賑やかなネオン街。 ここは《RESIDENCE AREA(レジデンス・エリア)》。 多くのユーザー達の拠点ともなるこのエリアはカスタマイズ可能で基本自由に行動できる。ユーザー同士の交流の場で賑わいのあるエリアだ。 しかしそんなエリアでも、ひと気ない場所がある。 その一角の奥へ進むと、いたるところに『KEEP OUT!!』のテープや『Violent Dog Caution!!』のポスターが貼られた壁があった。その異様な壁に近づく者はほぼいないに等しい。 なぜなら壁の奥には、彼らのアジトがあるのだから。 見た目は廃墟ビルにも見えるボロい鉄筋コンクリート製の建物。 中に入ると、誰の仕業なのか、廊下の壁の至るところにスプレーアートが施されている。 廊下の奥にある扉を開けば、そこは会議室というよりは応接室に近いレイアウトの部屋だった。
そこには、仲間からの報告を受けているデビデビくん…を模した紅いフードの男がいた。 「…ん、りょーかい。んじゃ、アジトで待ってっから(…ピッ)」 男は通話を切ると、ソファに深くもたれかかり、天を仰いだ。 (嫌な予感ってのは、どうして当たっちまうのかねぇ) 「……さぁて、どうすっかな」