WHOが「世界はパンデミックの状況にある」と明言したのが3月11日、私が暮らす山形県で初の感染確認者が発表されたのが3月31日でした。私もパートナーも、ともに喘息プラスアルファの基礎疾患を持っているため、万が一の重症化だけは避ける必要がありました。
加えて、パートナーは医療業務に従事していることもあり、仮に本人が感染したり家族が感染するようなことになると医療の現場に大きな支障が出てしまいます。また、私も防災や災害現場に関わる仕事をしているため、突然起こりうる災害に対応できるよう、心がける必要がありました。そういった事情から一先ず4月の上旬、私は家族と離れて車中泊で自己隔離を行い、状況を見守ることにしました。
ビジネスホテルは感染対策がまだ整っていない時期であるため使用できず。結果、車中泊を4,5日行った形になります。私もかつては災害ボランティア活動の際には車中泊を行っていましたが、現在の体調・体力ではきついものがあります。食事、手洗い、消毒、体温チェック、防寒対策、デスクワーク、睡眠等々。その一つ一つにストレスが伴います。
一方で、災害現場では避難者が溢れて避難所に入ることができず、車中泊をして避難生活をされている住民が数多くおられます。
自宅や職場が被災し、避難所にも入れず、目の前の生活と将来への不安を抱えながら車中で生活をする日が続くわけですが、この車中避難者は把握しにくい等という理由から救援物資も届きにくいという現状があります。強い孤独感も伴い、避難者のストレスは相当なものになります。
コロナ後はこれまでのような一極集中で指定避難所に集まるのでは無く、個別空間を保ち、分散避難をすることが推奨されています。言い換えれば、車中避難するかたが今後増えるということになります。
行政だけでは車中避難者、自宅や親戚宅など民泊避難者の把握や支援は一層困難になることが予想されます。行政だけに依存せずに、自身や家族、地域がどのようにしてこういった避難者を見逃さないようにするか。日頃から話し合っておく必要があるように感じています。
〈文・写真:2020.6.22 ウェザーハート災害福祉事務所 代表 千川原公彦 (FEEL Do研究員)〉