SUB STORY


COLORS 番外編

【Team MONOCHRO】

 これは白狼と黒猫の出会いと絆の物語※BL表現あり(全年齢向け)※なんでも許せる方向け 
Episode.6 エピローグ  「……って事があって、今に至るというわけぇ」「ほぇ~~…モノクロ先輩にそんな過去があっただなんて、今では信じられないですねぇ」  追い出されたかのようにアジトを後にしたイエローとグレイは《FOODS EREA》で休憩していた。 イエローは追い出された腹いせに、新入りであるグレイに彼らの過去を暴露していたところだった。 「そ~だよぉ。まぁ、大会が終わった後も色々と大変だったけどねぇ。あれはホワイトの不祥事が原因だけど」「え! いったい何が…って、あっ!」「ん? い゙っ!!?……った~!!! 何すんのさっ!!…あ」  イエローの頭上から思い切り拳が振りかかってきた。 彼のヘルメットは頑丈なおかげで結構思い切りいった気がするが凹むほどではなかった。それはともかく、殴ってきた張本人ホワイトと、にっこりと優しい微笑みを浮かべるブラックの2人がイエローの後ろに立っていた事に気づいたイエローも「やば…」とバツが悪そうに殴られた頭をさすりつつ、視線を逸らす。 「…なに勝手に他人(ヒト)の過去をペラペラ喋ってんだ、ちび助ぇ」「どうやら、お灸が足りなかったようですね?」  聞いてはいけなかった事を聞いてしまったようだ。 だがグレイはイエローが勝手に話だした事だから、このままイエローに身代わりになってもらおうと考えていた。そう、自分はただ聞いていただけであると我関せずにいようとしたが、無駄だった。 「あ~…あははは~、メンゴ?」「謝ればいいってもんじゃねぇぞ、クソチビィ」「あぁ丁度良かった、グレイもいる事ですし…なんだったら今から僕らとダブルスで対戦しましょうか♪」「…え。 僕もですか!?」  まさかあのMONOCHROからの対戦の申し出に、ファンの1人であるグレイにとっては恐れ多い事で嬉しくもあるのだが、一気に高揚から青ざめる事になる。 「勿論。グレイも僕らの『絆』に不信感を抱いているようですので…これを機に分かってもらおうかと」「え??」「良かったなぁ、ドジ助ぇ…俺たちが直々にそのたるんだ身体に教えてやるってんだからよぉ。感謝しやがれ」「あ……お、お手柔らかに、お願いします…?」  何故だろう、2人とも顔は笑っているのに目は笑っていないからか、正直、脱兎のごとく逃げ出したい。ぶっちゃけ怖すぎる、特にブラックが。 「なに腑抜けた事言ってやがる」「ひぇ…」「やるからには『全力で』…ね?」「終わったわ、これ」  グレイはイエローの言葉に息を呑んだ。 無理もない、あの笑顔しか表情がないくらいの陽気なイエローから生気すら感じられなかった。まるでこの世の終わりだと言わんばかりの様子に、自分たちはこの2人にとんでもない事をしてしまったのだ、と今ようやく実感したのだ。    勿論、実践トレーニングと称してパノダンバトルをやらされ、コンテンパンにされたお調子者と新入りは、終わるころには虫の息だったという事ぐらい、容易に想像できるだろう。   これは一匹狼だった白狼と黒猫の良きライバルにして、良き相棒といった不思議な関係を描いた物語。 彼らの『絆』は想像以上に固く、これからも揺らぐ事はない。    BACK  ¦  FIN.
《 Another Sub Story  》