MAIN STORY
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【COLORS】本編・番外編リメイク!(随時更新)
Episode.01
「ねぇ、《GAME WORLD》って知ってるかい?」 「知ってるよ。知らないヒトはいないんじゃないか?」「どういう仕組みか…とにかく夢のような世界さ!」「実力さえあれば半永久的に楽しめるよ!」「身体が弱くても、そこでは強い自分でいられるんだ」「本当にあのヒトには感謝してもしきれないよ」「そう、この素晴らしい《世界の理想郷》を創り上げた――」 人々は称賛した。 当時、突如広大な土地に建てられた巨大な施設に戸惑いを隠せなかったが、すぐにその戸惑いは興味へと変わった。 その施設に入るや否や、人々は架空の世界の住人となり、様々なゲームをこなしてはポイントを貯め、架空の世界での衣食住を楽しむことができた。現実ではありえなかった事を実現できる世界に誰もが魅了されていった。それは人間だけでなく、少なからず野獣人もその世界に惹きつけられていた。 なぜならその世界は最新の技術により、誰もが《恩恵》を与えられ、現実の世界では味わえない経験ができたのだから。 この架空世界の利用者《ユーザー》が拠点とする居住区域、見たこともないアイテムや衣装が販売されているショッピングエリア、ゲームセンターを連想させるアミューズメントコーナー。大人も子供も人間も異種族も、それぞれ『平等』に利用できる…まさに“理想の世界”。 そして、高層ビルが立ち並ぶビル街のエリアのとある広場にてユーザーらは集められた。そこに収まりきれない者たちは各エリアのモニターでその様子を見守った。 施設の開設当日ということもあり、オープニングセレモニーが実施されるのだ。 しばらくすると広場の高台に男が1人、傍らに少女が2人現れた。男は一歩前へ出て、大衆に向けて声明を出した。 「ユーザーの諸君。ようこそ、特大アミューズメント施設《世界の理想郷 GAME WORLD》へ!!ここは《Everyone’s Welcome》…誰でも歓迎する事を軸に、人間はもちろん、魔術師も野獣人も妖精も…種族を超え、誰もが『平等』に!『平穏』に!時を過ごせる安寧の場を提供致します。あぁ…申し遅れました、私はこのアミューズメント施設開設の第一人者、ヒューマリズミカル・ホールディングス・カンパニー《略:HHC》の総支配人…」 そう、彼こそがこの架空の電脳世界を生み出した張本人。 ―ヒューマー=ノベル。 (ようやく…ようやく始まるのだ)