SUB STORY
SUB STORY
【COLORS】本編・番外編リメイク!(随時更新)
Episode.07 試練
時はどのくらい経ったことやら。 まだ宴会が開かれている最中だというのに、宴会場の和の古城のとある一室では怒声が響き渡っていた。 その数時間後、城から姿を現したのは、頭に大きなコブと顔にも数か所の打撲やひっかき傷が目立つ二人組―ザンザ=レオとビャク=ティガーだった。 あの後、三大族長が集う最上階の部屋にて人知れず『お仕置き』を受けていた。一発拳を受けるだけであったはずだが、ザンザが父王レオに暴言吐いて、そのまま親子喧嘩となり、仲裁に入ったビャクも巻き添えくらってしまったなれの果てだ。二人はとぼとぼと宴会場へと続く石畳の道を歩いていた。 「わりぃな、ビャク。なんか余計な怪我させちまって」 ザンザは弟分のビャクに申し訳なさそうに言った。 「兄貴が謝る事じゃないっすよ! 兄貴はオレをかばって親父殿に歯向かわれたんすから…」「あ~…しっかし、親父の奴もちょっとは手加減しろよなぁ…お袋からは『いたいけな女の子泣かすなんて何事や!』とか説教くらうしよ…まぁ一番怖かったのは、リュウだけど」 今思い出しても、身の毛がよだつほどの現場だった。 無理もない、たぶんあの場に居合わせた者の誰かが獣王たちに報告したのであろう。ちなみに事の発端となったミラ嬢はティガー族族長の裁きの下、侮辱罪として宴会の立ち入り禁止を言い渡された。 これも自業自得であるが。