けずにまとめてしまって、「デジタルアーティスト」という役職名でクレジットされることもあります。



アーティスト内の上下関係


海外VFX業界では、リード、シニア、ミドル、ジュニアなど、給与面に関わる明確なランクづけが存在するそうです。


参考:Shizlog: [海外就職][Composite]リードコンポジターの仕事内容 Shizlog: [CG][海外就職]コンポジットチームの分業例 Shizlog: [海外就職]昇進・昇給のタイミング


●リードアーティスト


Lead = 指導、統制、指揮

 アーティストの上級職が「リード」です。スーパーバイザーの一歩手前で、リードまで昇進するのは、めちゃくちゃ大変みたいです。作業メインというよりは、スーパーバイザーのサポートのような働き方をすることもあるようです。



●シニアアーティスト


Senior = 上級、高位、上位

レベルの高いアーティストには「シニア」という修飾語がつきます。後輩のアーティストにアドバイスしたりするのも仕事のうちのようです。



●アーティスト


標準はアーティストです。


●ジュニアアーティスト


Junior = 下級

アーティストの下級職は「ジュニア」という修飾語がつきます。ただし、おそらく「ジュニア」には「一人前ではない」というニュアンスがあり、可哀想なのでクレジットで「ジュニア」という言葉を使う例は少ないかと思います。先輩アーティストに指導してもらいながら作業するレベルの人というのが、ジュニアのイメージだと思います。



用語解説


【スーパーバイザー】


Supervisor = 管理者、監督者

スーパーバイザーは日本語に訳すと「監督」になります。VFXスーパーバイザーは直訳すると「視覚効果監督」です。CGスーパーバイザー(=CG監督)、コンポジティングスーパーバイザー(=合成監督)など、部門ごとのデパートメントスーパーバイザーでも使われる用語です。


【ディレクター】


Director = (映画・テレビ番組などの)ディレクター、監督、製作責任者

ディレクターも日本語に訳すと同じ「監督」ですが、こちらは作品の演出面の責任者という意味の用語です。

※日本では「CGディレクター」「コンポジットディレクター」「モデリングディレクター」など、部門の監督にもディレクターが多用されますが、正しい英語ではスーパーバイザーになります。英語では、ディレクターは作品監督(映画監督など)を意味する特別な言葉のため、まったく使われないようです。ただし、「テクニカルディレクター」や「アートディレクター」など、例外的にディレクターという単語が使われるケースはあります。

参考:PRONEWS [鍋潤太郎のハリウッドVFX最前線] Vol.91 再び、ジョブタイトルについて語ってみる


【アーティスト】


Artist = アート(鑑賞してもらうための創作物・パフォーマンス)に従事する人

アーティストとは、VFX業界ではビジュアル制作に関わるクリエイティブなスタッフを指す言葉です。クライアント・上司の要求にこたえて、各自のスキルを使って映像を制作します。仕事内容によって、モデラー、アニメーター、リギングアーティスト、コンポジター、FXアーティスト、コンセプトアーティストなどに呼び分けられます。この人たちを細かい職種に分けずにまとめてしまう肩書きとして、「デジタルアーティスト」「VFXアーティスト」などがあります。

日本ではアーティストのことを「デザイナー」「クリエイター」と呼ぶことがありますが、「アーティスト」が正しい英語になります。

参照:「アーティスト」と「デザイナー」の違いとは? - コンポジゴク


【デザイナー】


Designer = 図面を描く人、設計・計画する人

「CGデザイナー」は和製英語です。英語圏のVFX業界では、デザイナーはグラフィックデザインの担当者など、一部のスタッフでしか使われません。また、デザイナーは「設計・計画する人」というニュアンスがあり、重要な責任者で使われる用法があるようです。


【クリエイター】


Creator = 創造者、創作者、創設者、造物主、神

「CGクリエイター」は和製英語です。かなり変な英語に聞こえるみたいです。英語で ”CG Creator” と言ってしまうと、CGというものをいちばん最初に生みだした人、つまり「CG発明家」というような意味合いになってしまうようです。

参考:PRONEWS [鍋潤太郎のハリウッドVFX最前線] Vol.29 筆者も含め、みんな間違えていた「CGクリエイター」という呼び名


【リード】


Lead = 指導、統制、指揮

リードという修飾語がつくと、リードがつかない人より上級職になります。また、シニアよりも上級です。スーパーバイザーよりは下です。


【シニア】


Senior = 上級、高位、上位

シニアという修飾語がつくと、シニアがつかない人より上級職になります。熟練の人などがシニアというふうに区分されます。クセのない表現なので、幅広く広い役職で使われる修飾語ではあります。ただし、プロデューサーであれば「エグゼクティブ」、アーティストなどであれば「リード」などの他の表現があるため、あえて「シニア」を使う必要のないケースも多そうです。


【ジュニア】


Junior = 下級

ジュニアという修飾語がつくと、ジュニアがつかない人よりも下級職になります。経験が浅い人がジュニアというふうに区分されます。ただし、おそらく「ジュニア」には「一人前ではない」という直接的なニュアンスがあり、可哀想なのでクレジットで「ジュニア」を使う例は少ないかと思います。


【アソシエイト】


Associate = 准、準、副、協力 ※下級の丁寧表現

下級職でも「アシスタント」(助手)というほど格下にしたくない場合に、格調のある「アソシエイト」という修飾語が使われます。スーパーバイザー、プロデューサー、プロダクションマネージャーといった地位の高い人たちで使われる修飾語です。逆にこの人たち以外ではアソシエイトは普通使われないと思います。


メモ: 日本の大学では昔「助教授」という役職がありましたが、今は「准教授」に名前が変わりました。准教授=アソシエイトプロフェッサーです。以前の「助教授」では、「アシスタントプロフェッサー」に訳されてしまい、外国に行ったときにかなり格下の人間だと誤解されたそうです。


【アシスタント】


Assistant = 助手、補佐

アシスタントは助手です。「プロダクションアシスタント」以外では、VFXエディターやコーディネーターなどの修飾語として使われます。

例:

VFXプロダクションアシスタント、または プロダクションアシスタント

VFXアシスタントエディター

アシスタントVFXコーディネーター

※VFXスーパーバイザー、VFXプロデューサー、プロダクションマネージャーなど、立場のある人たちでは「アシスタント」は一般的に使われず、代わりに「アソシエイト」が使われるようです。


【エグゼクティブ】


Executive = 重役・幹部・高位

エグゼクティブの修飾語がつくと、エグゼクティブがつかない人より上級になります。エグゼクティブは、ほぼプロデューサーでしか使われません。プロデューサー専用の格式高い修飾語と考えて良さそうです。「エグゼクティブスーパーバイザー」などを使う会社もありますが、少数派です。


【チーフ】


Chief = 長、局長、長官、所長。組織で最高権限を持つ者。最高位の。

日本では「チーフプロデューサー」「チーフアーティスト」などの肩書きが使われることがありますが、英語圏で「チーフ」という修飾語が使われることはほぼありません。かなり変に聞こえるようです。チーフは古めかしい言葉で、レストランや消防署などで使われるとか。映画スタッフでは、現場の照明スタッフなどでは使われることもあるようです。なお、「チーフ」と「オフィサー」はよくセットで会社の重役の役職名で使われるようです。たとえば外資系企業などで「CEO」という役職を聞きますが、これはChief Executive Officer(最高経営責任者)の略です。

参考:PRONEWS [鍋潤太郎のハリウッドVFX最前線] Vol.29 筆者も含め、みんな間違えていた「CGクリエイター」という呼び名


VFX会社のクレジットでチーフが使われた例は以下のようなものが見つかりましたが、アーティストではなさそうです。

Chief Executive Officer(チーフエグゼクティブオフィサー=CEO=最高経営責任者)

2017年「パワーレンジャー」 The Third Floor

Chief Operating Officer(チーフオペレーティングオフィサー=COO=最高執行役員)

2022年「グレイマン」 The Yard、2017年「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」 The Third Floor

Chief Financial Officer(チーフフィナンシャルオフィサー=CFO=最高財務責任者)

2016年「インデペンデンス・デイ: リサージェンス」 Uncharted Territory

Chief Information Officer(チーフインフォメーションオフィサー=CIO=最高情報責任者)

2014年「猿の惑星:新世紀」 Weta Digital、2013年「ホビット 竜に奪われた王国」 Weta Digital

Chief Technical Officer(チーフテクニカルオフィサー=CTO=最高技術責任者)

2022年「グレイマン」 The Yard、2020年「野性の呼び声」 Halon Entertainment、2015年「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」Zoic Studios

Chief Technology Officer(チーフテクノロジーオフィサー=CTO=最高技術責任者)

2013年「ホビット 竜に奪われた王国」 Weta Digital、2013年「ゼロ・グラビティ」 Framestore

Chief Creative

2021年「エターナルズ」 Perception、2016年「ドクター・ストレンジ」 Perception

Principal/Chief Creative

2021年「ブラック・ウィドウ」 Perception、2017年「マイティ・ソー バトルロイヤル」 Perception